415. Papa Was A Rolling Stone パパ・ワズ・ア・ローリング・ストーン

Papa Was A Rolling Stone パパ・ワズ・ア・ローリング・ストーン (カヴァー) : 
  David Lindley & El Rayo-X デヴィッド・リンドレー&エル・レイヨー・エクス

デヴィッド・リンドレー1988年のアルバムから、テンプテーションズのヒット曲をカヴァーしたこの曲を選んでみました。 9月3日が命日となる住所不定の父親を歌った曲で、デイヴさんのギター・プレイの他に三者三様の歌声も楽しめます。


Very Greasy
Album : Very Greasy (試聴可)
  ヴェリー・グリーシー

Released: 1988 (Original : 1972)
Written by: Norman Whitfield, Barrett Strong
Produced by: Linda Ronstadt
 デヴィッド・リンドレーについて:
David Lindley (山下達郎ではありません)
 フリー百科事典『ウィキペディア』

David Lindley & El Rayo-Xこの曲はもちろんオリジナルも良いのですが、何しろアルバム・ヴァージョンが12分、シングル・ヴァージョンでも7分くらいと長いのが難点です。

しかもイントロだけで4分(シングルでも2分)もかかりますから、今では歌が始まる前に閉じられてしまいそうなので、比較的短めなこちらのヴァージョンを選んでみました。

写真中央がデイヴさん(デヴィッド・リンドレー)で、以前はジャクソン・ブラウンのバックでギターを弾いていたこともありました。 ギターの他にもフィドル(ヴァイオリン)を始め様々な弦楽器をこなすマルチ・プレイヤーで、「歌えるギタリスト」という点ではライ・クーダーに近い人でしょうか。 ライ・クーダーとはジョイント・コンサートも行っています。
ライ・クーダーが真面目な音楽求道者とすると、デイヴさんはレゲエ風や中華風など様々な国のフレーズが自在に飛び出してくる人で、平気でアホなことのできる点が強みでしょう。

デイヴさんの左隣がベースのホルヘ・カルデロンで、ここでは3番の歌詞を歌っています。
右端がキーボードのウィリアム・スミスで、2番目の歌詞でソロを歌っています。 アドリブが入って少し歌詞を変えてあり、しかも黒人特有の発音なので分かりにくいのですが、聞き取れる範囲内で歌詞に修正を加えておきました。 オリジナルの歌詞で"alone"(一人きり)とあるところを"a loan"(借金)にするなど、テンプス(テンプテーションズ)のヴァージョン とは少し違いますが、新しいアレンジの曲としてお楽しみ下さい。

アルバム・タイトルの"Very Greasy"(とても脂っこい)は、6番目に入っているウォーレン・ジヴォンのヒット曲"Warewolves of London "(ロンドンのオオカミ男)の歌詞の一節、"my hair was ..... very very greasy"(俺の髪の毛は、とてもベタベタだった)から採られているようです。

プロデューサーにリンダ・ロンスタッドの名前があるのが意外ですが、アルバム・タイトルとは裏腹に全体的にポップな感じの聴きやすいアルバムに仕上がっているので、デイヴさんを最初に聴くならこのアルバムから入ってみると良いかも・・・
8曲目の"Never Knew Her"では、昔のよしみでジャクソン・ブラウンも参加しています。


David Lindley : Slide guitar, Electric rhythm & lead guitars, Lead vocals [1]
Willian (Smitty) Smith : Keyboards, Lead Vocals [2], harmony vocals
Jorge Calderon : Electric bass, Lead vocals [3], harmony vocals
Ray Woodbury : Electric rhythm guitar, harmony vocals
Walfredo Reyes : Percussion

  ●歌詞と対訳●

[1] David Lindley (デヴィッド・リンドレー)

It was the third of September
  それは9月3日のことで

The day I'll always remember, yes I will
  その日のことは いつも覚えている、そうさ

'Cause that was the day that my daddy died
  だってその日は 親父が亡くなった日だったから

I never had a chance to see him
  その人に会うチャンスは 一度も無くて

Never heard nothing but bad things 'bout him
  彼について 悪いことの他には 何一つ聞いたことがなかった

Mama, I'm depending on you, to tell me the truth
  母さん、できる範囲でいいから 本当のことを話してよ

(Chorus)
Your Papa was a rolling stone
  あんたの父さんは (転がる石みたいに)住所不定の人だった

Wherever he laid his hat was his home
  どこであろうと 帽子を置いたところがあの人の家

(And when he died)
  (そしてあの人が死んだ時)

All he left us was a loan  (alone)
  あたしたちに残したのものは 借金だけだった

Your Papa was a rolling stone
  あんたの父さんは (転がる石みたいに)住所不定の人だった

Wherever he laid his hat was his home
  どこであろうと 帽子を置いたところがあの人の家

(And when he died)
  (そしてあの人が死んだ時)

All he left us was a loan
  あたしたちに残したのものは 借金だけだった


[2] William Smith (ウィリアム・スミス)

Some people say,
  ある人々が言うには、

That Papa never worked a day in his life
  父さんはその人生で 一日だって働いたことがなく 

(Hey)
't was bad talk goin' around town
  それについては悪い噂話(うわさばなし)が 町中に広まっていた

that Papa had three outside children
  それは 父さんには三人の私生児がいて、

and another wife
  それぞれに 別の相手(母親)がいる、ってこと

(Oh, )
Papa was always doin' a little store front preachin'
  父さんはいつも 小さな店の前に立っては 説教めいたことをやっていて

Tryin' to savin' souls and do little leechin'
  たましいの救済などを試しては わずかばかりの他人(ひと)の金を搾取して

And dealin' in debt, 'n' stealin' in the name of the Lord
  借金の取引きをしたり、 神の御名において 他人(ひと)さまのものを奪っていたの

(Wow, wow, wow. wow..)

