374. Blinded by Love ブラインデッド・バイ・ラヴ

Blinded by Love ブラインデッド・バイ・ラヴ : 
      The Rolling Stones ローリング・ストーンズ

1989年ローリング・ストーンズ3年ぶりの復活アルバムから、LPレコードではA面の最後に収められていたこの曲を採り上げてみました。 シングルにはなっていませんが、ピアノやマンドリンやフィドル(ヴァイオリン)などカントリー風のゆったりしたアレンジで好きな曲の一つです。


Steel Wheels
Alubm : Steel Wheels
  スティール・ホイールズ (試聴可)

Released: 29 August 1989 (Alubm)
Written by: Mick Jagger, Keith Richards,
Produced by: Chris Kimsey, Glimmer Twins (Mick & Keith)

  ローリング・ストーンズについて:
(L to R) Charlie, Keith, Mick, Ronnie and Bill
 フリー百科事典『ウィキペディア』

1986年のアルバム"Dirty Work"(ダーティ・ワーク)以来ミックとキースの仲は最悪の状態になっていたようで、それぞれがソロ・アルバムなどを出してはいましたが、グループとしては活動休止―というか、ほぼ分裂状態にあったようです。

両者が争うのは「兄弟喧嘩のようなものだ」ということで、このアルバムの完成後にはワールド・ツアーをスタートさせ、1990年には日本にも初来日しています。
アルバムからは計5曲がシングルになっていますが、この曲はシングル・カットされていません。 でも個人的に好きな曲なので採り上げてみました。 ストーンズの約束事として作曲はミックとキース作となっていますが、こうした教訓的な歌詞を書くのはミック・ジャガーの方でしょう。 カントリー風のアレンジですが、カントリーは昔からキースが好きなものの一つでした。

このアルバムで一番驚いたのが "Continental Drift" (コンチネンタル・ドリフト)という曲で、イントロから聞こえてくる「ジャジューカ」のリズムは故ブライアン・ジョーンズが死ぬ前に傾倒していたアフリカの音楽で(レコードも出ていました)、何でもミックがモロッコまで出かけていって録音してきたものだそうです。(ミックによると、「なかなか演奏が終わらなくて困った」―とか)

ストーンズのアルバム・ジャケットには凝ったものが多かったのですが(過去形)、これは1983年の "Undercover"(アンダーカヴァー)と並んでつまらないジャケットの一つだと思います。 でも内容は割りと良い出来だし、この頃はレコードからCDへの過渡期に当たっており、もう凝った造りのジャケットは少なくなっていました。 今みたいに音楽をダウンロードできる時代には既に入れ物も不要ですから、中身が他と識別できれば何でも良いのかもしれません。

ちなみにこのアルバムを最後にオリジナル・メンバーのビル・ワイマン(ベース)が脱退し、ストーンズはとうとう4人となってしまいました。 その後はサポート・メンバーとしてダリル・ジョーンズがベースを担当していますが、正式メンバーとしては加入していません。


The Rolling Stones:

  Mick Jagger – lead and backing vocals, electric and acoustic guitars
  Keith Richards – electric, acoustic and classical guitar, backing vocals
  Ronnie Wood – electric and acoustic guitar, bass guitar, backing vocals
  Charlie Watts – drums
  Bill Wyman – bass guitar

Additional musicians:
  Chuck Leavell – organ, piano
  Matt Clifford – keyboards, electric and acoustic piano
  Phil Beer – mandolin, fiddle

Grooveshark で Blinded by Love 『ブラインデッド・バイ・ラヴ』を聴く: (4:36)

  ●歌詞と対訳●
[1]
The queen of the Nile  ナイルの女王 (クレオパトラ)が
She laid on her throne  その玉座(ぎょくざ)に 身を横たえながら
And she was drifting downstream  彼女は河の流れに沿って下っていた
On a barge that was burnished with gold  黄金色に輝く (豪華な)旗船に乗って

Royal purple the sails  帝王紫の (非常に高価な)色に染められた帆からは
So sweetly perfumed  とても甘い 芳香が漂っていた
And poor Mark Antony's senses 憐れな マーク・アントニーの分別は
-were drowned  (彼女との愛に) 溺(おぼ)れてしまい
And his future was doomed  そして奴の未来は 破滅へと向かって行ったんだ

