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278. Take Me Home, Country Roads 故郷へかえりたい

Take Me Home, Country Roads 故郷へかえりたい : John Denver ジョン・デンバー

 ジョン・デンバーにとっては初の大ヒットで、全米2位となっただけでなく、彼を代表する曲にもなりました。


Alubm : John Denvers Greatest Hits
  故郷の詩
(試聴可)
Released: April 12, 1971
Written by: Bill Danoff, Taffy Nivert, John Denver
Produced by: Milton Okun, Susan Ruskin

  ジョン・デンバーについて:
John Denver
 フリー百科事典『ウィキペディア』  

 ジョン・デンバーは、まだ無名時代に書いた "Leaving on a Jet Plane"(悲しみのジェット・プレーン)をピーター・ポール&マリーが1969年に歌って全米1位となりましたが、自身の歌でヒットしたのはこの曲が初めてです。 でもこの曲を作ったのは彼ではなく、当時 "Fat City"というデュオをやっていたBill Danoff (ビル・ダノフ)とTaffy Nivert(タフィー・ナイバート)夫妻でした。

 この曲がヒットする前年の12月に彼ら三人はワシントンDCにある "The Cellar Door" というクラブで二週間ほど一緒に歌っていたそうですが、その後セッションに戻る途中でジョン・デンバーは自動車事故を起こし、左手の親指を骨折して病院に運ばれ、演奏ができなくなってしまいます。
 そんなジョンにダノフとナイバート夫妻は一月ほどずっと温めていたこの曲のことを話しますが、そのアイディアは彼らがメリーランドにいる親戚の家までドライヴしていた時に生まれ、そこに滞在している間にダノフが書き上げたものでした。 そしてダノフはしばらくしてから、友人がウェスト・ヴァージニアの雄大さについて書いた手紙を元に歌詞を書き換えたそうです。

 ジョン・デンバー自身はウェスト・ヴァージニアには行ったことがなく、しかも歌詞に出てくる ブルーリッジ山脈シェナンドー川 は実際にはウェスト・ヴァージニアにはかかっていなかったりするのですが、ともかくこの曲はジョンの次のアルバムのためにレコーディングされることになり、歌詞もそれに合わせて書き換えられ、夫妻もバック・ヴォーカルで参加しています。 女性のコーラスがタフィーさんでしょう。

歌詞について:
 歌い出しの "Almost heaven" という歌詞を聴いて、大抵の人は「まるで天国のよう」と思うでしょうし、雄大な山並みや美しい風景を想像されるでしょうが、残念ながらこの歌詞はそうしたものではなさそうです。
 ウェスト・ヴァージニア州 は "The Mountain State"(山岳州)とも呼ばれており、州全体が山岳地帯にあって海からは遠く、資源といえば石炭くらいで、平均世帯収入や大卒者の人口の割合はアメリカ国内で最低の水準とか。
 つまり山はあるけど当時の仕事といえば炭鉱での石炭掘りくらいで、生活も昔ながらの古くさいものであって、決して天国のような暮らしを歌っている訳ではありません。 イメージが壊れるかもしれませんが、どうも歌詞全体を眺めてみるとそのように思えるのです。
 それから "her" とか "she" といった女性の代名詞が出てきますが、これも母親なのか、それとも故郷の山なのかは聞く人それぞれが判断するしかありません。 
 二番の歌詞は都会にいる主人公が故郷を思い出して歌っていると解釈していますが、"taste of moonshine" の "moonshine" は「月明かり」とも「密造酒」とも取れるので、「安い密造ウィスキーの味」とする方が意味としては通りが良いでしょう。 あまりイメージを壊したくないので良い方に解釈していますが、ブルースなどに良くあるダブル・ミーニング(二重の意味)で使っているのだと思います。

●カヴァー曲について:
 この曲は色々な人が歌っていますが、日本では「耳をすませば」というアニメーション映画で使われていたので若い方にも馴染みがあるでしょう。 映画の冒頭に流れるのは1973年の オリビア・ニュートン=ジョン のヴァージョンです。 ジョン・デンバーは1975年に "Fly Away" という曲でオリビア・ニュートン=ジョンとデュエットしていました。 ジョン・デンバーの功績といえば、カントリーをよりポップにして、一般の人にも聴きやすくしたことでしょうか。 
Olivia Newton-John (オリビア・ニュートン・ジョン)のカヴァー・ヴァージョンはこちら。
→ "Take Me Home Country Roads" カントリー・ロード (故郷へ帰りたい)

