416. Sign Language サイン・ラングウィッヂ

Sign Language サイン・ラングウィッヂ : Eric Clapton feat. Bob Dylan

エリック・クラプトン1976年のアルバムから、ボブ・ディランとのデュエット曲を選んでみました。 ロビー・ロバートソン(ザ・バンド)のギター・ソロも楽しめます。


No Reason to Cry
Album : No Reason to Cry
  ノー・リーズン・トゥ・クライ

Released: August 1976 (Album)
Written by: Bob Dylan
Produced by: Rob Fraboni
 エリック・クラプトン
Bob Dylan (L) & Eric Clapton (R)
/ ボブ・ディラン について:
Bob Dylan (L) & Eric Clapton (R)
 


この曲を含むアルバムは、ザ・バンドがオーナーの「シャングリ・ラ」スタジオでレコーディングされました。 (元「娼婦の館」だったところを改装したとか)

ザ・バンドのメンバーを始め、当時ローリング・ストーンズの正式メンバーになったばかりのロン・ウッドなど、気心の知れた仲間たちに囲まれてのレコーディングだったようです。

この頃のクラプトンは前作をジャマイカでレコーディングしたりと、かなりレイドバック(laid-back/のんびり、くつろいだ)していて、およそギター・バトルをやろうといった気はないらしく、ここでもロビー・ロバートソンにソロを弾かせています。 
このアルバムにはかなり多くのミュージシャンが参加しているのですが、詳しいクレジットは書かれていないので、各曲で誰が何を演奏しているのかは分かりません。

ボブ・ディランはかつて、ザ・バンドをバック・バンドとして率いていた親分で、クラプトンのセッションに参加するというよりは、スタジオの様子をのぞきに来てブラブラしていたようです。 ウィキペディアにある記事のその辺りを訳してみると、

Dylan dropped by and was just hanging out, living in a tent at the bottom of the garden.
ディランはちょっと顔を出したり、ただブラブラしているだけで、庭の外れにあるテントの中で暮らしていた。

He would sneak into the studio to see what was going on.
彼は今どうなっているかを見るため、スタジオに潜入していた。

Dylan offered his new, unrecorded song "Seven Days" to Clapton.
ディランは彼の新しい、未だレコーディングしていない新曲「セヴン・デイズ」もクラプトンに提供した。

Clapton passed on it, but Ron Wood took him up on the offer and released it on his third solo album Gimme Some Neck.
クラプトンはそっちはパスしたけど、ロン・ウッドはそのオファーに応じ、彼のサード・ソロ・アルバム「ギミ・サム・ネック」で採り上げてリリースした。 (シングル・カットされてます)
―ということになっています。 他にもヴァン・モリソンやピート・タウンゼント(「ザ・フー」のギタリスト)の参加した曲もあったというから、お蔵入りとなった曲が他にもあるようです。

3番の歌詞の中にギタリスト「リンク・レイ」の名前が出てきますが、ピート・タウンゼントは「彼は王者だ。彼と彼の曲『Rumble (「ランブル」)』がなかったら、自分はギターを持たなかっただろう」と言っていますから、何を演(や)ったのか気になるところですが・・・

この曲の作曲者はボブ・ディランになっていますが、クラプトンによるとディランが歌詞を書き、コード進行などは共同作業で進めていったそうです。 ディランの方が四つ年上の兄貴分だから、さすがのクラプトンもディランの前では少し分が悪いのかもしれません。
プロデューサーもクレジットはロブ・フラボニとなっていますが、実際にはカール・レイドルとクラプトン主導で進められ、フラボニはレコーディングの途中から参加したとか。 このあたりも割りとルーズですね。

気心の知れた仲間たちと気ままにセッションしながら、それでいてある程度の緊張感は保っているのですが、この曲は大物二人のデュエットという呼び物以上にバックの演奏が素晴らしい。 有名人同士のデュエットというと大抵は名前だけで肝心の曲は面白くないことが多いのですが、この曲はなぜか好きで今でも時々聴きたくなります。


Eric Clapton (エリック・クラプトン): lead vocals, guitar (dobro)
Bob Dylan (ボブ・ディラン): vocals
Robbie Robertson (ロビー・ロバートソン): guitar solo

