334. The Flog Prince ザ・フロッグ・プリンス

The Frog Prince ザ・フロッグ・プリンス : Keane キーン

 キーン2006年のセカンド・アルバムから、一番最後に収められている曲を選んでみました。 シングルにはなっていませんが、ファースト・アルバムが持っていたキラキラした感じが残っているのはこの曲でしょう。


Alubm : Under the Iron Sea
  アンダー・ザ・アイアン・シー

Released: 12 June 2006 (Alubm)
Written by: Tim Rice-Oxley, Tom Chaplin, Richard Hughes
Produced by: Andy Green

  キーン(バンド)について:
(L to R) Tim (Ky.), Tom (Vo), Richard (Dr)
 フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』  

 瑞々(みずみず)しかったファースト・アルバムに比べると、かなりドラマティックな展開のセカンド・アルバムにとまどった人も多かったようですが、アルバム自体はファーストと同じく全英を始めアイルランドやニュージーランドのアルバム・チャートでも1位を獲得しています。 ファースト・アルバムに続く期待感もあったのでしょう。

 昔のおとぎ話に出てくる "The Frog Prince" (カエルの王子)と名付けられ、作者の Tim Rice-Oxley (ティム・ライス=オクスリー)自身が "corny song" (陳腐な歌)と呼ぶこの曲は、ファースト・アルバムが出た2004年に作曲され、アルバムの中でも最初に出来た曲のようです。 それで初期の彼らが持っていたピュアな感じが残されているのでしょう。

 この曲にはそのインスピレーションの元となった人物がいるようで、ティム・ライス・オクスリーによると、
It was inspired by a conversation that Tom (Chaplin) and I were having in a slightly drunken state in a hotel in Toronto,
それはぼくとトム(チャップリン)とがトロントのホテルで、少し酔った状態で話していた会話からインスパイアされたものなんだ。

and we were talking about someone in another band who we felt was a really talented songwriter and really intelligent and talented person,
ぼくらが話していたのはある別のバンドの人物で、とても知的で本当に才能のあるソングライターについてのことだった。

but we felt he was busy bad-mouthing us and every other band that was around it seemed.
でも彼は、ぼくらやその周りにいる別のバンドをこき下ろすのに忙しいように思えてね。

It was very frustrating to see him go from a cool great songwriter in a small indie band, to suddenly becoming this person who's playing the part of the arrogant rock star
小さなインディ・バンドの中でもクールで優れたソングライターだった彼が、突然横柄なロックスターみたいな役割を演じているのを見た時には、とても悔しくてガッカリしたものさ。
その人物とは、"Razorlight" というインディ・バンドのフロント・マン、Johnny Borrell のことらしいのですが、こんな風に他人をこき下ろすのに忙しい人物というのは他にもいますね。 急に人気が出れば、ひがんだり妬(ねた)んだり悪口を言う者が出てくるのは毎度のことですが、彼らもそうした有名税を払わされたということでしょう。

 歌詞の方はそうした皮肉も混じっているようですが、メロディの美しさやファースト・アルバムが持っていたあのキラキラとした輝きは健在です。 ギター・サウンドが中心のバンドが多い中で、キーボード主体のバンドというのも出てきた当時は新鮮に聴こえました。

  Tim Rice-Oxley ティム・ライス=オクスリー (ピアノ)
  Tom Chaplin トム・チャップリン (ボーカル)
  Richard Hughes リチャード・ヒューズ (ドラムス)



The Frog Prince 『ザ・フロッグ・プリンス』を聴く: (4:23)
(※開くまでに時間がかかりますが、のんびりお待ち下さい。 しばらくすると、自動的に再生が始まります)

  ●歌詞と対訳●

An old fairytale told me   古いおとぎ話で 聞かされたことは
The simple heart will be prized again  純粋な心の持ち主が 再び重んじられて
A toad will be our king   ひきがえるが 我々の王になり
And ugly ogres are heroes   醜かった鬼たちが ヒーロー(英雄)になるだろう、ってこと

Then you'll shake   やがて きみの心は揺らぎ始め
Your fist at the sky   その拳を空に振り上げて (こう言うだろう)
"Oh, why did I rely    「あぁ、なぜぼくは 信頼したんだろう?
On, fashions and small fry?"   上流の社会とか 取るに足らないくだらない連中を」 ※

All promises broken   交わした約束は すべて破られ
Feed your people or lose your throne   民衆に食料を与えても、やがてはその王位を失う
And forfeit your whole kingdom   王国全土の 権利を剥奪されて
I'd sooner lose it   ぼくは すぐにそれを失うだろう
than still live in it alone   まだそこで 独りきりで生きているよりも早く

You were our golden child  きみ(おとぎ話の王子)は ぼくらのゴールデン・チャイルドだった ※
But the gentle and the mild   優しくて穏やかな人々は
Inherit the earth, while   大地を引き継ぐだろう、 しばらくの間

(Chorus)
Your prince's crown   おとぎ話の (カエルの)王子さまの冠(かんむり)は
Cracks and falls down   叩かれて 砕け落ち
Your castle hollow and cold  (夢の)お城は 空(うつ)ろで冷たい洞穴になる 
You've wandered so far   きみはこれまでずっと さ迷い続けてきた ※
From the person you are    きみという一人の人間が 何者なのかと
Let go brother, let go  放してくれ、 ねえ、その手を放してくれよ ※
'Cos now we all know   だってぼくらは今 全てを知ってしまったのだから


