スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

275. Bridge Over Troubled Water 明日に架ける橋

Bridge Over Troubled Water 明日に架ける橋 : Simon & Garfunkel サイモン & ガーファンクル

 アルバム・タイトルにもなっているこの曲は、シングルとアルバム同時発売で共に全米1位となり、翌年のグラミー賞ではこの曲とアルバムの両方でトータル6部門を受賞しています。 しかしこの曲をめぐって二人の間の亀裂は深まり、このアルバムを最後にS&G は惜しまれながら解散してしまいました。


Alubm : Bridge Over Troubled Water
  明日に架ける橋

Released: January 26, 1970
Written by: Paul Simon (ポール・サイモン)
Produced by: Roy Halee (ロイ・ハリー), Paul Simon, Art Garfunkel

   サイモン&ガーファンクルについて:
Art Garfunkel & Paul Simon
 フリー百科事典『ウィキペディア』  

 "Troubled Water" とはちょっと分かりにくいタイトルですが、この曲は Claude Jeter (クロード・ジーター)というゴスペル歌手兼牧師が彼のグループ "The Swan Silvertones" と歌った "Mary Don't You Weep" という歌にインスパイアされて書かれたということです。
 その歌詞の中にある "I'll be a bridge over deep water if you trust in me" (あなたが私を信じるなら、私は深い流れに架かる橋のようになるであろう) の "deep water" (深い流れ)を "troubled water" (荒い海)と変えている訳です。

 この歌詞は友だちを励ます歌として訳されていることが多いのですが、ゴスペル(神の福音)として聞くと主が苦しんでいる人たちに語りかけていることになり、かなり意味が違ってきます。 2番の歌詞などは、落ちぶれた友人に向かって話しかけていると思うとかなり鼻持ちならないものですが、主イエス・キリストが苦しむ人に向かって語りかけているとすれば、慈愛に満ちた歌として聴こえるでしょう。 ここではゴスペル風の歌として訳してみました。 ピアノ演奏は Larry Knechtel (ラリー・ネクテル)です。
 余談ですが、ポール・サイモンは1973年のスタジオ録音時にクロード・ジーターをシンガーとして迎え入れた際、この曲にインスピレーションを与えてくれた謝礼として1,000ドルの小切手を手渡したとか。(’73年当時は1ドルが300円くらいで、物価が1/3ほどでしたから、現在の価値で100万円くらいでしょうか)

 この曲は最初ポール・サイモンがファルセット(裏声)で歌うことになっていて、歌詞も二番までしかなかったようです。 しかしポールでは上手く行かずアート・ガーファンクルが歌うことになったようですが、プロデューサーのロイ・ハリーはエンディングに向けての大きな盛り上がりとそのための最終節が必要だと考えました。 ポールはそれに同意してしぶしぶ三番の歌詞を書き、その三番のアイディアはアートが出したものだったということですが、ポールはどうしてもそれが好きになれなかったと語っています。 「銀の少女」とか、いかにも取って付けたような歌詞ですしね。
 そして、「何でその曲を自分で歌わなかったのか、と何度も後悔した」と、のちのインタヴューで語っていました。 そうしたことが重なって、二人はデュオを解散することになったのでしょう。


 Aretha Franklin (アレサ・フランクリン)のヴァージョン:
Aretha Live at Fillmore West / ライヴ・アット・フィルモア・ウエスト

 この人が歌うと、どんな歌でもこの人のものになってしまいます。 ここでは1番の歌詞は歌わずに2番の歌詞から始まっていますが、元々ゴスペルを得意とする人だけに、歌詞も神の福音として聴くと味わい深いものになるでしょう。

 このヴァージョンは、南アフリカの反アパルトヘイト(人種隔離政策)運動が盛んだった頃、南アフリカの黒人たちによってよく歌われていたそうです。 そしてアフリカの教会に白人の作った曲がゴスペル・ソングとして逆輸入されることにもなりました。 普通、黒人が白人の音楽を歌うことはあまりないのですが、ある黒人ばかりの刑務所の中でポール・サイモンの "Mother and Child Reunion"(母と子の絆)が歌われていた、というエピソードを聞いたことがあります。 白人初のレゲエ風アレンジの曲とはいえ、人種の壁を越えて歌われるということは、その曲が何らかの普遍性を持っているということでしょう。

Bridge Over Troubled Water Aretha Franklin (アレサ・フランクリン)のヴァージョンを聴く:

 この曲は反戦歌ではありませんが、当時のヴェトナム戦争を背景とした暗い時代には色々な解釈をされて歌われたようです。 彼らが製作した「Song of America」というTVのドキュメンタリー番組では、その背景にケネディ大統領やキング牧師の暗殺の映像が流れたそうで、スポンサーが降板したことで一度放映されただけで終わったとか。(4月に発売される「40周年記念版」のボーナスDVDに収録されるという話があります)
 そうしたこともあり、この曲がいつしか反戦や平和へのメッセージとして歌われるようになったのでしょう。 この曲は9.11アメリカ同時多発テロ事件の時に、心に傷を負ったニューヨークの人たちの間で広く歌われていたということですが、当時のブッシュ政権は「銀の少女」という歌詞が銀色の貿易センター・ビルを連想させるとかで、ジョン・レノンの「イマジン」と共に放送自粛曲に指定します。 愛や平和へのメッセージを恐れて放送禁止にするとは、人間として心が病んでいるとしか思えません。