 この曲はウェスト・ヴァージニアの人たちからの熱烈な支持を受け、ウェスト・ヴァージニア大学のテーマ曲になり、1972年からフットボールのホーム・ゲームでは試合前のショーで歌われるようにもなりました。
 更にウェスト・ヴァージニア州議会には、この曲を公式の州歌とする法案が議会に提出されますが、上院・下院ともに通らなかったようです。 何しろウェスト・ヴァージニアには行ったことの無い人たちがその土地について良く調べもしないで書いた歌詞であり、ヒット後にあちこちから歌詞の矛盾点を指摘されているようでは仕方ないでしょう。 でも大抵のヒット曲というのは、得てしてそうしたものです。

レコーディング・メンバー:
* John Denver - guitar, vocals
* Eric Weissberg - banjo, steel guitar
* Mike Taylor - guitar
* Richard Kniss - bass
* Gary Chester - drums
* William (Bill) Danoff - back vocals
* Taffy Nivert - back vocals

Take Me Home, Country Roads 『故郷へかえりたい』を聴く:
(※開くまでに時間がかかりますが、のんびりお待ち下さい。 しばらくすると、自動的に再生が始まります)

  ●歌詞と対訳●

[1]
Almost heaven, West Virginia,  いまにも天に届きそうな(※) 、ウェスト・ヴァージニアの
Blue Ridge Mountains,     ブルーリッジ山脈、※
Shenandoah River.   (下に目を向ければ)シェナンドー川 ※

Life is old there,   そこでの生活は 昔ながら(の鉱山仕事)で
older than the trees,   木々よりも 古びていて
younger than the mountains,    山々と比べたら (少しは)新しいかもしれないけど
blowing like a breeze.    まるで 風に吹かれるみたい(な生活)さ ※

(Chorus)
Country roads,    田舎(いなか)の道たちよ
take me home to the place I belong.  ぼくにふさわしい所へと 連れ戻しておくれ ※ 
West Virginia, mountain momma,    ウェスト・バージニア、 母さんの山、
take me home, country roads.  ぼくを連れ戻しておくれ、 田舎の道よ

[2]
All my memories gather round her,  ぼくの思い出は いつも彼女(母なる山)の周りをめぐる ※
miner's lady,   (それは)炭鉱夫たちにとってのレディ(貴婦人)さ、 ※
stranger to blue water.   青い海とは 無縁な人たちの ※

Dark and dusty, painted on the sky,  (都会の)暗く埃っぽい うす汚れた空の、 ※
misty taste of moonshine,     ぼんやりとした 月明かりの一筋 (安い密売酒の味) に ※
teardrop in my eye.   ぼくの目には(こらえても) 一粒の涙がうかぶ ※

(Chorus)
Country roads,    田舎(いなか)の道たちよ
take me home to the place I belong.  ぼくにふさわしい所へと 連れ戻しておくれ 
West Virginia, mountain momma,    ウェスト・バージニア、 母さんの山、
take me home, country roads.  ぼくを連れ戻しておくれ、 田舎の道よ

(Bridge)
I hear her voice in the morning hour she calls me,   今朝、彼女がぼくを呼ぶ声を聞いたけど
the radio reminds me of my home far away.  ラジオは 故郷から遠くにいることに気付かせる  
And driving down the road    車で 道路を走りながら
I get a feeling that I should have been home yesterday, yesterday.
ぼくは昨日、故郷(ふるさと)に戻るべきだと感じていたんだ、 昨日 帰るべきだったんだと ※

(Chorus)
Country roads,    田舎(いなか)の道たちよ
take me home to the place I belong.  ぼくにふさわしい所へと 連れ戻しておくれ 
West Virginia, mountain momma,    ウェスト・バージニア、 母なる山、
take me home, country roads.  ぼくを連れ戻しておくれ、 田舎の道よ

