55. Mr.Tambourine Man ミスター・タンブリンマン

Mr.Tambourine Man ミスター・タンブリンマン : The Byrds バーズ


Mr.Tambourine Man
Alubm : Mr. Tambourine Man
Mr.Tambourine Man
  ミスター・タンブリン・マン
ミスター・タンブリン・マン
(試聴可)
Released: 1965
Written by: Bob Dylan
Produced by: Tom Wilson

  ザ・バーズについて:
The Byrds
 フリー百科事典『ウィキペディア』  

 12弦電気ギターの音色と爽やかなコーラスが印象的な曲で、全米と全英で1位になりました。 今聴くとそれだけのものに思えるかもしれませんが、ロックの歴史の中ではかなり重要な位置を占めています。

 この曲がヒットした1965年当時は、電気楽器を演奏するロックと、生ギターでメッセージ・ソングを歌うフォークとで、両者の間にははっきりとした境界線がありました。 バーズが目指した音楽は、ロックとフォークの融合―ビートルズとボブ・ディランの中間―といったものでしたが、彼らはそれを表現できる曲を探していたのです。
 そんな彼らに届いた一本のデモ・テープが、ボブ・ディランとジャック・エリオットの『ミスター・タンブリンマン』だったという訳です。 この曲はボブ・ディランのアルバムに収められる予定だったものが、ジャック・エリオットが酔っ払って歌詞を忘れたことで短いバージョンになり、お蔵入りとなっていたものでした。 
(ジャック・エリオット[Ramblin' Jack Elliot]はボブ・ディランが敬愛するウッディ・ガスリーの教え子で、ウッディと一緒に仕事をしていたギタリスト。 その音楽スタイルに影響を受けたボブ・ディランはコンサートで彼を紹介する時、自らを『ジャック・エリオットの息子』と称していた)

 この曲が全米No.1 となったことで、フォーク・ロックと呼ばれる新しいジャンルが誕生しました。 その一月後、ニューポート・フォーク・フェスティバルに電気ギターを携えバック・バンドを従えて出演したボブ・ディランは「ライク・ア・ローリングストーン」などを歌いますが、観客からは大ブーイングを受けてしまいます。 何しろフォークの旗手や神様と呼ばれていたディラン自身がフォーク・ロックに移行しようとしていた訳で、当時の観客からは「Judas (ユダ=裏切り者)!」という罵声と共に物まで飛んできたそうですが、それによってディランは新しいファン層を獲得することになりました。

 この年には同じように12弦ギターと電気楽器を使ったバリー・マクガイア の 『Eve of destruction』 がNo.1 ヒットとなり、アコースティック・ギターで歌われていたサイモン&ガーファンクルの 『Sound of silence』 にプロデューサーのトム・ウィルソンが電気楽器の演奏を(勝手に)プラスしたシングルが同じくNo.1 となっています。 そして翌年にはバリー・マクガイアのバック・コーラスをつとめていたママス&パパスの『California dreamin'』が全米No.4 に入るヒットを記録しました。

 ところでこの『ミスター・タンブリンマン』というタイトルですが、ディラン自身の説明によるとこれはボブ・ディランのセッションでギターを弾いていたグリニッジビレッジのフォーク・ギタリスト Bruce Langhorne (ブルース・ラングホーン)がモデルになっているようです。 彼は巨大なトルコの(タンバリンのような)フレームドラムを持っていて、プロデューサーのトム・ウィルソンに頼まれてそれを演奏したのを聴いたディランがインスピレーションを受け、この曲を書いたということです。
 現代の辞書によると 「tambourine man」 は米俗で『ヤク(薬物)の売人』という意味にもなるようですが、それはこの曲から来ているのかもしれません。 44年前の辞書にそんな意味は載っていませんでしたから・・・
 あの頃には『ミスター・ベースマン』という曲もありましたし、ディランは「ミスター・ロンリー」をもじって「ミス・ロンリー」なんて言葉を『ライク・ア・ローリングストーン』の中で使っています。 この曲はディラン自身もレコーディングしていますが、ディランのヴァージョンは歌詞も曲の長さも倍くらいに膨らんでますます難解なものとなっています。

