335. Midnight Train to Georgia 夜汽車よジョージアへ

Midnight Train to Georgia 邦題:「夜汽車よジョージアへ」 (カヴァー) : 
Joan Osborne ジョーン・オズボーン

 ジョーン・オズボーン2007年のアルバムから、グラディス・ナイト&ザ・ピップスのヒット曲のカヴァーを選んでみました。 シングルにはなっていませんが、好きなカヴァー・ヴァージョンの一つです。


Alubm : Breakfast in Bed
[Import, from US] / 国内版無し
Released: 2007
Written by: Jim Weatherly
Produced by: Tor Hyams

  ジョーン・オズボーンについて:
Joan Osborne
 フリー百科事典『ウィキペディア』  

 これはスターになることを夢見てL.A.(ロサンゼルス)にやってきた男が、夢破れてふるさとのジョージアに帰る―という歌で、オリジナルは40年ほど前のヒット曲です。 私は声高(こわだか)に叫ぶ歌い方があまり好きではないのですが、こんな風に静かに歌っても気持ちは充分に伝わるもので、騒がしい声を聴かされて疲れた時にはこうした歌声を聴きたくなります。

 歌詞はオリジナルそのものではなくて、少し変えて歌っているようです。 たとえば、
"So he burned all his hopes" (それで彼は 全ての望みを焼き払って)というところを、
 "So he pawned all his hopes" (それで彼は 希望をすべて質に入れて)―と変えて歌っていますが、この部分はとても好きな表現です。 スターになるという夢は叶わなかったとしても、自分を信じてついてきてくれる女性とめぐり合えたのであれば、別の宝を手に入れたといって良いかもしれません。

 ところでアメリカ西海岸のロサンゼルスから東海岸のジョージア州アトランタまでは距離にして3,120km.、時速100km.でノン・ストップで走り続けても30時間以上かかる計算で、時差だけで3時間もありますから、まさにアメリカ大陸横断の長旅ということになります。 片道切符でも、かなり高いものになりそうですね。


Gladys Knight & the Pips Gladys Knight & the Pips グラディス・ナイト&ザ・ピップス (4:41)

 こちらは1973年に全米No.1ヒットとなったオリジナル・ヴァージョンで、グラミー賞で "Best R&B Vocal Performance By A Duo, Group Or Chorus" を獲得した、彼らを代表する名曲です。 バックのコーラスがすばらしいから、それだけリード・ヴォーカルも引き立つという好例でしょう。
 
 この曲は最初、Cissy Houston (シシィ・ヒューストン)という歌手によって歌われ、このヴァージョンの1年前にシングルとして発表されたものの、ヒットはしませんでした。
 その前に作者の Jim Weatherly 自身によって "Midnight Plane to Houston" (ヒューストンへの夜間飛行)というタイトルでカントリー調の曲として歌われていたようですが、作者の Jim Weatherly が Cissy Houston にその曲をレコーディングさせるため(ジョージア州)アトランタの Sonny Limbo という人物にこの曲を送った時、彼は 「"Midnight Train to Georgia" と変えてもいいか」―とたずねてきたので、「嫌じゃないけど、それなら他の歌詞も変えるから」―といって出来たのがこの曲だったとか。

 そしてグラディス・ナイト&ザ・ピップスによって1973年に歌われた曲はNo.1ヒットとなり、翌年にはグラミーを獲得し、1999年には "Grammy Hall of Fame" (グラミー栄誉の殿堂)入りも果たしました。




 この曲のレコーディング風景は YouTube で観ることができますが、バックはドラムとオルガンとベースの三人だけのシンプルな構成です。 手元に何の資料も無いのでメンバーは分かりませんが、抑えの効いた良い演奏を聴かせてくれています。 ギターとバック・コーラスは後からかぶせたようで、ベースの女性は1988年のスティング日本公演の時に来日した人(たぶん、Tracy Wormworth )だと思うのですが・・・

