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440. Misfits and Lovers ミスフィッツ・アンド・ラヴァーズ

Misfits and Lovers (feat. Mick Jones)  ミスフィッツ・アンド・ラヴァーズ :

   The Wallflowers ザ・ウォールフラワーズ七年ぶりの復活アルバムから、行き場の無い社会的弱者たちのことを歌ったこの曲を選んでみました。 ギターには元クラッシュのミック・ジョーンズも参加しています。


Alubm : Glad All Over
  グラッド・オール・オーバー

Released: 2012. 10. 09
Written by: Lyric: Jakob Dylan , Music: The Wallflowers
Produced by: Jay Joyce (ジェイ・ジョイス)
 The Wallflowers について:
Jack (Dr), Stuart (G), Jakob (Vo. G), Rami (Ky), Greg (B)
 フリー百科事典『ウィキペディア』 

この曲を含むアルバムからは、以前に "Love is a Country" (ラヴ・イズ・ア・カントリー:348回目)を採り上げたことがありました。

ウォールフラワーズはジェイコブ・ディランを中心としたグループですが、メンバーが抜けたり、レコード会社との契約が切れたりといった状態の中で、ジェイコブはしばらくソロ活動をしており、その間にソロ・アルバムも二枚出しています。

このアルバムではベースのグレッグとキーボードのラミという古くからのメンバーの他に、サード・アルバムにギターで参加していたスチュアート・メイシスが再加入し、ドラムスには元パール・ジャムのジャック・アイアンズが加わっています。
 「Glad All Over / グラッド・オール・オーバー」(またやり直せてうれしい)というアルバム・タイトルは、あくまでもバンドという形にこだわるジェイコブの素直な気持ちを表したものでしょう。 今回の作曲者名にはメンバー全員の名前がクレジットされているのも、メンバーを大切にしようとするジェイコブの気持ちが表れていると思います。

ジェイコブ・ディランは父親ほどではありませんが、やはり分かりづらい歌詞を書くので訳すのに骨が折れます。 "lovers" や "pills" といった一般的な単語でもちょっとひねっているので、普通に訳すとおかしなことになりますので。 一応訳してみましたが、対訳はあくまでも参考程度に考えて、原文の響きからニュアンスを感じとって下さい。

【※追記】
ウォールフラワーズは2013年になってキーボードのラミが抜け、10年くらい一緒にやってきたベースのグレッグも脱退し、新加入したドラマーのジャックも1年足らずで辞めてしまったみたいです。
オフィシャル・サイト(公式ホームページ)は開けなくなっているし、YouTube や Grooveshark でも曲が聴けなくなっているし、どうしたのでしょうか・・・?


The Wallflowers:
  Jakob Dylan (ジェイコブ・ディラン) : Lead vocals, Guitar
  Rami Jaffee (ラミ・ジャッフェ) : Piano, Organ , Backing vocals
  Greg Richling (グレッグ・リッチリング) : Bass , Backing vocals
  Stuart Mathis (スチュアート・メイシス) : Guitar , Backing vocals
  Jack Irons (ジャック・アイアンズ) : Drums

   Mick Jones: Guitar and Backing vocals on "Misfits and Lovers"
   Jay Joyce: Produce, Guitar, Percussion and Backing vocals


※ この5人のメンバー(+ジェイ・ジョイス)で行われた ニューヨーク・ライヴ の模様のリンクを貼っておきます。(始めに30秒の広告が入りますが、無料で50分もの映像が観られます)

【曲目リスト】
Intro : Misfits and Lovers (Glad All Over) *
  1. Have Mercy On Him Now (Glad All Over)
  2. Three Marlenas (Bringing Down the Horse)
  3. Love Is A Country (Glad All Over) *
  4. 6th Avenue Heartache (Bringing Down the Horse)
  5. Reboot The Mission (Glad All Over)
  6. Sleepwalker (Breach) *
  7. First One In The Car (Glad All Over)
  8. One Headlight (Bringing Down the Horse) *
  9. It Won't Be Long (Glad All Over)
 10. The Difference (Bringing Down the Horse)
  ※ *印はこのブログで前に採り上げた曲で、ヒットしたセカンド・アルバムとこのニュー・アルバムから、ほぼ半分ずつの構成となっています。

