406. Handle With Care ハンドル・ウィズ・ケア

Handle With Care ハンドル・ウィズ・ケア : Traveling Wilburys

トラヴェリング・ウィルベリーズとゆー匿名新人バンドによる、1988年のデビュー・シングルです。 かなり老けた新人バンドで全員サングラスで顔を隠していますが、バレバレですね・・・


Handle With Care
Album : Traveling Wilburys
  トラヴェリング・ウィル・・

Released: October 1988
Written by: Traveling Wilburys
Produced by: Nelson Wilbury (G.H.), Otis Wilbury (J. L.)
  トラヴェリング・ウィルベリーズ
B.Dylan, J.Lynne, T.Petty, R.Orbison, G.Harrison
 フリー百科事典『ウィキペディア』

このバンドのそもそものキッカケは、ジョージ・ハリソンがシングル曲 "This is Love" のB面に入れる曲が出来なくて、その曲を含むアルバム(クラウド・ナイン)のプロデュースをしてくれたジェフ・リンに相談に行ったことから始まります。
その頃のジョージ・ハリソンはロサンゼルスにいて、ジェフ・リンはロイ・オービソン最後のアルバムとなった「ミステリー・ガール」のレコーディングに参加しているところでした(トム・ペティも参加してます)。

その夜三人で食事をした時、ジョージは二人に協力してもらえることになったのですが、すぐに使えるスタジオが無く、ジョージが「それじゃボブのところへ行こう」と言ったそうです。 ロイ・オービソンによると、「そのボブってのが誰だか知らないけどついて行ったら、(マリブにある)ボブ・ディランのホーム・スタジオだった」とか。
翌日ジョージ・ハリソンは、トム・ペティに貸してあったギターを取りに行き、ついでにトム・ペティも参加することになったようです。

この曲のタイトルとなっている "Handle With Care" は、「取り扱い注意」という注意書きのことで、ボブ・ディランのガレージで曲のアイディアを考えていたジョージ・ハリソンが、段ボール箱に貼られていたラベルを見て「これだ!」と閃(ひらめ)いたとか。 歌詞の中では間に "Me" が入るから、「ぼくを大切に扱っておくれ」といった感じでしょうか。

最初の部分をジョージ・ハリソンが歌い、それを受けてロイ・オービソンがあのハイ・トーンな声で歌い、続いてボブ・ディランとトム・ペティのだみ声が入りますが、曲調がガラッと変わるので、それぞれが各パートの作曲を担当したのでしょう。

この曲のレコーディングが上手く行き、B面に入れるにはもったいない程の出来だったので、レコード会社の方から「いっそグループとして出さないか」―という具合に、話がどんどん大きくなっていったようです。
ただしレコード会社の契約上の関係で個人名や顔が出せないので、全員が「なんとか・ウィルベリー」という偽名を使い、サングラスで顔を隠してはいますが、これだけの大物揃いだからすぐにバレますけどね・・・

ちなみにドラムスにはバスター・サイドベリーという人(ジム・ケルトナー)がサポート・メンバーとして参加しており、PV(プロモーション・ヴィデオ)でも顔が映っていました(この人はいつもサングラスしてます)。 ジム・ケルトナーはライ・クーダーのアルバムではお馴染みですが、ボブ・ディランやジョージ・ハリソンのレコーディングにも参加しているから、気心の知れた間柄(あいだがら)といったところでしょうか。

5人全員がギターを弾いていますが、間奏のギター・ソロは誰が聴いてもジョージ・ハリソンでしょう。 ハーモニカはボブ・ディランですね。 5人の名前を聞いてもピンと来ない若い人には面白くないかもしれませんが、伝説の記録映画「バングラデシュのコンサート(1971年)」を知る世代の方なら、YouTube の動画を観ているだけでも楽しめると思います。


Traveling Wilburys:
Nelson Wilbury (George Harrison) – vocals, electric and acoustic guitars
Lefty Wilbury (Roy Orbison) – vocals, acoustic guitar
Lucky Wilbury (Bob Dylan) – vocals, acoustic guitar, harmonica
Charlie T. Wilbury Jr (Tom Petty) – vocals, bass, acoustic guitar
Otis Wilbury (Jeff Lynne) – vocals, electric and acoustic guitars, keyboards

