スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

78. Garota de Ipanema イパネマの娘

Garota de Ipanema (英語タイトル:The Girl from Ipanema) : イパネマの娘
 João Gilberto/Astrud Gilberto ジョアン・ジルベルト/アストラッド・ジルベルト

Alubm : イパネマの娘
アントニオ・カルロス・ジョビン
  ベスト・オブ・アストラッド・ジルベルト
アストラッド・ジルベルト

Released: 1963/1964
Written by: Antônio (アントニオ・カルロス・ジョビン:作曲)
Vinicius de Moraes (作詞) , Norman Gimbel (英語歌詞)
Produced by: Creed Taylor (クリード・テイラー)
 ジョアン・ジルベルトについて:
Joo Gilberto
 、 アストラッド・ジルベルトについて:
Astrud Gilberto
 

 イパネマの娘 はボサノバの定番中の定番であり、誰でも一度は聴いたことがあるでしょう。 この曲によってボサノバは世界に広まったのですが、皮肉なことにヒットしたのはジョアン・ジルベルトの歌ではなく、そのレコーディングで初めて歌ったという妻のアストラッド・ジルベルトの英語の歌の方でした。
 この曲には数多くのヴァージョンがありますが、ポルトガル語のタイトルと英語のタイトルがあり、更に女性が歌う場合は 「The Boy from Ipanema」(邦題:イパネマの少年)として歌詞の中の「娘」を「少年」に替えて歌うことがあるので、ますますややこしくなっています。

 この曲に歌われている娘は実際にモデルがいて、作曲者の アントニオ・カルロス・ジョビン
Antnio Carlos Jobim
と作詞のヴィニシウス・ヂ・モライスらがたむろしていたイパネバ海岸近くのバーに、時々母親のタバコを買いに来る16歳のエロイーザという長身の美少女がいて、彼女からインスピレーションを受けて書かれたとか。

 1962年リオのコパカバーナにあるナイトクラブ「オ・ボン・グルメ」で行われたショーで、アントニオ・カルロス・ジョビンとジョアン・ジルベルト、そして歌では素人の作詞者ヴィニシウス・ヂ・モライス(本職は外交官)の三人が歌ったこの新曲は大評判となり、気を良くしたモライスは外交官を辞めて歌手に転身してしまいます。 (一説ではアル中で外務省をクビになったとか・・・)
 
 その年の終り頃にアントニオ・カルロス・ジョビンとジョアン・ジルベルトらはアメリカに渡ってコンサートを行い、白人サックス・プレイヤーのスタン・ゲッツとのレコーディングにも参加します。 ジャズとボサノバを融合させようとするクロス・オーヴァー(今で言うフュージョン)のセッションですが、この「イパネマの娘」のレコーディング中にちょっとしたハプニングが起こりました。
 当時ジョアン・ジルベルトの妻だったアストラッド・ジルベルトは歌手になりたいという夢があったので、夫のジョアンに歌わせて欲しいと願い出たのです。 ジョアンは素人が歌うなどとんでもないことだと妻を説得するのですが、アントニオ・カルロス・ジョビンは別トラックで録音して編集の時に外せばいい―という提案をして、アメリカ向けに用意してあった英語の歌詞を彼女に歌わせることになりました。
 アストラッドの歌は最初の内はひどいものだったという話もあれば、実際は歌手の経験があって歌わせてみたら上手かったという話もありますが、ともかくレコーディングは完了してマスター・テープにはジョアンの歌とアストラッドの歌が別のトラックに記録されました。

 そしてそのアルバム ゲッツ/ジルベルト
ゲッツ/ジルベルト
に収められたのがここにリンクしてあるヴァージョンで、1番をジョアン・ジルベルトがポルトガル語で歌い、2番と3番をアストラッド・ジルベルトが英語の歌詞で歌い、間奏にスタン・ゲッツのサックスとアントニオ・カルロス・ジョビンのピアノが入るというものでした。 ギターはジョアン・ジルベルトです。 このアルバムはグラミー賞で三部門を受賞しました。。 
 ところが翌年の1964年にこの曲がシングル・カットされた時、なんとジョアン・ジルベルトの歌は(シングルに収まらないという理由から)カットされ、アストラッド・ジルベルトの英語の歌だけになっていたのです。 アメリカでヒットするには英語で歌うことが必須ということもあったのでしょうが、そのレコードは200万枚ものセールスを記録し、ビルボードに96週間連続チャートインするという大記録を打ち立て、グラミー賞最優秀レコード賞も受賞してボサノバを世界に広める役割を果たしました。 そしてアストラッド・ジルベルトも人気者となります。 初めてこの歌を聴いたアメリカの人たちは、これがボサノバだと思ったことでしょう。