Grooveshark で、Sign Language 『サイン・ラングウィッヂ』を聴く: (2:55)

  ●歌詞と対訳●
[1]
You speak to me in sign language
  お前はサイン・ラングウィッヂ(手振り)で 俺に話しかけてきた

As I'm eating a sandwich in a small cafe
  俺は小さなカフェで サンドウィッチを食べていて

At a quarter to three
  3時15分前だった

But I can't respond to your sign language
  でも俺が お前の手振りに応えられずにいると

You're taking advantage, bringing me down
  お前はそれをいいことに 俺を落ち込ませるんだ 

Can't you make any sound?
  何か 音か声でも出せないのか?

[2]
It was there by the bakery,
  それはベーカリー(パン屋)の近くで、

surrounded by fakery
  フェーカリー(にせ物)に囲まれていた 

This is my story, still I'm still there
  これが俺のストーリー(話)だけど、 俺はまだそこにいるんだ

Does she know I still care?
  俺がまだ気にしているのを、 彼女は知っているのか?

(間奏)  Robbie Robertson : guitar solo

[3]   (Bob Dylan : vocal solo)
Link Wray was playing on a jukebox, I was paying
  リンク・レイのプレイが ジュークボックスから流れてた、 俺も演奏したことのある曲が

For the words I was saying, so misunderstood
  俺の言ったそうした言葉は、 かなり誤解されたけど  

He didn't do me no good
  彼が俺にもたらしたことは (決して)無駄なことじゃなかった

(以下、繰り返し)
You speak to me in sign language
  お前はサイン・ラングウィッヂ(手振り)で 俺に話しかけてきた

As I'm eating a sandwich in a small cafe
  俺は小さなカフェで サンドウィッチを食べていて

At a quarter to three
  3時15分前だった

But I can't respond to your sign language
  でも俺が お前の手振りに応えられずにいると

You're taking advantage, bringing me down
  お前はそれをいいことに 俺の気分を滅入らせるんだ

Can't you make any sound?
  少しは 音か声でも出せないのか?


※ sign language: 手話。 手振り。 「ラングウィッヂ」と「サンドウィッチ」を掛けている。
※ quarter to ..: ~時15分前。
※ respond: (質問などに)答える。 返事をする。
※ take advantage: ~に乗じて、 ~をいいことに、 ~につけこんで、 ~を利用して。
※ bring down: 落ち込ませる、 気分を沈ませる、 気を滅入らせる、 意気消沈させる。
※ make a sound: 音を立てる。 声を出す。
 (この場合は身振り手振りに対してだから、「声を出す」の方が近いでしょう)

※ fakery: いんちき、偽物、模造品。 先の "bakery" (パン屋)や後の "story" (物語)と並べて韻を踏んでいますが、単なる言葉のあそびで大した意味は無いように思われます。

※ Link Wray: フレデリック・リンカーン "リンク" レイ・ジュニア(Frederick Lincoln "Link" Wray Jr 1929年5月2日 - 2005年11月5日) アメリカのロックギタリスト、作詞家、作曲家。 そのギター・プレイで多くのミュージシャンに影響を与えている。
※ misunderstood: 誤解された、 正しく理解されない。
※ no good: 【形】役に立たない、使い物にならない、無価値な、無駄な。 【名】役立たずな人。 能無し、不良。
  

テーマ : 洋楽歌詞対訳
ジャンル : 音楽

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

Sumi Haruo

Author:Sumi Haruo
昨年まで老母の介護をしていました。 古い記事へのコメントも大歓迎です。
※記事へのリンクは自由ですが、対訳はあくまでも私個人の解釈なので、訳詞の転載はお断りいたします。
訳詞を掲載したい場合は、記事へのリンクを貼るという形にして下さい。

全記事タイトル表示リンク

全記事タイトルを表示

カテゴリ
最新記事
最新コメント
検索フォーム
FC2カウンター
フリーエリア


累計: 検索エンジン登録
本日: SEO対策
昨日: メール配信

アクセスアップ

Mail Form:メールフォーム

リンク
電子書籍
Amazonから電子書籍を出版しました
QRコード
QR
RSSリンクの表示