Midnight Train to Georgia 『夜汽車よジョージアへ』を聴く: (4:16)
(※開くまでに時間がかかりますが、のんびりお待ち下さい。 しばらくすると、自動的に再生が始まります)

  ●歌詞と対訳●

L.A.      ロサンゼルス(という都会)のことが 
proved too much for the man   その人には 嫌というほど良く分かったから      
So he's leavin' the life    それで彼は その生活に見切りをつけることにした
that he's come to know   彼が(身にしみて)分かった その場所から

He said he's goin' back to find,  彼が言うには、 彼は(自分を)取り戻すために戻るんだと
oh, what's left of his world   自分の世界を 置き去りにしてきたところへと
The world he left behind    その世界は 彼が以前そこに置き忘れてきたもの
not so long ago   そんなに 昔のことじゃなくて ※

He's leavin'   彼は 去っていく
(Leavin')    (去って行く)
On that midnight train to Georgia  ジョージア行きの 夜行列車に乗って
(Leavin' on the midnight train)   (夜行列車に乗って 去って行く)

Said he's goin' back to find   彼は 自分を取り戻すために戻るんだ、と言う
(Goin' back to find)    (自分を 取り戻すために)
(To) a simpler place and time  素朴な場所と 簡素な時間の流れる(ふるさとへ)
(I'm gonna be right by his side)   (わたしは 彼のそばに寄り添う) ※

I'll be with him    わたしは 彼と一緒に行くつもり
(I know you will)   (きみは そうしてくれるよね)
On that midnight train to Georgia  ジョージア行きの 夜行列車に乗って
(Leavin' on the midnight train)   (夜行列車で去って行く)

I'd rather live in his world   わたしは(貧しくても) 彼の世界で生きていたいの
(Live in his world)     (彼の世界で生きて行く)
Than live without him in mine   (L.A.という)金鉱の中で 彼無しで生きるよりも ※
(My world is his)    (わたしの世界は 彼のものだから)

He kept dreamin'   彼は 夢を持ち続けていた
Oh, that someday he'd be a star   いつの日か スターになるという夢を
(Superstar, but he didn't get far)  (スーパースターに、 でも彼は成功しなかったけど) ※
But he sure found out the hard way  そして彼が苦労して やっと気付いたことは
And dreams don't always come true   夢はいつでも 叶うものじゃない、ということ ※

So he pawned all his hopes   それで彼は 持っていた希望をすべて質に入れて ※
And he even sold his old car   おんぼろの車さえ 売り払って ※
Bought a one way ticket back   (ふるさとへ)帰る 片道切符を買ったの
To the life he used to know,    彼が以前 暮していたところへと
oh yes, he did    そう、 彼は行く

Now, now, he's leavin'   今、 彼は去って行く
(Leavin')    (去って行く)
On that midnight train to Georgia   ジョージア行きの 夜行列車に乗って
(Leavin' on the midnight train)   (夜行列車で去って行く)

He said he's goin' back to find   彼は 自分を取り戻すために戻るんだ、って言う
(Goin' back to find)   (自分を 取り戻すために)
(To) a simpler place and time  素朴な場所と 簡素な時間の流れる(その場所に)
(I'm gonna be right by his side)   (わたしは 彼のそばに寄り添う)

I'll be with him    わたしは 彼と一緒に行くの
(I know you will)   (きみは そうしてくれるんだね)
On that midnight train to Georgia  ジョージア行きの 夜行列車に乗って
(Leavin' on the midnight train)   (夜行列車で去って行く)

I'd rather live in his world   わたしは(貧しくても) 彼の世界で生きることを選んだの
(Live in his world)     (彼の世界で生きて行く)
Than live without him in mine   (都会という)金鉱の中で 彼無しで生きるよりも
(My world is his)    (わたしの世界は 彼のものだから)

"All aboard, on the midnight train to Georgia" 
    『ジョージア行き夜行列車にお乗りの方は、 すぐにご乗車願います』 ※

I gotta be with him    わたしは 彼と一緒に行くことにしたの
On the midnight train to Georgia   ジョージア行きの 夜行列車にのって
Midnight train, said,     夜行列車で、 そう、
I got to be with him   わたしは 彼と一緒に行く

