282. When a Man Loves a Woman 男が女を愛する時

When a Man Loves a Woman 男が女を愛する時 : Percy Sledge パーシー・スレッジ

 パーシー・スレッジが最初に録音したこの曲は全米とカナダでNo.1 となり、彼にとって最大のヒットとなりました。 そしてこの曲はアトランティック・レコードにとっても初のゴールド・レコードとなっています。


Japanese EP
Alubm : Best of Percy Sledge
  The ultimate collection

Released: April 16, 1966
Written by: Calvin Lewis, Andrew Wright
Produced by: Marlin Greene, Quin Ivy (クイン・アイヴィー)

  Percy Sledge について:
Percy Sledge
 フリー百科事典『ウィキペディア』  

 1941年にアラバマ州ライトンで生まれたパーシー・スレッジは、高校時代は野球選手として活躍していましたが、歌や野球で生活できる訳もなく、しばらくはブルー・カラー(労働者)の仕事をしていたようです。 しかし1965年の終盤になって建築現場の仕事を解雇され、恋人も離れていってしまうという二重苦を味わい、その時の体験がこの曲の歌詞には色濃く反映されています。

 その後シェフィールドの病院の用務員としての仕事を得た彼は、週日は病院で働きながら、週末は The Esquires Combo (エスクァイアーズ・コンボ)という地元のグループと共に南部の地方を回りながら歌い始めます。 この曲のクレジットにある Calvin Lewis(カルヴィン・ルイス)と Andrew Wright(アンドリュー・ライト)はベースとキーボードを担当していたグループのメンバーとか。
 そんなパーシー・スレッジにとって転機となったのは、病院にやって来た患者の中にこの曲をプロデュースすることになる Quin Ivy (クイン・アイヴィー)がいたことで、両者を共に知っている人の紹介で彼はオーディションを受け、アトランティックとレコード契約を交わします。

 音楽プロデューサーのクイン・アイヴィーはメンフィスで DJ の仕事をしながら、マッスル・ショールズ・スタジオの Rick Hall (リック・ホール)のところでソング・ライターの仕事などもしていました。 彼はリック・ホールがやらない小さな仕事をもらう目的で、1965年に Quinvy recording studio (クインヴィ・レコーディング・スタジオ)という小さなスタジオを開設します。 そしてレコーディングに際してリック・ホールから、プロデューサーでギタリストでもある Marlin Greene (マーリン・グリーン)を紹介してもらい、その頃マッスル・ショールズでの仕事がなかった優れたミュージシャンたちを集めてレコーディングされたのがこの曲でした。

参加ミュージシャン:
  Spooner Oldham (スプーナー・オールダム) : Organ
  Marlin Greene (マーリン・グリーン) : Guitar
  Albert "Junior" Lowe (アルバート "ジュニア" ロゥ) : Bass
  Roger Hawkins (ロジャー・ホーキンス) : Drums

 レコーディング当初この曲にはまだ歌詞がなく、パーシー・スレッジがアドリブで歌詞を付けながら歌っていたそうですが、カルヴィン・ルイスとアンドリュー・ライトが曲作りに貢献したということで、スレッジはクレジットの権利を二人に与えました。 彼の名前がクレジットされていないのはそうした理由からで、歌詞に幾つか違うヴァージョンがあるのはその時文字として書き残さなかったからだと思われます。 レコーディングが1966年の2月とすると、恋人と別れてからまだそんなに日が経っていない訳で、歌の中から恋する者の苦悩がにじみ出してくるようです。

 パーシー・スレッジとクイン・アイヴィーのコンビはこの後も1969年までに U.S. Hot 100 に入るヒットを10曲以上出しているのですが、残念ながらトップ10に入る曲は一つもなく、どうしてもこの曲のイメージが付いて回るのは仕方の無いことでしょう。

●カヴァー・ヴァージョン:
 この曲は色々な人が歌っていますが、25年後の1991年に Michael Bolton (マイケル・ボルトン)が歌ったヴァージョンが再び全米で1位となっています。 両者を聴き比べてみると「ソウル」と「ポップス」の違いが分かるだけでなく、万人受けするものには灰汁(あく)が無いことも良く分かるでしょう。
→ When a Man Loves a Woman:Michael Bolton (マイケル・ボルトン)のヴァージョン

 Bette Midler (ベット・ミドラー)も1980年の映画 "The Rose" (ローズ)の中で熱唱していますが、残念ながら Grooveshark には曲が無いみたいでお聴かせすることができません・・・