  ●歌詞と対訳●
[1]
We wrote our names on the last day of summer
  夏の日の終わりに ぼくらは名前を書き合った

On the insides of each other hands
  互いの手の 内側(てのひら)に

With empty cans and walls of graffiti
  空き缶が散乱し 落書きされた壁に囲まれた場所で
 
The kind just kids understand  それは若者たちだけに 分かる行為さ

It's not glass or the wires at our feet
  それはガラスじゃなく、ぼくらの脚にからむワイヤーでもなく

That gets us dancing this way
  それはこんな風に ぼくらを踊らせるもの

It's the backbeat of these hearts that don't feel the world
  そいつは 世界を感じられない心が刻む バックビート

That is slipping away  それは 消え去って行くもの

This overpass wasn't made for going down south
  この高架橋は 南下するために作られたものじゃない

For them coming in or us getting out
  それは彼らがそこへ入ったり、ぼくらが出て行ったりするためのもの

A temple of concrete that sits
  そこに(居を)構えるコンクリートの寺院で

With losers and orphans under it
  保護されている社会的弱者や 孤児たちのためのもの
(Chorus)
Full of misfits and lovers that just need the cover that it gives
   かばってあげる必要のある はみ出し者や ●●愛好家たちであふれてる

Be counted on and counted in  頼りにしてるから 仲間に入れてやってくれ

[2]
The well is dry bags are full of grass
  井戸は干上がって バッグ(の中)はガラスでいっぱい

There's bottle caps in the rocks
  それは岩の間に散らばってる ボトル(壜)のキャップ

It's louder than you thought and the best kinds of trouble  
  それはきみの考えよりはるかに雄弁で、 トラブルの中でも最高の部類のものさ

Happen when the gate is locked  門が閉ざされた時に 起きること

This overpass wasn't made for going out west
 この陸橋は 東へ抜けるために作られたものじゃない

For taking a chance or placing your bets
   一か八(ばち)かの 賭けをするためのもの

A temple of concrete that sits
  そこに建つコンクリートの寺院で

With losers and orphans under it
  保護されている社会における負け犬や 孤児たちのためのもの
(Chorus)
Full of misfits and lovers that just need the cover that it gives
  守ってあげる必要のある 社会に適応できない者や ●●愛好家たちであふれてる

Be counted on and counted in  頼りにしてるから 仲間に入れてくれないか

Counted in   (人間の)数に入れてくれないか

[3]
It's not the hustle or the high that doesn't last
  持続しないハッスル(精力)や ハイ(高揚)な気分なんかじゃなくて

The dead leaves or the cheap romance
  枯れ葉とか あるいは安っぽいロマンスさ

It's not the pills or the punches they pack
  それは退屈なことなんかじゃなく、パック詰めのパンチなどでもなくて

It's the magic that brings us back  そいつは ぼくらをよみがえらせる魔法なのさ

This overpass wasn't made for going up north
 この高架橋は 北上するために作られたものじゃない

Taking a seat and going back and forth
  座ったり、行ったり来たりしながら

A temple of concrete that sits
  そこに在るコンクリートの寺院で

With losers and orphans under it
  保護されている社会的弱者や 孤児たちのためのもの
(Chorus)
Full of misfits and lovers that just need the cover that it gives
  かばってあげる必要のある  はみ出し者や ●●愛好家たちであふれてる

Be counted on and counted in  頼りにしてるから 仲間に入れてくれないか

Misfits and lovers...   はみ出し者や 何かにのめり込む者たち・・
Be counted on and counted in  頼りにしてるから 仲間に入れてくれ

Misfits and lovers...   社会に不適格な者や ●●中毒な者たち・・
Be counted on and counted in  頼りにしてるから 仲間に入れてくれ