Got to be with him    彼と一緒に行くの
on the midnight train to Georgia   ジョージア行きの 夜行列車にのって

I got to go, I got to go, I got to go  わたしは行く、 わたしは行く、 わたしは行くのよ
To the midnight train to Georgia   ジョージア行きの 真夜中の列車で

On the midnight train to Georgia...   ジョージア行きの 夜行列車に乗って・・・


※ proved too much: 直訳すると「充分に良く分かる」。 「歴然とした証拠」という意味も。
※ not so long ago: このあいだ、 少し前。 そんなに昔ではない。
※ (right) by one's side: ~のそばに、~の近くに。 "right" が付くと、「ピッタリと寄り添う」くらいになります。
※ mine: (金やダイヤの)鉱山。 豊かな資源。 宝庫。
※ get far: (人が)成功する。
※ found out: ~を知った、~であることが分かった、~だと気付いた。
※ hard way: 苦労して、痛い目にあって。

※ dreams (don't) come true: 夢がかなう、夢が実現する。 この場合は間に "don't" が入るから、その反対の意味になります。
※ pawned: オリジナルでは "burned"(燃やした)ですが、 pawn は質屋のことだから、希望を質屋に預けたということで、とても好きな表現です。
※ old car: おんぼろ車、ポンコツ車。 車で帰ることも考えられますが、ポンコツではジョージアまでもたないとか、ガソリン代も払えないといったことも考えられます。
※ used to know: (昔、以前)まえから知っていた。
※ "All aboard!": 「ご乗車願います!」、「ご乗車の方はお急ぎ下さい!」 


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テーマ : 洋楽歌詞対訳
ジャンル : 音楽

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このカバーも良いですね。

グラディス・ナイト&ザ・ピップスのバージョンを
リアルタイムで聞いた年代です。
このJoan Osborneのカバーも素晴らしいですね。
おっしゃる通り、シンプルなのが良いです。
良いカバーを有り難うございます。
もちろん、訳詞も素晴らしいです。

Re: このカバーも良いですね。

> グラディス・ナイト&ザ・ピップスのバージョンを
> リアルタイムで聞いた年代です。

リアルタイムでこの曲を聴いていた方なら、このカバー・ヴァージョンも気に入っていただけるのではないかと思います。
古い曲をそのままコピーするのではなく、その時代に合った新しいアレンジで聴かせてくれるのがカバー曲の良いところでしょうか。

この曲はアレサ・フランクリンのカヴァーも素晴らしいのですが、ジョーン・オズボーンと比べたくなかったので、ここでは採り上げていません。
コメント、ありがとうございました。

No title

初めまして、この歌がアメリカのオーディション番組の「American Idol」で数年前に歌われてから大好きな曲になりました。
”I'd rather live in his world than live without him in mine”
という部分のmineは私のもの(my world:私の人生)のことだと思っていました。
勉強になります。

Re: No title

はじめまして。

"mine" のようにシンプルな単語ほど間違えやすいものですが、ここでは "in mine" (鉱山の中)となっているので誤訳せずに済みました。
"My world is his" も正確には "My world is his world" なのでしょうが、曲の長さに合わせて歌うために省略しているものと思われます。

この曲はオリジナルも、ジョーン・オズボーンのカヴァーも両方好きなので採り上げてみましたが、こうした日本ではあまり知られていない曲にコメントが付くとうれしくなります。
あと、お名前が無いと返信しづらいので、ニックネームでも記号でも何でも良いですから、次回は他の方と識別できるハンドルネームでお願いいたします。

コメント、ありがとうございました。
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Sumi Haruo

Author:Sumi Haruo
昨年まで老母の介護をしていました。 古い記事へのコメントも大歓迎です。
※記事へのリンクは自由ですが、対訳はあくまでも私個人の解釈なので、訳詞の転載はお断りいたします。
訳詞を掲載したい場合は、記事へのリンクを貼るという形にして下さい。

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