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390. The Cave ザ・ケイヴ

The Cave ザ・ケイヴ : Mumford & Sons マムフォード・アンド・サンズ

全世界で800万枚を売り上げたファースト・アルバムから、サード・シングルとなったこの曲を選んでみました。


The Cave
Album : Sigh No More (Import)
  サイ・ノー・モア

Released: February 2010 (Album : October 2009)
Written by: Mumford & Sons
Produced by: Markus Dravs
  マムフォード・アンド・サンズ
Ben (ky), Ted (B), Marcus (G, Vo), Winston (Ban)
 フリー百科事典『ウィキペディア』

バンジョーの音色が入ることでカントリーのフレーバーも含んでいる彼らの音ですが、ジャンル分けは無意味な気がします。 古さと新しさが同居した音とでも言ったら良いのでしょうか。

それよりもっと分かりにくいのは歌詞の方で、哲学や文学などからインスパイアされた言葉が色々と出てくるので、訳すのに骨が折れました。
この "The Cave" (洞窟)というタイトルは、プラトンの「洞窟の比喩」からインスパイアされたとのことですが、それよりもホメロスの「オデュッセイア」からの引用が多く含まれているようです。

たとえば「The Cave」が一つ目の巨人ポリュペモスの住んでいた洞窟だとしたら、その後に出てくる "You cannibal" (お前は人食い人種)という物騒な言葉もスンナリと受け入れられるし(ポリュペモスはオデュッセウスの部下を4人も食っています)、その後の歌詞も色々と辻褄(つじつま)が合うからです。
3番の歌詞に出てくるセイレーンたちも「オデュッセイア」に登場する魔女たちで、美しい歌声で船乗りたちを引き寄せるのですが、2番の歌詞に出てくる「tie me to a post and block my ears」(俺を柱に縛りつけ、この両耳を塞いでくれ)というフレーズも、オデュッセウスがセイレーンたちの歌声を聞くためにさせたことです。 もっとも塞いだのは自分の部下たちの耳で、自分自身はセイレーンたちの歌声を聞くために塞ぎませんでしたが・・・

そうした解説を付けないと意味が分からない歌詞というのも訳しにくいものですが、一々説明していると長くなるので、物語のあらすじは訳詞の終わりに付録として載せておきました。 興味のある方は(面倒でなければ)読んでみて下さい。
この曲のPV(プロモーション・ビデオ)はメンバーが楽器を演奏しておらず、スクーターに乗ってるだけでつまらないので、 Live ヴァージョンの方を掲載しておきました。 こちらは後半の盛り上がりと、聴衆との一体感が素晴らしいです。 アルバム・ヴァージョンを聴きたい方は、その下にある Grooveshark のリンクを開いて下さい。


Marcus Mumford (マーカス・マムフォード) - lead vocals, acoustic guitar
Winston Marshall (ウィンストン・マーシャル) - banjo, back vocals
Ben Lovett (ベン・ラヴェット) - keyboards, accordion, back vocals
Ted Dwane (テッド・ドウェイン) - double bass, back vocals

Grooveshark で、The Cave 『ザ・ケイヴ』を聴く: (3:38)

  ●歌詞と対訳●

[Verse 1]
It's empty in the valley of your heart
  お前の心の谷間は 空虚で誰もおらず

The sun, it rises slowly as you walk
  太陽は、 お前の歩みと同じ様に ゆっくりと昇る

Away from all the fears
  あらゆる不安から離れ  

And all the faults you've left behind
  お前が置き忘れた あらゆる過ちから(離れて)


The harvest left no food for you to eat
  収穫しても お前が食べる分は残っておらず 

You cannibal, you meat-eater, you see
  お前は人の肉を喰う、お前は人食い人種だから、そうだろ ※

But I have seen the same
  だって俺は それと同じことを目撃したから

I know the shame in your defeat
  お前が(俺に) 負けた屈辱は よく分かるけど ※


[Chorus]
But I will hold on hope
  でも俺は (生きる)希望を持ち続けているから

And I won't let you choke
  お前の息の根を止めるまで やりはしない ※

On the noose around your neck
  縛り首の縄が お前の首に巻かれていても

And I'll find strength in pain
  苦悩の中でも 俺は知力で(助かる方法を)見つけ出し

And I will change my ways
  そして俺は 自らの運命を変えてみせよう  

I'll know my name as it's called again
  俺の(本当の)名は、それが再び 大声で叫ばれた時に分かるだろう ※


[Verse 2]
'Cause I have other things to fill my time
  そんな訳で 俺はもっと別のことに自分の時間を使うから