Misfits and lovers ... Just need the cover that it gives
  社会からはみだした者や何かにのめり込む者たち・・・守ってあげる必要のある者たち

Be counted on and counted in   頼りにしてるから仲間に入れてやってくれないか

【単語と述語】
each other: お互いに。
empty can: 空き缶。
graffiti: 落書き。 グラフィティ。
this way: このように。 こちらの方へ、こっちに。
backbeat: ジャズやロックに特徴的な、弱拍を強調する拍子。
 "backbeat snare" は、バックビートを刻むスネアドラム。
slip away: 1.立去る、逃げ出す、席を外す。 2.死ぬ、息を引き取る。

made for: ~のために作られた。
overpass: 高架交差路、陸橋。
go down: 下る。 降りる。
come in: 中に入る。
get out: 外に出る、出て行く、逃げ出す。

temple: 寺院、神社、神殿、教会。 貧困層の保護施設も兼ねている建物と思われます。
sit: 高い建物の場合一般的には "stand" (建つ)ですが、この寺院はおそらく横に広い形で、「(居を)構える」や「鎮座している」といったニュアンスでしょうか。
loser: 敗者、負け犬。
orphan: 孤児、親のいない(人)。

full of: ~でいっぱいの。 ~に満ちている。
misfit: 1.(周りの状況からの)はみ出し者、不適格者。 2.不釣合いな、ぴったりしない。
lover: 1.恋人。 2.~愛好家。 "Dog lover" で「愛犬家」、"Jazz lover" なら「ジャズ愛好家」ですが、ここでの使い方は保護の必要があるほど重症の患者ということ。
cover: 1.守る、防御する。 2.(人を)かばう、隠す。 3.(敵の攻撃から)援護する。
 ※ "lover" と並べて韻を踏んでいます。
be counted on (you): (あなたを)頼りにしている。
count in: 数に入れる、仲間に入れる。 "count me in" だと「私も仲間(数)に入れて」

the well is dry: 井戸(の水)が枯れる。 井戸が干上がる。
bottle cap: ボトル(壜)のキャップ(ふた)。 壜の王冠。
louder than ..: ~よりも雄弁で、~よりも大声で。
happen when: ~の時に起きる。
take a chance: いちかばちか、やってみる。 当たって砕けろ。
place a bet: 賭けをする。

hustle: ハッスル、精力。
high: ハイ(な気分)、高揚する。
last: この場合は、「持続する」、「長続きする」。
dead leaves: 枯葉、落ち葉。
pill: 1.錠剤、丸薬。 2.(俗)つまらない(退屈な)人、無愛想な人。 3.嫌なこと、不愉快なこと。 4.(pills)【卑俗】きんたま、睾丸。
punch: 1.パンチ、殴打。 2.活力。 3.(ソフト・ドリンクの)パンチ。
bring back: 1.戻す、持ち帰る、連れ戻す。 2.復活させる、回復させる。 3.思い出させる。
take a seat: 席に着く、腰掛ける。
go back and forth: 行ったり来たりする、うろうろする。

テーマ : 洋楽歌詞対訳
ジャンル : 音楽

439. Speed of Love スピード・オブ・ラヴ

Speed of Love スピード・オブ・ラヴ : James Iha ジェームス・イハ

スマッシング・パンプキンズのギタリストだったジェームス・イハ14年ぶりのセカンド・アルバムから、この曲を選んでみました。

mp3 ダウンロードへ
Alubm : Look To The Sky
/ LOOK TO THE SKY(日本)

Released: March 2012 (Japan), September 2012 (US)
Written by: James Iha, Niclas Frisk
Produced by: James Iha & Nathan Larson
 ジェームス・イハ について:
James Iha 2012
 フリー百科事典『ウィキペディア』  

スマッシング・パンプキンズ在籍時に出したファースト・アルバムでは、パンプキンズの音から出来るだけ離れようとひたすらアコースティックなサウンドを奏でていたジェームス・イハでしたが、このセカンド・アルバムではエレクトリック・ギターやシンセサイザーなども取り入れて、かなりバラエティに富んだ内容となっています。
このセカンド・アルバムからはずっと以前に、"Till Next Tuesday"(「ティル・ネクスト・チューズデイ」:349回目)を取上げたことがありました。