Country roads,    田舎(いなか)の道たちよ
take me home to the place I belong.  ぼくにふさわしい所へと 連れ戻しておくれ 
West Virginia, mountain momma,    ウェスト・バージニア、 母さんの山、
take me home, country roads.  ぼくを連れ戻しておくれ、 田舎の道よ

take me home, country roads,  ぼくを連れ帰っておくれ、 田舎の道よ
take me home, country roads.  ぼくを連れ戻しておくれ、 田舎の道たちよ


※ Almost heaven: 「まるで天国」と考える人が多いと思いますが、それだとウェスト・ヴァージニアが良い所という歌詞になってしまいます。 でも実際は山と炭鉱以外何も無いさびれた土地を歌っている訳ですから、ここでは "heaven" を「天」とか「天空」として、「もう少しで天に届きそうな」としておきました。 ウェスト・ヴァージニアは州全体が山岳地帯で、"The Mountain State"(山岳州)という愛称があります。
※ Blue Ridge Mountains: ブルーリッジ山脈。 遠くから見ると青く霞んで見えることから名付けられたらしいのですが、実際にはウェスト・ヴァージニア州にはかかっていないとか。
※ Shenandoah River: シェナンドー川。 これも実際にはヴァージニア州を流れる川で、ウェスト・ヴァージニアにはごく一部しか流れていないそうです。
※ blowing: 歌詞によっては "growing" や "flowing" となっているものもありますが、ジョン・デンバーの歌では "blowing" と聴こえるし、その方が意味もつながりやすいです。 要するに、山と炭鉱しかない生活ということで、決して天国のような場所を讃えているのではありません。
※ take someone home: ~を(家に)連れ帰る。~を家まで送る。

([2]の歌詞は、都会にいる主人公が故郷を思って歌っていると解釈しています。)
※ gather round: 周りに集まる、終結する。
※ her: これは人物というより、故郷を象徴する(母なる)山とも解釈できます。 英語では山とか船とかは女性名詞で "her" と呼んだりしますが、次の "miner's lady" も人なのか山なのかで解釈の分かれるところですが、前の歌詞の「母なる山」のことでしょう。
※ miner: 炭鉱夫。 ウェスト・ヴァージニアの主要な資源は石炭で、経済的に最も脆弱な州の一つであり、個人所得額や大学卒業者の割合もアメリカ国内では最低とのこと。
※ blue water: 青海原。(ウェスト・ヴァージニアは内陸部で海からは離れている) "stranger" は「不慣れな人」としておきます。

※ Dark and dusty: この「暗く埃っぽい」空は、三池炭鉱のように炭鉱の煙突の煙で汚れているのか、それとも主人公がいる都会の空なのかはハッキリしませんが、たぶん後者でしょう。
※ moonshine: 「月明かり」でしょうが、「密造酒」(ウィスキー)、「密造(バーボン)ウィスキー」の意味もあり、「たわごと」や「くだらないこと」といった意味もあります。 ダブル・ミーニングかも。 
※ taste of: これも「~の味」の他に、「ちょっとした」とか「一抹の」といった意味もあり、二通りの意味にとれそうです。
※ teardrop: 「涙」ですが、単数形となっているので一粒という点に注意。
※ get a feeling: ~感を覚える(得る)。  


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テーマ : 洋楽歌詞対訳
ジャンル : 音楽

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No title

こんにちは。
私はまさに「まるで天国」と解釈しておりました。
でも、そんなところでも生まれ育った人にとってはかけがえのない故郷なんですね。

アールさん、こんにちは。

大抵の人はこの曲に対して良いイメージを持っているでしょうし、せっかくのイメージを壊したくないので、あまり採り上げたくない曲の一つでもありました。
でもこうした解釈の仕方もあっても良いかと思い、やっと手を付けてみた次第です。

どんな人にとっても故郷は懐かしい場所であり、たとえそこが山や川以外に何も無いところだとしても、離れていれば懐かしく思い出される―私はそんな風に解釈して訳してみました。
プロフィール

Sumi Haruo

Author:Sumi Haruo
昨年まで老母の介護をしていました。 古い記事へのコメントも大歓迎です。
※記事へのリンクは自由ですが、対訳はあくまでも私個人の解釈なので、訳詞の転載はお断りいたします。
訳詞を掲載したい場合は、記事へのリンクを貼るという形にして下さい。

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