279. Everybody's Talkin' うわさの男

Everybody's Talkin' うわさの男 : Harry Nilsson ハリー・ニルソン

 ニルソン初のヒット曲ですが、最初にリリースされた時には全米で100位にも入らず、かろうじてカナダのチャートで35位となったくらいでした。 でも映画の主題歌として使われたことにより人気が出て、再リリースされた時には全米6位のヒットとなっています。


Alubm : 空中バレー
  ニルソン・グレイテスト・ヒッツ
(試聴可)
Released: February 14, 1968 (Re-released: 1969)
Written by: Fred Neil (フレッド・ニール)
Produced by: Rick Jarrard

  ハリー・ニルソンについて:
Harry Nilsson
 フリー百科事典『ウィキペディア』  

 ニルソンは優れたソング・ライターであり、この曲を含むセカンド・アルバムから最初にシングル・カットされた "One"(ワン) が、翌年 Three Dog Night (スリー・ドッグ・ナイト)によってカヴァーされてビルボードで5位のヒットとなりましたが、この曲はフレッド・ニールのカヴァー曲です。
 ニルソンは最大のヒットとなった "Without You"(ウィザウト・ユー:No.44)もバッドフィンガーのカヴァーですが、それだけシンガーとしても優れているということでしょう。

Fred Neil Fred Neil (フレッド・ニール)のオリジナル・ヴァージョン

 この曲のオリジナルは1966年にリリースされたフレッド・ニールのセカンド・アルバム "Fred Neil" に収められていたもので、ニルソンのヒットを受けて本人のヴァージョンも後からシングル・カットされたようです。

 映画 "Midnight Cowboy" 「真夜中のカーボーイ」 について: (※タイプ・ミスではありません)
 この曲は最初にシングル・カットされた時はビルボードで113位にしかなりませんでしたが、映画の主題歌として使われてから人気が出て、翌年再リリースされた時には6位まで上がり、カナダのチャートでは1位となりました。 日本でもビールや日本酒のコマーシャルで何度か使われています。
 映画の挿入歌としてはボブ・ディランなどにも曲の依頼があったそうですが映画には間に合わなかったらしく、ニルソンは "I Guess The Lord Must Be In New York City"(孤独のニューヨーク)を提出したものの、映画の仮歌として使われたこの曲を監督が気に入り、最終的にこれに決まったとか。
(※ "Cowboy" は本来「カウボーイ」と表記するべきでしょうが、それを「カーボーイ」としたのは水野晴郎さんだとか。 映画の字幕では「カウボーイ」となっているようですが・・・)

 歌詞の出だしで、「みんな俺の噂話をしてるけど、俺はそんなの聞いてない」と言ってますが、実はしっかり聞こえているのに強がってる訳で、それで「(ヨットの)帆に風を受けて、気候の良い所へ行きたい」というのが歌詞の内容です。 でも実際は恋人がいて一人で逃げ出すこともできないという、ジレンマを抱えた男の歌になっています。 映画ではニューヨークからバスで憧れのフロリダへと向かうようですが、歌詞の内容からするとあまりコマーシャル向けの曲ではないでしょう。

 ところでこの曲が収められているセカンド・アルバム "Aerial Ballet"(エアリアル・バレー) 「空中バレー」というタイトルは、のちにAerosmith (エアロスミス)というバンド名のヒントになりました。
 エアロスミスのドラマー Joey Kramer(ジョーイ・クレイマー)はニルソンのこのアルバムを聴いた時、そのバンド名がパッと頭に浮かんだそうですが、他のメンバーは高校時代に読まされた小説 "Arrowsmith"(アロースミス)みたいだと当惑したようです。
 それに対してジョーイは "No, not Arrowsmith, A-E-R-O...Aerosmith." (いや、アロースミスじゃなくて、エ・ア・ロ・・・エアロスミスだ)と答えます。 つまり「エアロ(空気の)スミス(鍛冶屋)という訳で、更にジャケットの複葉機の絵柄から、例の翼をあしらったウィング・マークが生まれたとか。 余談ですが、調べてみたらそんなエピソードもありました。

Everybody's Talkin' 『うわさの男』を聴く:
(※開くまでに時間がかかりますが、のんびりお待ち下さい。 しばらくすると、自動的に再生が始まります)

  ●歌詞と対訳●

Everybody's talkin' at me   誰もが 俺のことを話しているけど
I don't hear a word they're sayin'  俺にはそんな話など 聞いてないのさ
Only the echoes of my mind   ただ 自分の心のこだまが 響いているだけ 

People stoppin' an' starin'  人々は立ち止まって ジロジロ見てるけど ※
I can't see their faces   俺には奴らの顔など 見えないのさ
Only the shadows of their eyes  ただ 奴らの眼の影だけが(見えるだけ)

I'm goin' where the sun keeps shinin'  俺は 太陽がずっと照り輝いているところへ行くんだ
Through the pourin' rain    この土砂降りの 雨の中を抜けて ※
Goin' where the weather suits my clothes  自分の着てる服みたいに丁度いい気候の所へ行こう
Bankin' off of the North East wind   北東の風に (帆を)傾けて
Sailin' on summer breeze   夏の風に吹かれながら 帆走するんだ
Skippin' over the ocean like a stone  (投げた)小石のように 海原を跳びはねて行くのさ

(間奏)

I'm goin' where the sun keeps shinin'  俺は 太陽がずっと照り輝いているところへ行くんだ
Thru' the pourin' rain    この土砂降りの 雨の中を抜けて
Goin' where the weather suits my clothes  自分の着てる服みたいに丁度いい気候の所へ行こう
Bankin' off of the North East wind   北東の風に (ヨットの帆を)傾けて
Sailin' on summer breeze   夏の風に吹かれながら 帆走するんだ
Skippin' over the ocean like a stone  (投げた)小石のように 海原を跳びはねて行くのさ

Everybody's talkin' at me   みんなが 俺の噂話をしているけど
Can't hear a word they're sayin'  そんな話なんか聞こえないのさ
Only the echoes of my mind   ただ 自分の心の声が 響いているだけ 

I won't let you leave   (でも)俺は きみを置き去りにはできない
My love behind     自分の恋人を 後に残して
No, I won't let you leave   嫌だ、俺はきみを手放したくない

I won't let you leave   俺は きみを置き去りになんてできない
My love behind...    自分の恋人を 後に残して・・・


※ staring: ジロジロと見る、凝視する。
※ pouring rain: 土砂降りの雨


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テーマ : 洋楽歌詞対訳
ジャンル : 音楽

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昨年まで老母の介護をしていました。 古い記事へのコメントも大歓迎です。
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