You take what is yours and I'll take mine
  お前は自分の分を受けるがいい、 俺も自分のものを受け入れるから
 
Now let me at the truth
  今は俺に ことの真相をつかませてくれ

Which will refresh my broken mind
  傷ついた俺の心が いずれ元気を回復するまで

So tie me to a post and block my ears
  だから俺を柱に縛りつけ、この両耳を塞いでくれ ※  

I can see widows and orphans through my tears
  俺はこの涙の向こうに (死んだ部下たちの)後に遺された妻や孤児たちが見える

I know my call despite my faults
  俺の過ちが 悪意を持って叫ばれているのは分かっているし  

And despite my growing fears
  そうした悪意は 俺の不安を更に募(つの)らせるけど

[Chorus]
But I will hold on hope
  でも俺は (生きる)希望を持ち続けているから

And I won't let you choke
  お前の息の根を 止めることまではしたくない

On the noose around your neck
  縛り首の縄が お前の首に巻かれていても

And I'll find strength in pain
  苦悩の中でも 俺は知力で(助かる方法を)見つけ出し

And I will change my ways
  そして俺は 自らの運命を変えてみせよう  

I'll know my name as it's called again
  俺の名は、それが再び 大声で叫ばれた時に分かるだろう


[Verse 3]
So come out of your cave walking on your hands
  だから(目を潰された)お前は 手探りでその洞窟から這い出るがいい ※

And see the world hanging upside down
  (俺は羊の腹にしがみついているから) 世界が上下逆さに見える ※

You can understand dependence
  お前も 依存状態にいることが分かるだろう

When you know The Maker's hand
  お前が 世界の創造主の手腕を知った時には

So make your siren's call
  だから あのセイレーンたち(の島)を訪ねるとしよう ※

And sing all you want
  そして 自分の聞きたい全て(の話)を歌ってもらおう ※

I will not hear what you have to say
  でも俺は お前の言おうとすることには 耳を貸さないだろう 

'Cause I need freedom now
  だって今の俺に必要なのは (お前の)束縛から解放されることで

And I need to know how
  そして俺に欠けているのは そのノウハウ(方法)なのだから

To live my life as it's meant to be
  定められた運命の通りに 自分の人生を生きるということだから 


[Chorus]
But I will hold on hope
  でも俺は (生きる)希望を持ち続けているから

And I won't let you choke
  お前の息の根を 止めることまでやりはしない

On the noose around your neck
  縛り首の縄が お前の首に巻かれていても

And I'll find strength in pain
  苦悩の中でも 俺は知力で(助かる方法を)見つけ出し

And I will change my ways
  そして俺は 自らの運命を変えてみせよう  

I'll know my name as it's called again
  俺の(本当の)名は、それが再び 大声で叫ばれた時に分かるだろう


※ away from: ~から離れて。
※ left behind: 置き去りにされる、 取り残される、 置き忘れる、 落ちこぼれる。
※ cannibal: 人食い人種。 【語源】コロンブスがカリブ海の小アンティル諸島をスペイン領とした時、現地人を Carib (カリブ人)と呼び、彼らを人食い人種としたことによる。 スペイン語の Carib が誤った解釈で英語の Canniball となった。
 (オデュッセウスの部下を食った一つ目の巨人ポリュペモスのことと思われる)

※ shame: 恥。
※ defeat: 負け、敗北。 shameful defeat :屈辱的な敗北。
 (巨人ポリュペモスから見たら、小さな人間であるオデュッセウスの策略によって目を潰されたことを指すのでしょう)