このアルバムからは大ヒットした曲は無い代りに、全体に平均点以上の曲が並んでいるので、アルバムを通して聴くことができるし、どの曲を採り上げるかで結構悩みました。 
この曲の他に、"To Who Knows Where" も訳してみたのですが、PV(プロモーション・ビデオ)が曲の内容と関係がなく、あまり感心しなかったので僅差でこちらを撰びました。 朝の目覚し代りにタイマー・セットしてあるラジオから流れて来た、ということもありますが・・・(単純)

ジェームス・イハの書く歌詞は、"crashing" "flashing" "rushing" と似たような発音の言葉を並べて韻(いん)を踏んでいるので、とてもリズミカルで歌いやすいのですが、言葉の遊びみたいで意味の方は大したことありません。

このアルバムは日本版の出た半年後にアメリカ版が発売されていますが、曲の並び順が違っています。 国内版の方は "Waves" という曲の後に、そのノリのままこの曲のイントロが始まるという凝った作りになっていますが、アメリカ版の方はヒットしそうな曲が前半に並んでいるという感じです。 私は国内版の並びの方が好きですが・・・


James Iha – Vocals, Acoustic guitars, Electric guitars, Synthesizer
Niclas Frisk – Guitars on "Speed of Love"
Alexis Fleisig – Drums on "Speed of Love"
Adam Schlesinger – Bass on "Speed of Love"
 Neal Casal – Vocals on "Speed of Love"

Grooveshark で、Speed of Love 『スピード・オブ・ラヴ』を聴く: (3:34)

  ●歌詞と対訳●
[1]
In the night, there's danger in the air  夜は 危険な空気が漂っていて
Caution is in the wind  警告が 風の中にも感じられるけど
But me I don't care  でもぼくは 気にしてないさ
When you toll  きみが(警告を) 鳴らしてくれる時には
I'll be calling for you  きみに 電話しなくちゃ
Don't know what you are and what you could do
   きみの言いたいことや したいことは分からないけど

(Chorus)
But I'm traveling at the speed of love  でもぼくは 愛の速さで移動してるから
Sooner or later I'll be crashing  遅かれ早かれ クラッシュ(衝突)するだろう
But I don't know what I'm thinking of  自分の考えていることは 分からないけど
All the lights around me are flashing
  ぼくの周りの全ての明かりが フラッシュ(点滅)してる

[2]
In the night, don't know what I feel  夜は、 自分の気持ちが分からない
You say "Hold on",   「そのままで(電話を切らないで)」って、君は言うけど
 nothing is for real  本当のことなど 何も無いから
I feel a change and I'm calling for you 僕は変化を感じてるから君に電話するんだ
Don't know what you are and what you could do
   きみの言いたいことや したいことは分からないけど

(Chorus)
But I'm traveling at the speed of love  でもぼくは 愛の速さで移動してるから
Sooner or later I'll be crashing  遅かれ早かれ クラッシュ(衝突)するだろう
But I don't know what you're dreaming of  君が夢見てることは分からないけど
And all the lights around me are flashing  
   ぼくの周りの全ての明かりが フラッシュ(明滅)してる

And all the blood inside me is rushing
   ぼくの体内の血液が 体中をラッシュして(ほとばしって)る 
And all the cars outside are crashing
   外では あらゆる車が クラッシュ(衝突)してる

la la la la la la la la...