He was blinded by love  彼は 愛に目が眩(くら)んだのさ

[2]
The Philistines paid  ペリシテ人たちは 代価を支払わされたんだ
For Samson's blind rage  サムソンの めくら滅法な激怒のために
The secrets that two lovers share  二人の恋人が 分かち合った秘密は
Should never have been betrayed  決して裏切ってはいけないことだったのに

He was blinded by love  彼は 愛に目が眩んだのさ
He was blinded by love  彼は 愛に目を潰(つぶ)されてしまったのさ

Now it's no use crying or weeping もう泣いても喚(わめ)いても 無駄なこと
You better lock up your soul for safe keeping 安全のため心には鍵を掛けておくんだ
Promise me  約束してくれ

[3]
The poor Prince of Wales かわいそうなウェールズの皇太子 (ダイアナ妃の夫)
He gave up his crown  彼は 王位をあきらめてしまったんだ
All for the trivial pursuit of  全ては くだらないものを追っかける
A parvenu second-hand lady  成り上がりの 馬鹿みたいな女のために

So lovers beware  だから 恋人たちは用心することさ
If you lose your heart  心を失くしてしまわぬように
Careful now, don't lose your mind  気をつけて、正気を失わないようにするんだ
Don't mortgage your soul to a stranger 他人に 自分の心を預けてちゃ駄目なのさ

Don't be blinded by love  愛に目が眩(くら)んじゃ 駄目だぜ
Don't be blinded by love  愛に盲目になっちゃ いけないぜ

Blinded by love,  愛に目が眩んじゃ、 
Blinded by love ..   愛に盲目になっちゃ (駄目だぜ)・・・



※ lay on: 横になる。"laid" は "lay" の過去形。
※ throne: 1.王座(おうざ)、玉座(ぎょくざ)。 2.王位。
※ downstream: 下流の、流れに沿った、流れを下った。
※ barge: 1.(平底の)荷船。 2.遊覧客船。 3.将官艇。
※ burnished: 光沢のある、磨き上げられた。

※ royal purple: ロイヤル・パープル。 フェニキア産の紫貝からわずかに採れる染液で染めた非常に高価な色で、「王者の紫」とか「帝王紫」と呼ばれた。 シーザー(カエサル)の紫のマントや、クレオパトラの旗艦の帆の色が有名。
※ sennse: 1.感覚、センス。 2.思慮、分別。 3.正気。
※ drown: 溺れ死ぬ、溺死する。
※ doomed: 運の尽きた、消える運命にある、絶望的な。 もう破滅(絶望的)だ。
※ blinded by ..: ~に目がくらんだ。 "blinded by love" 恋に迷う。
※ Philistine: ペリシテ人。 昔パレスチナの南西に住んでいた民族で、ユダヤ人の敵。

※ Samson: サムソン。旧約聖書の士師記に出てくる怪力の持ち主。 ペリシテ人に迫害を受けていたユダヤ人のために神が授けたとされるが、ペリシテ人の女デリラに恋をし、弱点である「頭にカミソリを当てて(髪を剃って)はならない」という戒めを教えてしまい、力を失って両目をえぐられ、柱に縛り付けられる。 しかし神に祈って怪力を取り戻し、柱をなぎ倒して神殿を破壊し、大勢のペリシテ人を巻き込んで死んだ。 

※ blind: 盲目の、目の見えない。
※ rage: 1.激怒、憤怒。 2.熱望、渇望。
※ it's no use ..: ~しても始まらない、~しても無駄だ、 ~しても仕方ない。
※ lock up: 鍵を掛ける。
※ promise me: 約束してね、 約束してくれ。

※ Prince of Wales: 当時のウェールズ公チャールズ皇太子のこと。 妃は"Princess of Wales" のダイアナ妃。 1981年に当時20歳のダイアナと結婚するが、双方が不倫問題などのスキャンダルで別居状態となり、1996年に離婚。 1997年にダイアナは交通事故により死亡したが、この歌の当時は未だプリンセスの地位にあった。

※ gave up: "give up" の過去形。 あきらめた、断念した、降伏した。
※ trivial: つまらない、ささいな、取るに足りない。
※ pursuit of ..: ~を追い求める、~を追求(探求)する。
※ parvenu: 【仏語】成り上がり者、成金。
※ second-hand: 1.(人の手を介した)中古の。 2.(情報などの)受け売りの、又聞きの、間接の。

※ beware: 注意する、用心する、警戒する。
※ lose one's mind: 正気を失う、頭がおかしくなる。
※ mortgage: 抵当に入れる、担保にする。       

テーマ : 洋楽歌詞対訳
ジャンル : 音楽

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