 この曲で12弦の電気ギターを弾いているジム(ロジャー)・マッギンはビートルズの映画 『A Hard Day's Night』 でジョージ・ハリソンがリッケンバッカーの12弦電気ギターを弾いているのを見て、その帰りに楽器店に寄って12弦電気ギターを買ったそうですが、この曲の後にヒットした 『ターン・ターン・ターン (Turn! Turn! Turn!)』 でも12弦ギターを弾いていて、すっかり彼のトレード・マークみたいになっています。
 ザ・バーズは当時の音楽シーンに様々な影響を与えただけでなく、そこからクロズビー、スティルス&ナッシュ (Crosby, Stills & Nash )といったグループが派生したり、グラム・パーソンズのような人が一時的にですが参加してカントリー・ロックといった新しいジャンルを開拓していました。 現在ザ・バーズ自体は音楽の歴史の中に埋もれかけていますが、そうした埃を払って改めて聴き直してみるのも良いことでしょう。

● Mr.Tambourine Man 『ミスター・タンブリンマン』を聴く:
(※自動的に再生が始まらない時は、上にある「PLAY」をクリックして下さい)

  ●歌詞と訳詩●

Hey Mister Tambourine Man,   ヘイ、ミスター・タンブリン・マン ※
play a song for me   ぼくのために 一曲演(や)っておくれ ※
I'm not sleepy   ぼくは眠くはないけど
and there ain't no place I'm goin' to   ぼくは どこにも行く場所がないんだ
Hey Mister Tambourine Man,   ヘイ、ミスター・タンブリン・マン
play a song for me   ぼくのために 一曲演(や)っておくれ
In the jingle jangle morning,   (タンバリンの)ジングルがジャラジャラと(騒がしい)朝に ※
I'll come followin' you   ぼくは あなたの後について行くから

Take me for a trip   ぼくをトリップ(旅行)へと連れてっておくれ ※
upon your magic swirlin' ship   あなたの魔法の クルクルと回る船の上へと
All my senses have been stripped   ぼくの全ての感覚は奪われてしまい   
And my hands can't feel to grip   そして ぼくの両手は握る感覚がなくなり
And my toes too numb to step   つま先は 歩こうにもしびれてしまって 
Wait only for my boot heels to be wanderin'   ブーツの踵だけが さまよい出すのを待っているんだ

I'm ready to go anywhere   ぼくは どこにでも行く準備はできているし
I'm ready for to fade   消え去るための用意だってしてあるんだ、
On to my own parade   ぼく自身という パレードの中で。
cast your dancin' spell my way   あなたの踊りで ぼくの行く道に呪文をかけておくれ
I promise to go under it   ぼくは それに従うと約束するから

Hey Mister Tambourine Man,   ヘイ、ミスター・タンブリン・マン
play a song for me   ぼくのために 一曲演(や)っておくれ
I'm not sleepy   ぼくは眠くはないけど
and there ain't no place I'm goin' to   ぼくは どこにも行く場所がないんだ
Hey Mister Tambourine Man,   ヘイ、ミスター・タンブリン・マン
play a song for me   ぼくのために 一曲演(や)っておくれ
In the jingle jangle morning,   ジングルがジャラジャラと(騒がしい)朝に
I'll come followin' you   ぼくは あなたの後について行くから


※ tambourine man : タンバリンは小学生でも知っている楽器だが、tambourine man は米俗で『ヤク(薬物)の売人』という意味になる。 一説によると、この曲からその意味が出来たとも。
これはボブ・ディランのセッションでギターを弾いていたグリニッジビレッジのフォーク・ギタリスト Bruce Langhorne (ブルース・ラングホーン)がモデルになっているらしい。 彼は巨大なトルコの(タンバリンのような)フレームドラムを持っていて、プロデューサーのトム・ウィルソンに頼まれてそれを演奏したのを聴いたディランがインスピレーションを受け、この曲を書いたという。

※ play a song : 歌を唄うだと『sing a song 』となるし、play は楽器を演奏することだから、固い表現になるけどこうしておいた。

※ jingle jangle :jingle (チリンチリン)も jangle(ジャンジャン)も擬音だが、jangle の方が騒々しい感じで、jingle はタンバリンに付いている小型のシンバルのことでもある。 jingle jangle と並ぶとクリスマス商戦の賑わいなどにも使われる。

※ trip : ドラッグによるトリップ(ハイな状態になる)ということだろう。 その後に続く「ship」、「grip」、「step」と並べて韻を踏んでいる。
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テーマ : 洋楽歌詞対訳
ジャンル : 音楽

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昨年まで老母の介護をしていました。 古い記事へのコメントも大歓迎です。
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