(Bridge)
Whatever you say is true  何と言われようと 本当のことさ
Well, I drifted in the shadows  そう、ぼくは暗がりの中を漂っているんだ
It gets so light with you  きみと一緒にいると とても明るくなるね

(間奏)

(Chorus)
But I'm traveling at the speed of love  でもぼくは 愛の速さで移動してるから
And all the lights around me are flashing  周りの全ての灯りが フラッシュしてる
Yes, we're traveling at the speed of love  そう、ぼくらは愛の速さで移動してるから
And sooner or later we'll be crashing  遅かれ早かれ ぼくらはクラッシュするだろう

Yes, we're traveling at the speed of love  そう、ぼくらは愛の速さで移動してるから
Sooner or later we'll be crashing  遅かれ早かれ ぼくらはクラッシュするだろう
Yes, we're traveling at the speed of love  そう、ぼくらは愛の速さで移動してるから

Traveling at the speed of love...   愛の速さで 旅をしているのさ・・・


in the night: 夜に、夜中に。
in the air: 1.空気の中に。 2.(気配、雰囲気が)漂っている。 3.宙に浮いている。
in the wind: 1.風の中に、風上に。 2.今にも起ころうとして。 3.(噂が)広まって。
I don't care: (私は)構わない。 気にしない。 どうでもいい。
toll: (鐘やベルを)繰り返し鳴らす。
call for you: きみに電話する。

(I) don't know what you are (doing, saying, talking..)
 : きみが(している、言ってる、話してる)ことが(ぼくには)分からない。
traveling: 旅をする、移動する、巡回する。
speed of love: 直訳すると「愛の速度」です。
sooner or later: 遅かれ早かれ、いつかは、いずれは。
crash: 衝突する、潰れる、砕ける、クラッシュする。
flash: 点滅する、閃(ひらめ)く、ピカッと光る、フラッシュする。

hold on: 1.(電話を切らずに)そのままで待つ。 2.持ちこたえる、踏ん張る、持続する。
nothing is..: ~など何も無い。
rush: 1.突進する、急ぐ。 2.殺到する。 "blood rushing" だと「血が駆け巡る」で、"crashing" 、 "rushing" と並べて韻を踏んでいる。
whatever you say: きみが何と言おうと、何と言われようと。

テーマ : 洋楽歌詞対訳
ジャンル : 音楽

438. Wild Theme 野生のテーマ

Wild Theme (Local Hero) 野生のテーマ (映画:「ローカル・ヒーロー」より) :
  Mark Knopfler マーク・ノップラーが初めて映画音楽を担当した1983年のサウンドトラック・アルバムから、映画のテーマ曲となっているこのナンバーを選んでみました。


Single EP
Album : Local Hero
  ローカル・ヒーロー
(試聴可)
Released: March 1983
Written by: Mark Knopfler (マーク・ノップラー)
Produced by: Mark Knopfler
 マーク・ノップラーについて:
Single EP (裏面)
 フリー百科事典『ウィキペディア』

これは1983年の英国映画 "Local Hero" (ローカル・ヒーロー)のサウンド・トラックの中で、何度か繰り返し流れるテーマ曲のヴァージョンの一つであり、マーク・ノップラーのギター・プレイを聴くことができる美しいナンバーです。

英語のタイトルにある "Theme"(シーム)というのはドイツ語の "Thema"(テーマ)のことで、日本では「テーマ」の方が一般的となっているのでややこしいです。 明治の文明開化の頃は、医学や音楽や哲学はドイツ語で学んでいたから、音楽や哲学の「主題」を「テーマ」と呼ぶようになったのでしょう。

映画の方は、テキサス州ヒューストンにある大手石油会社の社員が、社長命令でスコットランドの辺鄙な海辺の村に石油コンビナートを建設するため、土地の買い付けに出かける―というもの。
一応コメディ映画ということになっていますが、英国映画特有の湿り気を帯びた暗めのジョークなので、大笑いする場面はありません。 怪しげな日本語(?)も幾つか出てきます。
高層ビルが建ち並ぶアメリカの大都会とスコットランドのローカル(田舎)という対比も面白く、物にあふれた大都会と何もない海辺の村とで、「どちらが住む人にとって仕合せなのか?」―ということを、主人公と共に考えさせられる映画でもありました。