※ choke: 喉(息)を詰まらせる、窒息する。 hope と並べて韻を踏んでいます。
 (オデュッセウスが眠っているポリュペモスを剣で刺そうとした時、巨人を殺したら巨大な岩戸を自力では開けられなくなることに気付き、その夜は生かしておいた)

※ noose: 1.絞首刑。 2.(首吊りの)しめ縄。
※ call: 叫ぶ、大声で呼ぶ。
 ( 「自分の名が大声で叫ばれた時」は、オデュッセウスが巨人のポリュペモスに対し、私は「ダレデモナシ」という名だと嘘をつき、巨人の目を潰して船で沖へ逃れた後、自分の本当の名前を叫ぶ、ということの様に思われます)

※ fill one's time: 自分の時間を過ごす(潰す)。
※ at the truth: 真相をつかむ、 真実を究める。
※ bloken mind (heart): 傷ついた心。 失意、傷心。
※ tie me to a post and block my ears: 俺を柱に縛りつけ、この両耳を塞ぐ。
 (船人を歌声でたぶらかすというセイレーンたちの歌声を聞くため、オデュッセウスは船乗りたちの耳を蜜蝋で塞ぎ、自分自身は身動きできないよう体を帆柱に縛りつけさせた)

※ widow: 未亡人。
※ orphan: 孤児。

※ come out of..: ~から外に出る。
※ come out of your cave walking on your hands: 手探りで洞窟から外に出る。
 (目を潰されたポリュペモスは手探りで羊たちを外に出し、自分も後から外へと這い出る)
※ upside down: 上下が逆さまの。
 (オデュッセウスとその部下たちは大きな羊の腹にしがみつき、ポリュペモスには分からないようにして洞窟から脱出した。 逆さまにぶら下がっているので、「世界が逆さに見える」と解釈しています。)

※ The Maker: (世界の)創造主。
 (ギリシャ神話では最初に「カオス」という混沌状態があり、その後で様々な神々が誕生しているので、絶対的な唯一の「神」は存在しません。 ゼウスが神々の王になったのは「くじ引き」の結果であり、力はあっても人間と同じ欠点を持ち、「全能」ではないのです。)

※ make a call: 1.訪問する、寄港する。 2.電話をかける。
※ siren: (ギリシャ神話の)セイレーン。上半身が裸の女、半身が鳥の魔物で、美しい歌声で船乗りたちを暗礁におびき寄せ、彼女たちの元には白骨化した死体が累々と横たわっていたという。サイレンの語源。
※ sing all you want: お前が歌って欲しい全ての歌。
 (セイレーンたちはオデュッセウスが喜びそうな、トロイ戦争での活躍と誉れとを歌うことで、オデュッセウスの心を惹き付けた)


オデュッセイア第9章: 【巨人ポリュペモスの洞窟】
キュクロープス(一つ目の巨人:英語の「サイクロップ」)たちの住む島に着いたオデュッセウスの一団は、用心のためオデュッセウスとその精鋭の部下12人だけで、海の近くの月桂樹に囲まれた洞窟を訪れる。
洞窟の中に主の姿は無く、オデュッセウスは部下の者が戻ろうというのも聞かず、羊の乳で作ったチーズを食い、火を起こして主の帰りを待った。

やがて羊の放牧から戻ったポリュペモスは、22台の荷車でも持ち上げられない大岩を担ぎ上げると洞窟の入り口を塞ぎ、羊たちの乳を搾り始める。
オデュッセウスの一行に気付いた巨人は、彼らを歓待するどころか部下の2人を子犬のように捕まえて地面に叩きつけ、手足をバラバラにすると肉も骨も残らず平らげてしまった。
そして羊の乳を飲んで腹が膨れたポリュペモスは、手足を伸ばして寝入ってしまう。 オデュッセウスは剣を抜いて腹の急所を一突きしようとするが、そうすると大きな岩戸をどけることができなくなるのに気付き、殺すのを思いとどまる。