  Buster Sidebury (Jim Keltner) – drums
  Ian Wallace – tom-toms on "Handle with Care"

Handle With Care 『ハンドル・ウィズ・ケア 』を聴く: (3:19)

  ●歌詞と対訳●

[George Harrison] (ジョージ・ハリソン)
Been beat up and battered around
  これまでずっと 打ちのめされ、虐待されてきた

Been sent up and I've been shot down
  からかわれ、こき下ろされ続けてきたんだ

You're the best thing that I've ever found
  きみはぼくがこれまでに見つけた中で 最高の人だから

Handle me with care
  (こわれ物の)ぼくを 「大切に取り扱って」おくれ


Reputation's changeable
  評判なんて 気まぐれで変わりやすいし

Situation's tolerable
  状況はまあまあで 何とか耐えられるとしても

But baby, you're adorable
  ベィビィ、 きみは愛らしい人だから

Handle me with care
  (傷つきやすい)ぼくを 「大事に取り扱って」おくれ

[Roy Orbison]  (ロイ・オービソン)
I'm so tired of being lonely
  一人ぼっちでいることには もうウンザリしてるんだ

I still have some love to give
  ぼくにはまだ少しだけど 捧げる愛が残っているから

Won't you show me that you really care?
  きみが本当に気に掛けていることを ぼくに見せてくれないか

[Bob Dylan, Tom Petty] (ボブ・ディラン、トム・ペティ)
Everybody's got somebody to lean on
  誰にでも 寄り添える(頼りにできる)人がいるものさ

Put your body next to mine and dream on
  きみの体を ぼくの隣に寄せて 夢を見なよ

[George Harrison]
I've been fobbed off and I've been fooled
  いつもだまされて、 贋物(にせもの)をつかまされ

I've been robbed and ridiculed
   物を奪われたり、 からかわれたりしてきた

In day care centers and night schools
  昼は児童養護施設、 夜は夜間部の学校(に通ってた)

Handle me with care
   そんなぼくを 「大切に扱って」おくれ

 [ Guitar solo ]

[George Harrison]
Been stuck in airports, terrorized
  空港でテロに会って、足止めを食い

Sent to meetings, hypnotized
  会議に送り込まれ、 催眠術で洗脳され

Overexposed, commercialized
  人目にさらされ、 商品化されてしまった

Handle me with care
  (そんな)ぼくを 「大事に扱って」おくれ

[Roy Orbison]
I'm so tired of being lonely
  一人ぼっちでいることには もうウンザリしてるんだ

I still have some love to give
  ぼくにはまだ少しだけど 捧げる愛が残っているから

Won't you show me that you really care?
  きみが本当に気に掛けていることを ぼくに見せてくれないか

[Traveling Wilburys]
Everybody's got somebody to lean on
   誰にでも 寄り添える人がいるものさ

Put your body next to mine and dream on
   きみの体をぼくの隣に寄せて 夢を見なよ

[George Harrison]
I've been uptight and made a mess
   緊張して、 へまをやらかしたりしたけど

But I'll clean it up myself, I guess
  それも自分自身で 何とか処理してきたつもりさ

Oh, the sweet smell of success
  おぉ、成功の(何と)甘い香りよ

Handle me with care
  ぼくを「大切に取り扱って」おくれ

 [ Guitar solo ]



※ beat up: (人を)打ちのめす、殴り倒す、ボコボコにする。
※ battered: (人が)暴力を受ける、虐待される。 "batter" は「乱打する」、「打ち壊す」、「叩き潰す」など。
※ around: あちこちに、ここかしこに。 ぐるりと。 周囲に、四面に。
※ send up: 1.【英】からかう、茶化す。 2.【米】(刑務所に)送る。 3.爆破する。
※ shoot down: 1.撃ち落す、撃墜する。 2、やっつける、こき下ろす。
※ handle with care: 「取り扱い注意」(荷物などの表示)