社長役のバート・ランカスター以外はそれほど知られた役者も出てきませんが、そんなに予算をかけなくても良質な映画は作れるということで、特にマーク・ノップラーの担当した音楽はアルバムとしても良いものとなっています。 1983年というと、マーク・ノップラーはダイアー・ストレイツとしてアルバムを4枚出してミュージシャンとして最も乗っていた時期で、ボブ・ディランやアズテック・カメラのプロデュースなども手がけていました。

今回採り上げたこの曲はアルバムの2曲目に入っていますが、同じテーマ曲を口笛風にアレンジした"Whistle Theme"(口笛のテーマ)も、短いけれど美しい曲です。
そしてアルバムの最後に流れるのが "Going Horme" 「ゴーイング・ホーム (ローカル・ヒーローのテーマ) 」となっていて、途中から Michael Brecker (マイケル・ブレッカー:2007年死去)のパワフルなサックスでこの曲を聴くことができます。


Mark Knopfler (マーク・ノップラー) : Guitars, piano
Alan Clark (アラン・クラーク) : Synthesizers

Grooveshark で、Wild Theme 『野生のテーマ』を聴く: (3:40)

テーマ : 80年代洋楽
ジャンル : 音楽

437. Escape エスケイプ

Escape エスケイプ : Jeff Beck ジェフ・ベック

ジェフ・ベック1985年のアルバムから、インストゥルメンタルのこの曲を選んでみました。 もう30年も前の曲になります。


Album : Flash (Import)
  フラッシュ (mp3:試聴可)

Released: July 1985
Written by: Jan Hammer (ヤン・ハマー)
Produced by: Nile Rodgers (ナイル・ロジャース), Jeff Beck
 ジェフ・ベック について:
 フリー百科事典『ウィキペディア』

この曲を含むアルバムからは、ロッド・スチュワートをフィーチュアした「People Get Ready」を紹介したことがありました。 オリジナルはカーティス・メイフィールドの作曲で、インプレッションズ時代の曲(87回目)になります。

アルバムのプロデュースには、当時マドンナのアルバムをヒットさせ、デビッド・ボウイの「レッツ・ダンス」もヒットさせて売り出し中だったナイル・ロジャースが参加していますが、ダンス・ミュージックとジェフ・ベックが合うはずもなく、この二曲以外はあまり出来が良くありません。 
ジェフ・ベック自身、苦手なヴォーカルを二曲も歌わされ、過去の汚点の様に思っているようで、あのわがままなジェフ・ベックがよく歌ったと思いますが・・・。
でもこの曲は盟友ヤン・ハマーとのコラボレーションでジェフ・ベックらしいし、割と好きなので採り上げてみました。 (忙しくて訳詞をやってる時間が無いというのもありますが)

この曲は翌1986年のグラミーで、"Best Rock Instrumental Performance" を受賞していますが、なぜかシングルにはなっていません。

(※ 音圧が低いので、かなりヴォリュームを上げないと音が小さいです)

Jeff Beck : Guiter
Jan Hammer : Keyboards (Fairlight CMI)
Doug Wimbish : Bass
Drums : Barry DeSouza, Carmine Appice, Curly Smith

Grooceshark で、Escape  『エスケイプ』を聴く: (4:42)

テーマ : 80年代洋楽
ジャンル : 音楽

435. Springsteen スプリングスティーン

Springsteenスプリングスティーン : Eric Church エリック・チャーチ

エリック・チャーチ2011年のアルバムから、翌年サード・シングルとなったこの曲を選んでみました。 アメリカのカントリー・チャートで1位、ビルボード(ホット100)でも19位となっています。


Springsteen EP
Album : Chief (Import)
  mp3 Chief (試聴可)

Released: February, 2012 (Album: July, 2011)
Written by: Eric Church, Jeff Hyde, Ryan Tyndell
Produced by: Jay Joyce (ジェイ・ジョイス)
 Eric Church
Eric Church
について:
 フリー百科事典『ウィキペディア』