翌朝、ポリュペモスが羊を連れて出て行き、またもや大岩で戸口を塞いだ後で、オリーブの木を削り杭の様に先を尖らせたものを作っておき、ポリュペモスの帰りを待った。
帰宅したポリュペモスは、またもや二人の部下を屠(ほふ)り、残忍な食事をしている時、オデュッセウスは芳醇な葡萄酒を器に盛って差し出す。 そのうまさにポリュペモスは杯を重ねた。 ポリュペモスは、オデュッセウスに名前をたずね、奸智に長けたオデュッセウスは「私の名前はダレデモナシというのです」と答える。
ポリュペモスはそのお礼として「ダレデモナシよ、お前は一番最後に食ってやろう」と言い、やがて酔いつぶれて寝入ってしまう。
オデュッセウスとくじ引きで選ばれた4人の部下たちは勇を鼓舞し、先を尖らせたオリーブの木を火の中で真っ赤になるまで焼き、それを巨人の一つ目に突き刺してねじ込むと、身の毛もよだつ程の悲鳴が洞窟中に響き渡った。

ポリュペモスの絶叫を聞きつけた他のキュクロープスたちが洞穴の外までやって来て、「こんな静かな夜中に何の騒ぎだ? 一体誰がお前をそんな目にあわせたのだ?」とたずねると、ポリュペモスは「俺をこんな目にあわせた奴はダレデモナシだ」と、洞窟の中から答える。 外にいた巨人たちはポリュペモスの頭がおかしくなったと思い、「一人暮らしのお前に災いをもたらす者が誰もいないのなら、大神ゼウスの下した災厄だろうから避けることなどできぬ。 せいぜいお前の親父の海神ポセイドンにお祈りでもするのだな」と言い残し、さっさと帰ってしまった。

翌朝、目を潰されたポリュペモスは痛みをこらえながら岩戸をどけると、手探りで羊たちの背中を触りながら外に出す。 オデュッセウスらは、3頭の羊の脚を縄でつなぎ合わせ、その真ん中の羊の腹の毛にぶら下がって外へと逃れることができた。
そうして船で沖合いまで逃れた時、オデュッセウスはまだ声の届くところから大声を張り上げて、「自分はトロイ戦争で数々の武勲を立てた、ギリシャ軍の英雄オデュッセウスだ」と、自分の本当の名を明かす。 怒り狂ったポリュペモスは山の頂を引きちぎって声のする方へと投げつけるので、船は危うく沈むところであった。 興奮したオデュッセウスは部下たちが止めるのも聞かず、再度ポリュペモスを怒らせるような雑言を浴びせかけ、それによってポリュペモスの父である海神ポセイドンの怒りも買うことになるのである。


オデュッセイア第12章: 【魔女セイレーンたち】
女神キルケの島を出る時、キルケはセイレーンたちの島のそばを通る時の注意をする。
セイレーンたちは美しい歌声で船乗りたちを惑わし、暗礁に引き寄せる魔女たちで、その海域を通る時は全員の耳に蜜蝋で栓をすることを教えた。
ただしオデュッセウスが彼女たちの歌声を聞きたいのであれば、帆柱に自分を縛りつけさせ、もしもっと近くに寄れと騒いだ時には、更にきつく縛り上げて急いでその海域を出るように、とのことであった。

いよいよセイレーンたちの住む島の近くにさしかかった時、急に風が止んだので、船員たちは帆をたたみ、櫂でこぎながら舟を進めて行くと、やがて美しい歌声が聞えてくる。 
それもオデュッセウスが喜ぶような言葉「アカイア勢の大いなる誇り、世にその名を広く知られた勇者オデュッセウスよ」と、言葉巧みに美しい声で歌うので、オデュッセウスは更にその歌声が聞きたくなり、目配せで部下の者たちに縄を解けと命ずる。
しかし部下の者たちは、これはセイレーンが出たと思い、いよいよ縄をきつく縛ると、大急ぎでその危険な海域を脱出する。 セイレーンの歌声を聞いて生還できたのは、オデュッセウスただ一人であった。
           

テーマ : 洋楽歌詞対訳
ジャンル : 音楽

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Sumi Haruo

Author:Sumi Haruo
昨年まで老母の介護をしていました。 古い記事へのコメントも大歓迎です。
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