 パーシー・スレッジのベスト版には1曲目にオリジナルの古いヴァージョン、アルバムの一番最後にアトランティックのジェリー・ウェクスラーが録り直した新しいヴァージョンが収録されているので、興味があれば聴き比べてみて下さい。→ When a Man Loves a Woman (Original Version)

When a Man Loves a Woman 『男が女を愛する時』を聴く: (Alternate Version)
(※開くまでに時間がかかりますが、のんびりお待ち下さい。 しばらくすると、自動的に再生が始まります)

  ●歌詞と対訳●

When a man loves a woman,   男が女を愛する時
Can't keep his mind on nothin' else,   彼は他のことを 何も考えられなくなる
He'll trade (change) the world   彼は 世界とだって交換するだろう ※
For the good thing he's found.   彼が見つけた その素晴らしい人と

If she is bad, he can't see it,  もし彼女が悪いとしても、 彼にはそれが分からない
She can do no wrong,   彼女が悪いことなど するはずがないから ※
Turn his back on his best friend   彼は親友にだって 背を向けるだろう
If he put her down.  もしその友だちが 彼女のことを悪く言ったなら ※

When a man loves a woman,   男が女を愛する時
Spend his very last dime   なけなしの金を 全てはたいても ※
Tryin' to hold on to what he needs.  大切な人を 手放すまいとするだろう ※

He'd give up all his comforts   彼は あらゆる快適さを捨て去って
Sleep out in the rain,   雨の中で 眠ることだってするだろう
If she said that's the way   もし彼女が 「そうしなさい」と言ったなら ※
It ought to be.    きっと そうすることだろう ※

Well, this man loves you, woman.  そう、この男は(そんな風に) きみを愛してるんだ、
I gave you everything I had,  ぼくは 自分の持てる全てをきみに捧げた
Tryin' to hold on to your hot blood long.  きみの情熱をずっとつなぎ止められるように ※
Baby, please don't treat me bad.  ベイビィ、どうか冷たくしないでおくれ ※

When a man loves a woman,   男が女を愛する時
Down deep in his soul,   彼の心の 奥底を
She can bring him such misery.  彼女は これほど惨めにすることもできる

If she is playin' him for a fool,  もし彼女が 彼をもてあそんでいるとしても ※
He's the last one to know.   彼には最後まで それが分からないだろう
Lovin' eyes can never see.    愛する者の目は 盲目だから

When a man loves a woman   男が女を愛する時
he can do her no wrong,   彼は彼女に対して ひどいことができない
he can never own some other girl.  彼は他の娘を 自分のものにはできないだろう

Yes, When a man loves a woman  そう、男が女を愛する時
I know exactly how he feels,  ぼくには その男の気持ちが良く分かる
('Cause) baby, baby, baby,    (だって)ベイビィ、ベイビィ、
you're my world.  きみは ぼくの世界(そのもの)だから

When a man loves a woman   男が女を愛する時
I know exactly how he feels...  ぼくには その男の気持ちが痛いほど分かるんだ・・・


※ この部分、"change" となっているヴァージョンと、 "trade" となっているヴァージョンがあります。
※ can do no wrong: 悪いことは何もできない、悪いことをするはずがない、何をしても正しい。
※ put down: こき下ろす、けなす、悪口を言う、恥をかかせる。
※ very last: 最後の最後の、本当に最後の、ギリギリの~。
※ dime: 10セント硬貨の愛称ですが、現在では10円の価値もありませんから、あくまでも「たとえ」で、「最後の10円までも」くらいのニュアンスです。
※ hold on to: ~をつかんで離さない。~を手放さない。~にしがみつく。

※ that's the way: この場合は「そのようにやれ」とか「そうしなさい」(と命令されたやり方)。 普通は「そんなもんさ」とか「そういうものだ」くらいの使い方。
※ ought to be: きっと~だろう、 ~するはずだ。
※ hot blood: この場合は「情熱」とか「熱情」と解釈しています。「短気」や「癇癪」という意味もありますが、マイケル・ボルトンやベット・ミドラーのカヴァーでは「precious love」と置き換えてあるので、あまり良い表現ではないのかもしれません。
※ treat someone bad: ~にひどい仕打ち(扱い)をする。
※ play someone for a fool: ~をからかって(ばかにして)いる。 この場合は「男の心をもてあそんでいる」としておきました。


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テーマ : 洋楽歌詞対訳
ジャンル : 音楽

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