この曲のタイトルである "Springsteen" はもちろんブルース・スプリングスティーンのことで、スプリングスティーンの曲がラジオから流れていた頃の、若かった自分たちのことを歌っています。
「アイム・オン・ファイアー」や「ボーン・トゥ・ラン」、「ボーン・イン・ザ・USA」といった曲名も出てきますが、この曲自体もスプリングスティーンの曲調に合わせたようなアレンジに仕上がっています。
プロデューサーのジェイ・ジョイスは、この翌年(2012年)にザ・ウォールフラワーズの "Glad All Over" を手がけていて、このアルバムでもギターやシンセサイザーで参加しています。

エリック・チャーチは2012年8月に行われたブルース・スプリングスティーンのコンサートで、ショーが終わった後にスプリングスティーン自身から長いメモ書きを受け取ったそうです。

Church was surprised when receiving the note and said that -
チャーチはそのメモ書きを受け取った時に驚いて、それについてこう述べている

"it’s a long note, takes up the entire back page of this setlist for a show that lasted three hours and 47 minutes."
 「それは長いメモ書きでね、3時間47分にも及ぶショーのセットリストの裏面全体に渡って(びっしりと)書かれていたものだったからなんだ」。

 ブルース・スプリングスティーンはその長いメモ書きの中で、「自分の家族や曲に対する愛情などについて語っていた」、ということです。


Musicians:
Eric Church — vocals, Dobro, acoustic guitar, electric guitar
Jay Joyce — acoustic guitar, electric guitar, Dobro, synthesizer
Craig Wright — drums, percussion
Lee Hendricks — bass guitar
Jedd Hughes — acoustic guitar, banjo, mandolin
Jeff Hyde — acoustic guitar, banjo, background vocals
Pat McLaughlin — acoustic guitar, electric guitar, background vocals
Bryan Sutton — acoustic guitar, banjo, mandolin
Charlie Worsham — acoustic guitar, mandolin
J. T. Corenflos — electric guitar
Luke Laird — acoustic guitar

Grooveshark で、Springsteen 『スプリングスティーン』を聴く: (4:23)

  ●歌詞と対訳●
[1]
To this day when I hear that song,
  あの曲を聴いた時から 今日に至るまで

I see you standing there on that lawn
  俺はきみが あの芝生の上に立っていた時のことを(覚えてる)

Discount shades, store bought tan,
  値引き品のサングラスと、 店でやってもらった日焼け

flip-flops and cut off jeans
  ビーチ・サンダルと 短く切ったジーンズ

Somewhere between that setting sun,
  ほとんど 沈みかけた夕日

I'm On Fire and Born To Run
  「アイム・オン・ファイアー」と「ボーン・トゥ・ラン」

You looked at me and I was done,
  きみは俺を見ていた、俺のやらかしたことを

we were just getting started
  俺たちは まだ始まったばかりだった


I was singing to you, you were singing to me
  俺はきみのために歌い、きみは俺のために歌ってくれた

I was so alive, never been more free
  俺たちは活き活きとしていた、それ以上の自由はないくらいに

Fired up my daddy's lighter and we sang, oh ..
  親父のライターで(煙草に)火を点けて 俺たちは歌い、

Stayed there 'til they forced us out
  そこを追い出されるまで そこに居続けたものさ

We took the long way to your house
  きみの家に行くまで 俺たちはわざと遠回りして

And I can still hear the sound of you saying, "Don't go"
  きみの言った「行かないで」と言う言葉が、まだ耳に残ってる

(Chorus)
When I think about you
  俺がきみのことを考えていた時のことを

I think about 17
  17歳という年齢について考えていた

I think about my old Jeep
  俺のおんぼろジープについて考えていた

I think about the stars in the sky
  夜空の星について考えていた

Funny how a melody sounds like a memory
  メモリー(思い出)のようなメロディなんて おかしな言い方だけど

Like a soundtrack to a July Saturday night
  まるで「7月の土曜日の夜」の(映画の)サウンドトラックみたいな

Springsteen  スプリングスティーン

[2]
I bumped in to you by happenstance
  俺は偶然の出来事で きみと出会った

You probably wouldn't even know who I am
  きみはおそらく 俺のことなど知りもしなかっただろうけど

But if I whispered your name,
  でも もし俺が 小声できみの噂話をしていたとしたら

I bet there'd still be a spark
  きっと ずっと話し続けていたことだろう

Back when I was gasoline and this old tattoo had brand new ink
 俺がまだガソリンみたいだった頃に、この古いタトゥ(刺青)に初めてインクを刺したんだけど