※ reputation: 評判、高い評価。
※ situation: 状況、情勢。 場面、シチュエーション。 "reputation" と並べて韻を踏んでいる。
※ changeable: 変わりやすい、きまぐれな。
※ tolerable: 1.耐えられる、我慢できる。 2.悪くない、まあまあの。 
※ adorable: 1.愛らしい、可愛らしい。 2.尊敬できる、敬慕できる。 "changeable", "tolerable" と並べて韻を踏んでいます。

※ so tired: とても疲れた、 ウンザリした。
※ care: 気にかける、気づかう、心配する。 大事だと思う、関心がある。
※ lean on: 1.寄りかかる、~にもたれる。 2.~に頼る。
※ dream on: (命令調で)夢でも見てろ。 "lean on" と並べて韻を踏んでいる。
※ next to ..: ~の隣に。

※ fob off: 1.(だまして贋物などを)つかませる。 2.無視する、避ける。 3.はぐらかす。 
※ fooled: だまされる。 
※ robbed: 奪われる、盗まれる、強奪される。 "fobbed" とは一文字違いで、韻を踏んでいる。
※ ridiculed: 嘲弄される、冷笑される、からかわれる。
※ care center: 託児所や児童相談所などのケア・センター。 "day care center" なら、昼間の託児所や保育所。

※ stuck in: はまり込んで抜け出せない、身動きできない、~から逃れられない。
※ terrorize: 脅す、威嚇する。 怖がらせる、おびえさせる。 
※ hypnotize: 催眠術にかける、洗脳する。 (これも "terrorize" と並べて韻を踏んでいます) 

※ over-exposed: (写真などの)露出が過度(オーバー)の。 さらされ過ぎの。
※ commercialized: 商業化された、商品化された。

※ uptight: 1.緊張した。 2.(話)怒った、憤慨した。 3.(話)一文無しの、金欠の。
※ make a mess: 1.散らかす、汚す。 2.へま(どじ)をやらかす。
※ clean up: 片付ける、きれいにする、
※ I guess: ~と思う。   

テーマ : 洋楽歌詞対訳
ジャンル : 音楽

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No title

そーなんですね!ステキ情報ありがとうございます☆
この曲のロイオービソンのとこだけがずーっと残ってて、でも曲も名前も分からずじまいでした(当時はハードロック系が主だったので)。
きっと、ベストヒットUSAやMTVで流れてて耳に残っていたんだと思います。

ずっとあとになってからスゴク気になって色々調べたけど全くダメでしたので、
今たまたま偶然ですがここに辿りついてすごく嬉しいです(^^)

なんでこんなに気になってたのかなーっと動画をみてたら、知ってる曲ありました。プリティウーマンやC.ローパーのとか←PVがブランドン(ビバヒル)でしたね(笑)
古いのはオンリーザロンリー。これは親の影響ですが、知らないうちからロイオービソンの声は私の中に浸透してたようです。
ステキな声ですもんね。

こちらのコメントも、こんな感じでよいのかな?
やったことないからよくわからなくて。。
感謝の気持ちが伝われば幸いです。

20年以上30年近く?ほんとにホントに探してたのでとっても嬉しいです。
ありがとうございました(*^。^*)

ロイオービソンとは知らずに聞いていたんですね。

Re: No title

初めまして。
初コメントということですが、ずっと探していたものが見つかるとうれしいもので、お気持ちは充分に伝わりました。

ロイ・オービソンのことは知らなくても、その歌声に惹かれる人は沢山いますから、心のどこかに残っているのでしょう。
この曲を含むアルバムの中では5曲目に「Not Alone Any More」という曲をソロで歌っていてあの美声が楽しめますし、遺作となった「ミステリー・ガール」にも良い曲が沢山ありますから、興味があれば聴いてみて下さい。

コメント、どうもありがとうございました。
プロフィール

Sumi Haruo

Author:Sumi Haruo
昨年まで老母の介護をしていました。 古い記事へのコメントも大歓迎です。
※記事へのリンクは自由ですが、対訳はあくまでも私個人の解釈なので、訳詞の転載はお断りいたします。
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