 こうしてみると万事めでたしめでたしとなりますが、実際のレコーディングはかなり険悪な雰囲気で行われていたようで、ボサノバを理解しない傲慢で冷淡な態度の白人スタン・ゲッツに対し、英語の分からないジョアン・ジルベルトはポルトガル語で「あの白人の馬鹿をどうにかしろ」―と悪態を吐(つ)き、ポルトガル語の判らないゲッツは英語の判るアントニオ・カルロス・ジョビンに「あいつは何を言ったんだ?」―とたずね、ジョビンはその板ばさみにあって苦労したようです。 スタンはプロデューサーのクリード・テイラーに、「(素人の)アストラッドにはギャラを出すな」―とまで言ったとか・・・

 これに懲りたのか、アントニオ・カルロス・ジョビンとジョアン・ジルベルトはその後一緒に活動することはありませんでした。 ジョアンとアストラッドはその後ほどなく離婚して、アストラッド・ジルベルトは本格的に歌手活動を始めてボサノバを英語で歌い、やがては「ボサノバの女王」と言われるまでになります。

 同じ1963年にアントニオ・カルロス・ジョビンはクラウス・オガーマンのアレンジメントで 「イパネマの娘」 というアルバムをレコーディングして全米デビューを果たしています。 この曲には様々なヴァージョンがありますが、1967年にはアントニオ・カルロス・ジョビンがフランク・シナトラとデュエットしたヴァージョンも作られています。



  ●歌詞と訳詩●

 (※1番のポルトガル語の部分はジョアン・ジルベルトが歌っています)

オーリャ/キ/コイザ/マイシュ/リンダ      彼女は何て きれいなんだろう
Olha que coisa mais linda         She looks that more beautiful thing

マイシェイラ/ヂ/グラッサ       優美さに 満ちあふれて
Mais cheia de graça        More full of grace

エ/イラ/メニーナ       その娘は
É ela menina        It is her girl

キ/ヴェン/キ/パッサ       通り過ぎながら
que vem e que passa    that comes and that passes

ヌン/ドッスィ/バランス       やさしく体を揺らして   
Num doce balanço       In a sweet swinging

カミニュ/ドゥ/マーッ      海辺への道を(歩いて行く)
caminho do mar      road of the sea


モッサ/ドゥ/コゥプ/ドォゥラードゥ    黄金(こがね)色の肌をした娘は
Moça do corpo dourado       Girl of the gold body

ドゥ/ソゥ/ヂ/イパニーマ      イパネマの太陽の(日差しに焼けて)
do sol de Ipanema        of the sun of Ipanema

ウ/スィウ/バランサードゥ/エ    きみの 均整のとれた姿は
O seu balançado é         Yours balanced it is

マイシュ/キ/ウン/ポエーマ     一編の詩よりも すばらしい
mais que um poema       more than a poem

エ/ァ/コイザ/マイシュ/リンダ    それは 最も美しいもの
a coisa mais linda         It is the most beautiful thing

キ/イウ/ジャ/ヴィ/パサゥーッ   ぼくの前を通り過ぎる誰よりも  
que eu já vi passar         that I already saw to pass


アー/ポッキ/イシュトウ/タァォン/ソズィーニュ     あぁ、なのに ぼくは一人きり
Ah, porque estou to sozinho           Ah, because I am so alone

アー/ポッキ/トゥードゥ/タァォン/トゥリスチー    あぁ、だから全てのものが とても悲しげに見える
Ah, porque tudo é tão triste           Ah, because everything is so sad

アー/アーベレーザ/キ/イシシュチー     あぁ、彼女の存在は美しいけど
A beleza que não é só minha          Ah, the beauty that exists

アー/ベレーザ/キ/ナォン/エ/ソ/ミーニャー     その美しさは一人ぼっちのぼくのものじゃない
A beleza que no s minha             The beauty that is not alone mine

キ/タンベン/パッサ/ソズィーニャー        それは離れたところを 通り過ぎるだけ
Que também passa sozinha        That also passes alone


アー/スィ/エーラ/ソウベッスィ       あぁ、彼女は知っているだろうか
Ah, se ela soubesse           Ah, If she knew

キ/クアンドゥ/エラ/パッサ      彼女が通り過ぎる時に
que quando ela passa      that when she passes

ウ/ムンドゥ/ソヒンドゥ     世界が微笑むことを
O mundo sorrindo     The world smiling

スィ/インシェ/ヂ/グラッサ     彼女はそれを 無償で満たしている
se enche de graça         she becomes full free