(Chorus)
Papa was a rollin' stone,
  父さんは (転がる石みたいに)住所不定の人だった

(Well, well, well, well)

Wherever he laid his hat was his home
  どこであろうと 帽子を置いたところがあの人の家

(And when he died)
  (そしてあの人が死んだ時)

All he left us was a loan,  (yeah)
  あたしたちに残したのものは 借金だけだった

Your Papa was a rollin' stone
  あんたの父さんは (転がる石みたいに)住所不定の人だった

(Well, well, well, well)

Wherever he laid his hat was his home
  どこであろうと 帽子を置いたところがあの人の家

(And when he died)
  (そしてあの人が死んだ時)

All he left us was a loan,  (yeah ,yeah, yeah ..)
  あたしたちに残したのものは 借金だけだった

(間奏)  Guitar solo : David Lindley

[3] Jorge Calderon (ホルヘ・カルデロン)

Some people say Papa was a jack of all trades
  ある人々によると 父さんはいわゆる「何でも屋」で

That what lent to an early grave
  それによって 早死にしたようなものだった、と言う

Some people say Papa used to beg, borrow, steal, to pay his bills
  父さんは溜まったツケを支払うためなら、いかなる手段でも使う人だった、と  

Papa was never do much on thinkin'
  父さんは物事を 深く考えたりしない人で

Spent most of his time chasin' women and drinkin'
  その人生の大半を 女を追いかけ回したり、酒を飲むことに費やしていた、と

Mama, I'm dependin' on you, to tell me the truth
  母さん、できる範囲でいいから 本当のことを話してよ

(Mama looked up with a tear in her eye and said)
  (母は目に涙を浮かべながら顔を上げ、 そして話をしてくれた)

(Chorus)
Papa was a rollin' stone
父さんは (転がる石みたいに)住所不定の人だった

(Well, well, well, well)

Wherever he laid his hat was his home
  どこだろうと 帽子を置いたところがあの人の家

(And when he died)
  (そしてあの人が死んだ時)

All he left us was a loan, yes he did
  あたしたちに残したのものは 借金だけだった、そう

Your Papa was a rollin' stone
  あんたの父さんは (転がる石みたいに)住所不定の人だった

(Well, well, well, well)

Wherever he laid his hat was his home
  どこであろうと 帽子を置いたところがあの人の家

(And when he died)
  (そしてあの人が死んだ時)

All he left us was a loan
  あたしたちに残したのものは 借金だけだった


※ third of September: 9月の3日。 Fourth of July なら7月4日(独立記念日)。 
※ nothing but ..: (「~以外は何も無い」から)~にすぎない。 ~だけ、~のみ。
※ depending on ..: ~に応じて、~次第で、~にもよるが、~によって。
※ rolling stone: (「転がる石」から)住所不定の人、 仕事を次々に変える人。
※ laid: lay (横たえる)の過去形。
※ a loan: 借金。 原文は alone(一人きり)で、left alone なら「置き去りにする」。
 
※ around town: 町中。 rumor going around town なら「世間のうわさ」。 
※ outside child: 正確には"child born outside of marriage"(結婚しないで生まれた子供)で、いわゆる「私生児」 (差別用語だが、これが一番分かりやすい)
「嫡出(ちゃくしゅつ)でない子供」、「非嫡出児」ではかえって分かりにくいので。
※ preaching: (牧師の行う)説教。 
※ saving souls: 「たましいの救済」(普通は牧師が行うもの)
※ leeching: (ヒルが吸血することから)他人を食いものにする人。 他人の金を搾取する人。
※ in debt: 借金する。 "in dirt"(汚れた、汚いやり方)となっている歌詞もあり。
※ in the name of the ..: ~の名のもとに。 "Load" は「主(しゅ)」や「神」。

※ jack of all trades: 何でも屋、よろず屋、何でも出来る器用な男。(ジャックは男の代名詞)
※ early grave: 早死に、若死に。 ("grave" は「墓」のこと)
※ beg borrow (and) steal: (「乞う、借りる、盗む」ことから)いかなる手段を使っても。
※ do much on: 多くのことを行う。 この場合は"never"(決して~しない)が付くから逆の意味になります。
※ look up: 見上げる。 

テーマ : 洋楽歌詞対訳
ジャンル : 音楽

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No title

初めまして。George Michaelばかり聴いていて、彼がこの曲をカバーしていたのでここに辿り着きました。
ここで初めて歌詞を見たのですが、aloneだと思っていた箇所が実はa loanだったと知り、今のぞって驚いているところです。すごいパパですね。。。
丁寧な解説でわかりやすかったです。

Re: No title

この曲はテンプテーションズのカヴァーで、オリジナルの歌詞は解説にもあるように「left alone(置き去りにする)」ですが、それを「left a loan(借金を残す)」と変えて歌っており、カヴァー曲にはよくあることです。
いずれにしても、反面教師的なとんでもない父親だった訳ですね。

オリジナルの方はイントロだけでも数分あって中々歌が始まらないので、今回はカヴァー曲の方を採り上げてみたのですが、興味がおありでしたらオリジナル曲の方も聴いてみて下さい。
コメントありがとうございました。
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Sumi Haruo

Author:Sumi Haruo
昨年まで老母の介護をしていました。 古い記事へのコメントも大歓迎です。
※記事へのリンクは自由ですが、対訳はあくまでも私個人の解釈なので、訳詞の転載はお断りいたします。
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