And we didn't care what your momma think 'bout your name on my arm
 俺の腕にきみの名が彫られているのを きみの母親がどう思うかなんて気にもとめなかった

Baby, is it spring or is it summer
  ベイビィ、それは春だったか、それとも夏のことだったか

The guitar sound or the beat of the drummer
  ギターの音色と ドラムの刻むビートを

You hear sometimes late at night on your radio
  きみは時々 深夜のラジオで聴いていたね 

Even though you're a million miles away
  きみが100万マイルも 遠く離れていたとしても

When you hear Born In The USA
  きみが「ボーン・イン・ザ・USA」を聴いていた時のことを

Do you relive those glory days from so long ago
  今はもう遠い昔の あの輝いていた日々のことを 再び思い出すんじゃないか

(Chorus)
When you think about me
  きみが俺のことを思っていた時

Do you think about 17
  きみは17歳という年齢について考えていたのかい

Do you think about my old Jeep
  俺のおんぼろジープのことでも考えていたのかい

Think about the stars in the sky
  それとも夜空の星のことを考えていたのかも

Funny how a melody sounds like a memory
  メモリー(思い出)のようなメロディなんて おかしな言い方だけど

Like a soundtrack to a July Saturday night
  まるで「7月の土曜日の夜」のサウンドトラックみたいだ

Springsteen, Springsteen  スプリングスティーン、 スプリングスティーン

Woah-oh-oh-oh Woah-oh-oh-oh Woah-oh-oh-oh-oh-oh-oh
Woah-oh-oh-oh woah-oh-oh-oh Woah-oh-oh-oh-oh-oh-oh


Funny how a melody sounds like a memory
  メモリー(思い出)のようなメロディなんて おかしな言い方だけど

Like a soundtrack to a July Saturday night
  まるで「ジュライ・サタデ-・ナイト」のサウンドトラックみたいだ

Springsteen, Springsteen, oh, Springsteen
  スプリングスティーン、スプリングスティーン、スプリングスティーン 

Woah-oh-oh-oh Woah-oh-oh-oh Woah-oh-oh-oh-oh-oh-oh
Woah-oh-oh-oh woah-oh-oh-oh Woah-oh-oh-oh-oh-oh-oh
Woah-oh-oh-oh Woah-oh-oh-oh Woah-oh-oh-oh-oh-oh-oh
Woah-oh-oh-oh woah-oh-oh-oh Woah-oh-oh-oh-oh-oh-oh




※ discount: 値引き、割引き。 
※ shades: サングラス。 正確には "a pair of shades"
※ store bought: 店で買える、市販の。
※ tan: 日焼け。
※ flip-flop: かかとの無いサンダル、ビーチサンダル。
※ just get started: まだ始まったばかり。
※ fire up: 点火する、火をつける。
※ force out: 強制的に外に出す、無理やりに連れ出す。 【野球】封殺する。
※ take the long way: 遠回りする、回り道をする。
※ still hear someone's voice (sound): ~の声が耳に残っている。

※ I bumped into: ~とばったり会った。
※ happenstance: 偶然の出来事。 (主に米国で)良い出来事(めぐり合い)を指すことが多い。
※ whisper someone's name: 小声で~の名前をささやく(呼ぶ)。
※ back when: ~だった頃。

テーマ : 洋楽歌詞対訳
ジャンル : 音楽

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Sumi Haruo

Author:Sumi Haruo
昨年まで老母の介護をしていました。 古い記事へのコメントも大歓迎です。
※記事へのリンクは自由ですが、対訳はあくまでも私個人の解釈なので、訳詞の転載はお断りいたします。
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