Soon, someone will put a spell on you  じきに、誰かがきみに魔法をかけるだろう ※
Perfume, treasure, sorcery,   香水や、財宝や、 呪術など、
every trick they know   彼らの持てる あらゆる策略を使って
You will lie in a deep sleep   やがてきみは 深い眠りに就(つ)くだろう
That's when    それから

(Chorus)
Your prince's crown   おとぎ話の (カエルの)王子さまの王冠は
Cracks and falls down   一撃のもとに 砕け落ち
Your castle hollow and cold  (夢の)お城は 空(うつ)ろで冷たい洞穴に戻るのさ 
You've wandered so far   きみはこれまでずっと さ迷い続けてきた
From the person you are    きみという一人の人間が 一体何者なのか、と
Let go brother, let go  放せったら、 もう、その手を放してくれないか
'Cos now we all know    だってぼくらはもう 全てを知ってしまったのだから



※ small fry: (この場合は「fry」は「雑魚(ざこ)」という意味で)取るに足りない人々。有象無象(うぞうむぞう)。
※ golden child: エディ・マフィーの主演映画にそんなタイトルがありましたが、特に意味は無いようです。 おとぎ話に出てくる「神に選ばれた子供」くらいの感じでしょうか。
※ have wandered: 迷い込む。 迷子になる。
※ so far: これまで。 いままで(のところは)。
※ let go (of me): (つかんでいる)手を放してくれ。 let (me) go とも。
※ brother:「兄弟」の意味も考えられますが、この場合は間投詞の「おいおい」とか「やれやれ」とか「くそっ」といった苛立ちの言葉が近いと思います。 
※ put a spell on...: ~に魔法をかける。


 記事の編集

テーマ : 洋楽歌詞対訳
ジャンル : 音楽

コメントの投稿

非公開コメント

キレイですね。

初めて知ったグループです。
教えて頂きありがとうございます。

キレイなメロディーですねぇ…。
歌詞はキビしいのに…。

sunbluenine さん、こんにちは

Keane(キーン)はこの他にも、ファースト・アルバムから2曲紹介しています。
これはセカンド・アルバムに収録されている曲ですが、ファースト・アルバムの流れに一番近い曲として選んでみました。
興味があれば「Keane」で検索すると出てくるので、他の曲も聴いてみて下さい。

No title

はじめまして。
素晴らしいブログですね。
英語学習に使わせてもらいます。

一つ質問なんですが、
(この曲は初めて聞いたのですが)
wanderってさまよい歩くという意味ではなかったでしょうか?
発音からwonderとwanderの違いがわからない自分が悔しい。。。

次回のアップ楽しみにしています^^

Re: No title

コメント、ありがとうございます。

> wanderってさまよい歩くという意味ではなかったでしょうか?

"have wandered"で「迷い込む」とか「迷子になる」ですから、「迷い続けてきた」くらいの方が良いでしょうね。
こうした過去の記事はコメントでも付かないと自分でも読み返すことがないので、訂正しておきました。

> 次回のアップ楽しみにしています^^

ブログを更新して反応があるとやる気も出るのですが、このところ全然コメントが付かず、立ち読みばかりの本屋みたいな心境になっていたので、しばらくお休みしておりました。
そろそろクリスマス・シーズンだし、気が向いたらまた何かやろうかなと思っています。

No title

Keaneの中でもこの曲が好きで、ずっと訳を知りたいと思って検索してましたら、Sumiさんのブログがございました。
見やすくてスッキリした文章で感服します。

まさか、ジョニーボレルが曲のイメージだったとは驚きです。
"The Frog Prince"だけに、おとぎ話の世界観をイメージしてました。

キラキラしたという表現はぴったりですね。
興味深いブログありがとうございました。

Re: No title

この曲はメロディがきれいだし、おとぎ話みたいなタイトルだから、歌詞を知らずに聴いているとそんなイメージが浮んでくるかもしれませんね。

初期のキーンが持っていた、ピュアでキラキラとした感じが好きなので採り上げてみましたが、わざわざ訳詞を探して訪ねて来てくれる方がいるのなら、私としてもやった甲斐があったというものです。

コメント、ありがとうございました。
プロフィール

Sumi Haruo

Author:Sumi Haruo
昨年まで老母の介護をしていました。 古い記事へのコメントも大歓迎です。
※記事へのリンクは自由ですが、対訳はあくまでも私個人の解釈なので、訳詞の転載はお断りいたします。
訳詞を掲載したい場合は、記事へのリンクを貼るという形にして下さい。

全記事タイトル表示リンク

全記事タイトルを表示

カテゴリ
最新記事
最新コメント
検索フォーム
FC2カウンター
フリーエリア


累計: 検索エンジン登録
本日: SEO対策
昨日: メール配信

アクセスアップ

Mail Form:メールフォーム

リンク
電子書籍
Amazonから電子書籍を出版しました
QRコード
QR
RSSリンクの表示