329. There She Goes ゼア・シー・ゴーズ

There She Goes ゼア・シー・ゴーズ : The La's ラーズ

 1988年にラーズのセカンド・シングルとしてリリースされたオリジナル曲はあまりパッとせず、ヒットしたのは1990年にスティーブ・リリーホワイトによってリミックスされたアルバム・ヴァージョンでした。 そのリミックス・ヴァージョンは英国のシングル・チャートで13位となっています。


'88 Original Cover
Alubm : La's (Import)
  ラーズ +8

Released: Original: November 1988, Remix: November 1990
Written by: Lee Mavers (リー・メイヴァース)
Produced by: Steve Lillywhite, Bob Andrews

  ラーズについて:
L= Lee Mavers, R= John Power
 フリー百科事典『ウィキペディア』 

 ラーズは作曲とヴォーカル担当のリー・メイヴァースと、ベースのジョン・パワーを中心としたバンドで、他のメンバーはレコーディング時にも流動的に入れ替わっていたようで曲によってメンバーのクレジットが違います。 レコーディングに多くの時間と多額の費用をかけたにもかかわらず、一向にアルバムが完成しない状況に見切りをつけたレコード会社側はプロデューサーにスティーブ・リリーホワイトを起用し、セルフ・プロデュースを望む彼らを押し切ってスティーブ・リリーホワイト1人にリミックスをさせることで、何とかリリースまで漕ぎつけたようです。 当人たちはその出来にかなり不満だったようですが、それによって何とかこのアルバムが日の目を見た訳で、バンドはその後次のアルバムを作ることもなく消滅してしまいました。

 この曲のイントロを初めて聴いた時には、’60年代のザ・バーズのサウンドを思い出しましたが、アルバムの方は全体的に’60年代のブリティッシュ・ロックの影響が強く表れているようです。 中には初期のストーンズを彷彿とさせる曲もありますし、そういえばリー・メイヴァースのヴォーカルはミック・ジャガーと似たようなとことがありますが、おそらく彼らの親がそうした曲を聴いていた世代なのでしょう。

 非常にポップで軽快な曲ですが、歌詞の方は薬物、それも静脈注射によるヘロインのことを歌っているようです。 "She" というのは女性以外でも、船とか車とか、都市や国家などを女性に見立ててそう言うことがありますが、歌詞の意味を知らずに聴いていると彼女のことを歌っているようにも聞こえるという訳で、甘いお菓子にくるまれた毒物みたいな曲とも言えるでしょう。 決してポップなだけの曲ではありません。

The La's (ラーズ):
  Lee Mavers (リー・メイヴァース) – guitar, vocals
  John Power (ジョン・パワー) – bass, backing vocals
  Peter "Cammy" Camell – guitar
  Neil Mavers – drums
  John "Boo" Byrne – guitar (on "There She Goes")
  Chris Sharrock – drums (on "There She Goes")


※音楽共有サイトのGrooveshark が突然有料になってしまったので、代わりに YouTube を貼っておきます。

There She Goes 『ゼア・シー・ゴーズ』を聴く: (2:42)

  ●歌詞と対訳●

There she goes   ほら、彼女だよ ※
There she goes again  また あの娘がやってきて ※
Racing through my brain   ぼくの脳の中を レースみたいに駆けまわり  
And I just can't contain,   ぼくはそれを 止めることができないんだ
this feeling that remains    消えずに残る この感じ

There she blows   そら 彼女があえいでる ※
There she blows again   あの娘がまた 吹き荒れて
Pulsing through my vein   ぼくの血管の中を ドキドキと脈打ち ※
And I just can't contain,   ぼくはほとんど 抑えが利かないんだ
this feeling that remains    体に残る この感じ

(間奏)

There she goes   ほら、あの娘だよ
There she goes again  また あれが始まった
She calls my name,   彼女が ぼくの名を呼んで
pulls my train    ぼくの体を なぶりものにする ※
And no-one else can heal my pain   誰も ぼくの痛みを癒すことはできないけど、
But I just can't contain,   ぼくはもう 抑えることができないんだ
this feeling that remains    居座り続ける この感覚

There she goes   ほら、あれだよ
There she goes again  またいつもの あれが始まって
Chasing down my lane   ぼくのレーン(小路)を 追いかけまわすけど ※
And I just can't contain,   でもぼくはもう 抑えが利かないんだ
this feeling that remains    残存してる この感じ

There she goes    ほら あれだよ
There she goes   ほら あの娘だよ
There she goes    ほら またいつものあいつだよ・・・


※ there ~ goes: ほら~だよ。(直訳すると)~があっちに行ったよ。
※ she: 英語では、船とか車とか国家とか都市などにも、女性に擬したものとして用いる。この場合は薬物(ヘロイン)のことでしょう。
※ There he (she) goes again: また始まった。(うんざりして小声で、しかし本人に聞こえるように言う) 出たよ、またあいつの~が。

※ blow: 吹く。 あえぐ。 吹き荒れる。 爆発する。
※ pulsing: 脈動する。 "pulsing through" だと、(壁を伝わって音などが)響く。
※ vein: 静脈。
※ pull a train: 直訳すると「列車を引っ張る」だが、複数の相手とセックスしたり、一人の女性を複数の男が輪姦するという意味にも使われる。
again / vein / train / contain と似たような発音の単語を末尾に並べて韻を踏んでいます。
※ chasing down: ~を追いかける。


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テーマ : 洋楽歌詞対訳
ジャンル : 音楽

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更新ありがとうございます

La's懐かしいです!
といっても、1stしか知らなくて、しかも載せていただいた曲しか好きにならなかったのですが。
ホントに爽やかなくらいの楽曲なのに、こんな歌詞だったのですね~!
Sumiさんは、背景や歴史も教えて下さるので、「ぼんやりと気になるレベルの曲」を、「輪郭つきで気に入る曲」にしてくれる気がします。
マイペース更新、また楽しみにしてます。

トヨンさん、こんにちは

非常にポップな曲なので当時はラジオからよく流れてきましたが、歌詞の方は放送禁止スレスレという内容でした。 それが狙いだったのかもしれませんが・・・

現在は老母の介護とか、古いレコードのデジタル化といった作業をやっているのでこちらの方は開店休業状態ですが、たまには息抜きも兼ねて閉店しない程度のペースで更新するようにしています。
コメントありがとうございました。
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Sumi Haruo

Author:Sumi Haruo
昨年まで老母の介護をしていました。 古い記事へのコメントも大歓迎です。
※記事へのリンクは自由ですが、対訳はあくまでも私個人の解釈なので、訳詞の転載はお断りいたします。
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