エ/フィーカ/マイシュ/リンドゥ      そしてそれは ますます美しくなって行く
E fica mais lindo             And it is more beautiful

ポッ/カウザ/ドゥ/アモーッ      その愛のために
por causa do amor        because of the love

 (※これより下の英語の歌詞は、アストラット・ジルベルトが歌っています)

Tall and tan and young and lovely   背が高く、日焼けして、若く、そして 美しい
The girl from ipanema goes walking   イパネマから来た娘は 歩いて行く
And when she passes,   そして彼女が通り過ぎる時
each one she passes goes - ah   みんなは 彼女が通り過ぎると― 「あぁ・・」 (とため息をつく)

When she walks,   彼女が歩く時
shes like a samba   彼女はサンバ(を踊る時)のよう
That swings so cool   その(体の)スィングは とてもクール(カッコよくて)
and sways so gentle   そして とても優美に揺れ動く
That when she passes,    彼女が通りすぎる時
each one she passes goes - ah   みんなは 彼女が通り過ぎると― 「あぁ・・」

(ooh) but I watch her so sadly   でもぼくは とても悲しい気分で彼女を見つめる
How can I tell her I love her   彼女を愛していることを どうやって彼女に伝えよう
Yes, I would give my heart gladly   そう、ぼくは喜んで 僕の心を捧げよう
But each day,    でも それぞれの日々に
when she walks to the sea   彼女が海へと 歩いて行く時
She looks straight ahead,    彼女は 真っ直ぐに前を見つめている
not at me   ぼくではなく・・・

Tall and tan and young and lovely   背が高く、日焼けして、若く、そして 美しい
The girl from ipanema goes walking   イパネマから来た娘は 歩いて行く
And when she passes,   そして彼女が通り過ぎる時
I smile - but she doesn't see   ぼくが微笑みかけても ―でも彼女はぼくを見ない

  (~間奏~スタン・ゲッツのサックス・ソロの後にアントニオ・カルロス・ジョビンのピアノ)

(ooh) but I watch her so sadly   でもぼくは とても悲しい気分で彼女を見つめる
How can I tell her I love her   彼女を愛していることを どうやって彼女に伝えよう
Yes, I would give my heart gladly   そう、ぼくは喜んで 僕の心を捧げよう
But each day,    でも その日その日に
when she walks to the sea   彼女が海へと 歩いて行く時
She looks straight ahead,    彼女は 真っ直ぐに前を見つめている
not at me   ぼくではなく・・・

Tall and tan and young and lovely   背が高く、日焼けして、若く、そして 美しい
The girl from ipanema goes walking   イパネマから来た娘は 歩いて行く
And when she passes,   そして彼女が通り過ぎる時
I smile - but she doesn't see    ぼくが微笑みかけても ―でも彼女は(ぼくを)見ない
She doesn't see   彼女は見向きもしない (she と see で韻を踏んでいる)   
She doesn't see...   彼女は知らん顔・・・

記事編集

テーマ : 洋楽歌詞対訳
ジャンル : 音楽

コメントの投稿

非公開コメント

bossa nova大好き

イパネマの娘♪
大好きです。
ナンパしている。と思っていました(恥)
相手にもされていないカンが切ないです。

女性の歌う
コルコヴァード♪も大好きです。

文学的で良い歌詞ですねぇ

ブラジル音楽ってメロディ、和声も良いんですが歌詞も文学的ですごいなあと思います。記事、リンクさせていただきます。

Re: 文学的で良い歌詞ですねぇ

こちらは開店休業状態のブログなので、コメントが付いてやっと曲のリンク切れに気づき、代りにYouTubeを貼っておきました。
拙(つたな)い訳詞ですが、リンクでしたらご自由にどうぞ。
コメント、ありがとうございます。
プロフィール

Sumi Haruo

Author:Sumi Haruo
昨年まで老母の介護をしていました。 古い記事へのコメントも大歓迎です。
※記事へのリンクは自由ですが、対訳はあくまでも私個人の解釈なので、訳詞の転載はお断りいたします。
訳詞を掲載したい場合は、記事へのリンクを貼るという形にして下さい。

全記事タイトル表示リンク

全記事タイトルを表示

カテゴリ
最新記事
最新コメント
検索フォーム
FC2カウンター
フリーエリア


累計: 検索エンジン登録
本日: SEO対策
昨日: メール配信

アクセスアップ

Mail Form:メールフォーム

天気予報

-天気予報コム- -FC2-
リンク
電子書籍
Amazonから電子書籍を出版しました
QRコード
QR
RSSリンクの表示
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。