 ポール・サイモンとアート・ガーファンクルは時々思い出したように集まってはコンサートを開きますが、その時には1番をアートが歌い、2番をポールが歌って、3番を二人で歌うという形になっているようです。 若い二人の争そいの元になった曲でもありますが、40年経った今でも二人をつなぎ止めている曲でもあると言えるでしょうか。


Bridge Over Troubled Water 『明日に架ける橋』を聴く:
(※開くまでに時間がかかりますが、のんびりお待ち下さい。 しばらくすると、自動的に再生が始まります)

  ●歌詞と対訳●

[1]
When you're weary, feeling small   あなたが疲れきって、(自分が)小さく感じられる時 ※
When tears are in your eyes,   あなたの目に 涙があふれる時には
I will dry them all   私が それをぬぐってあげよう ※

I'm on your side   私は あなたのそばにいる
When times get rough   あなたが 苦しい時には
And friends just can't be found   そして 友が見つからない時には

Like a bridge over troubled water   荒波の上に渡す 橋のように ※
I will lay me down   私が この身を横たえてあげよう
Like a bridge over troubled water   荒海に架ける 橋のように
I will lay me down   私が この身を横たえてあげよう

[2]
When you're down and out   あなたが 落ちぶれて ※
When you're on the street   路上で 生活するようになり ※ 
When evening falls so hard   夕暮れ(の寒さ)が ひどく身にしみる時には
I will comfort you   私があなたを慰めてあげよう

I'll take your part   私があなたの味方となり ※
When darkness comes   (夜の)闇が降りた時にも
And pain is all around   そして 周りのあらゆることが苦痛であっても ※

Like a bridge over troubled water   荒波の上に渡す 橋のように
I will lay me down   私が この身を横たえてあげよう
Like a bridge over troubled water   荒海に架ける 橋のように
I will lay me down   私が この身を横たえてあげよう

[3]
Sail on silver girl   帆を上げなさい シルヴァー・ガール ※
Sail on by     帆を上げて 海へと乗り出しなさい
Your time has come to shine   あなたの 輝く時が来たから
All your dreams are on their way   あなたの全ての夢は その途上にある ※

See how they shine    ごらんなさい それがどんなに輝いているかを
When you need a friend   あなたに 友が必要な時には
I'm sailing right behind   私がすぐ後ろについて(帆走して)いるから ※

Like a bridge over troubled water   荒波の上に渡す 橋のように
I will ease your mind    私があなたの心を 鎮(しず)めてあげよう ※
Like a bridge over troubled water   荒海に架ける 橋のように
I will ease your mind    私があなたの心を 和(やわ)らげてあげよう


※ weary: 「疲れる」、「うんざりする」
※ I: この "I" を普通に友だちの立場として「ぼく」と訳すか、ゴスペル風に神の立場から「私」と訳すかで、歌詞の意味がかなり違ってきます。 アリサ・フランクリンのヴァージョンでは言うまでもなく神の福音(ゴスペル)として歌われています。
※ dry them all: 直訳すると「それら全てを乾かす」ですが、日本語の表現として「涙を拭(ぬぐ)う」としておきます。
※ troubled waters: 1.荒波、荒海。 2.(比喩的に)混乱状態、争いごと。

※ down and out: 打ちのめされて、落ちぶれて、窮乏して、うらぶれて。
※ on the street: 1.路上で、街頭で。 2.路上生活をして、失業して。
※ take one's part: (人)に味方する、~の肩を持つ、~を支持する。
※ all around: 1、あたり一面、いたるところ。 2.全体的に、あらゆる点で。 3.周りにいる(ある)全て。

※ Sail on: (帆を張って)航海する、海上を行く。(帆船時代のなごり)
※ silver girl: 直訳すると「銀の少女」ですが、あえて訳さずにおきます。
※ on way: ~の途中に、途上に。
※ right behind: ~のすぐ後ろを、真後ろを。
※ ease someone's mind: (人の)心をしずめる(軽くする)、(人を)安心させる。 


 記事の編集

テーマ : 洋楽歌詞対訳
ジャンル : 音楽

コメントの投稿

非公開コメント

No title

元気になれるような洋楽を探していました。
本当に主イエス・キリストに語りかけられているような良い歌ですね~。

勝手ながらこのページのリンクをブログに張らせていただきました。
もしお気を悪くなされたらごめんなさい。

nao さん、こんにちは

この歌詞には色々な解釈がありますが、ここではゴスペルからインスピレーションを受けた曲として訳してみました。
地震や津波など、今は日本中が大変な時期なので、こうした人々を励ますような歌もあってよいのではないかと思います。

注意書きにもあるように、ブログ記事に対するリンクは自由にしていただいて構いません。
ただ勝手に訳詞を転載されると後で訂正できなくなるので、一言書いておいただけです。
コメントありがとうございました。
プロフィール

Sumi Haruo

Author:Sumi Haruo
昨年まで老母の介護をしていました。 古い記事へのコメントも大歓迎です。
※記事へのリンクは自由ですが、対訳はあくまでも私個人の解釈なので、訳詞の転載はお断りいたします。
訳詞を掲載したい場合は、記事へのリンクを貼るという形にして下さい。

全記事タイトル表示リンク

全記事タイトルを表示

カテゴリ
最新記事
最新コメント
検索フォーム
FC2カウンター
フリーエリア


累計: 検索エンジン登録
本日: SEO対策
昨日: メール配信

アクセスアップ

Mail Form:メールフォーム

天気予報

-天気予報コム- -FC2-
リンク
電子書籍
Amazonから電子書籍を出版しました
QRコード
QR
RSSリンクの表示
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。