158. Mr. Jones ミスター・ジョーンズ

Mr. Jones ミスター・ジョーンズ : Counting Crows カウンティング・クロウズ


Alubm : August and Everything After
  
                    オーガスト・アンド・エヴリシング・アフター

Released: 1993
Written by: Adam Duritz (A・デュリッツ), David Bryson (D・ブライソン)
Produced by: T-Bone Burnett (T-ボーン・バーネット)
  カウンティング・クロウズについて:
Adam Duritz(手前)
 フリー百科事典『ウィキペディア』  

 デビュー・シングルのこの曲がアメリカン・トップ40で1位となったことで、カウンティング・クロウズはこの歌詞のように有名になりました。

 ただこの曲がヒットした時は「ニルヴァーナ」のカート・コベイン(コバーン)が自らの頭を撃ち抜いて自殺した頃と重なり、アダム・デュリッツは自分をコントロールできなくなっている自らの人生と重ね合わせて怖ろしくなったといいます。 「俺はビッグになりたい」―と歌詞の中で繰り返し歌っていたことが現実になっても、手放しでは喜べなかったのでしょう。

 この曲のタイトルにもなっている「ミスター・ジョーンズ」ですが、これはアダム・デュリッツがカウンティング・クロウズを始める前にやっていたバンドThe Himalayans(ヒマラヤンズ)のベーシスト「Marty Jones」 (マーティ・ジョーンズ)のことだそうです。
 ただ大抵の人は深読みをしたがるので、色々な解釈をされることになりました。 「Jones」というのは男のペニスの隠語でもあり、歌詞の中に「I wanna be Bob Dylan」(俺は ボブ・ディランになりたい)―とあることから、これはディランの「Ballad of a Thin Man」(「やせっぽちのバラッド」:追憶のハイウェイ61)に出てくる男だと言われたりもしました。 アダム・デュリッツはそうしたことを否定しています。 1972年のヒット曲に "Me and Mrs. Jones" というのがありますから、それをもじったものかもしれません。

 「Counting Crows」(カラスを数える)というのは変わったバンド名ですが、アダム・デュリッツによるとこれは映画Signs of Life (1989 film)からの引用だそうです。 ファースト・アルバムの最後に収められている「Murder of One」(マーダー・オブ・ワン)という曲の歌詞に、

counting crows , One for sorrow , Two for joy , Three for girls and four for boys , Five for silver , Six for gold and Seven for a secret never to be told
(カラスを数えろ、一つは悲しみのため、二つは歓びのため、三つは少女で、そして四つは少年のため、五つは銀のため、六つは金で、そして七つは決して語られることのない秘密のため)
 ―というのがあります。 
これは英国の伝統的なライム(韻詩)にその原型があるようで、
One crow means sorrow, two crows mean joy, three crows a wedding, four crows a boy, five crows mean silver, six crows mean gold, seven crows a secret that's never been told
(一羽のカラスは悲しみを意味し、二羽のカラスは歓びを表し、三羽のカラスは結婚式を、四羽のカラスは少年を、五羽のカラスは銀を、六羽のカラスは金を、七羽のカラスは語られることの無い秘密を意味する)
 ―とあって英国連邦ではよく知られているそうですが、イギリスではカラスよりもむしろ「magpies」(カササギ)を使うということでした。 まあ、童謡の数え歌みたいなものなのでしょう。

 この曲を含むファースト・アルバムのプロデュースは、前に取り上げたThe Wallflowers(ザ・ウォールフラワーズ)と同じT-Bone Burnett (T-ボーン・バーネット)で、骨太のロックを聴かせてくれます。 

●当時のメンバー: (上の三人は現在も在籍中)
* Adam Duritz (アダム・デュリッツ) vocals, piano, harmonica
* David Bryson (デヴィッド・ブライソン) guitars, vocals
* Charlie Gillingham (チャールス・ギリングハム) piano, Hammond B3 organ, accordion
* Matt Malley bass, guitar, vocals
* Steve Bowman drums, vocals

Mr. Jones 『ミスター・ジョーンズ』を聴く:
(※自動的に再生が始まらない時は、上にある「PLAY」をクリックして下さい)

  ●歌詞と訳詞●

Sha la la la la la la la.
Oh.
Uh huh.
I was down at the New Amsterdam   俺は ニュー・アムステルダム(N.Y.) にいて ※
starin' at this yellow-haired girl,   黄色い髪の娘を見つめていた
Mr. Jones strikes up a conversation   ミスター・ジョーンズは話し始めた ※
with a black-haired flamenco dancer.   黒髪のフラメンコ・ダンサーと
You know, she dances while his father plays.   彼女の父親が演奏する間 彼女は踊る
And so, she's suddenly beautiful.   そして、彼女は突然 きれいに見えた
And we all want something beautiful.   俺たちはみんな 美しい何かを欲しがるもの
Man, I wish I was beautiful...   あぁ、俺がきれいだったらいいのに・・・ ※
So come dance the silence down through the mornin'.  だから踊ろう、黙って朝までずっと※

Sha la la la la la la la.
Yeah.
Uh huh.
Yeah.

Cut up, Maria!    ふざけまわれ、マリア! ※
Show me some of that Spanish dancin', n'   俺に少しスペインのダンスを見せてくれ、そして
Pass me a bottle, Mr. Jones.   (酒の)ボトルを手渡してくれ、ミスター・ジョーンズ
Believe in me,   俺を信じてくれ
Help me believe in anything.   何でもいいから 信じる手助けをしてくれ
'Cause I wanna be someone who believes.   なぜって 俺は誰かに信じられたいから
Yeah.   そうさ

Mr. Jones and me    ミスター・ジョーンズと 俺は
tell each other fairy tales,   互いに 夢みたいなことを話し ※
and we stare at the beautiful women:   俺たちは きれいな女を見つめ、
"She's looking at you.    「彼女は お前を見てる」
Ah, no, no,    「あー、違う、違う」
she is looking at me."   「彼女は 俺を見ている」
Smilin' in the bright lights.   明るいライトの下で 微笑んでいる
Comin' through in stereo.   ステレオ(立体)で 伝わる ※
When everybody loves you,   みんなが お前を愛する時、
you can never be lonely.   お前は決して 独りじゃない

Well, I'm gon' paint my picture.   俺は 自分の絵を描こう
Paint myself in blue and red and black and gray.   自分自身を 青と赤と黒とグレーで
All of the beautiful colors   すべてのきれいな色で
are very, very meaningful.   とても、重要な意味を持つ
Yeah, well you know,   そう、えーと、まあいいか、
gray is my favorite color.   グレーは 俺の大好きな色だ
I felt so symbolic yesterday.   俺は昨日 とても象徴的に感じた
If I knew Picasso,   もし 俺がピカソを知っていたら
I would buy myself a gray guitar and play.  俺は自分でグレーのギターを買って演奏するだろう

Mr. Jones and me look into the future.   ミスター・ジョーンズと俺は 未来を見つめる
Yeah, we stare at the beautiful women:   そう、俺たちは きれいな女を見つめる
"She's looking at you.   「彼女は お前を見てる」
I don't think so.   「俺は そうは思わない」
She's looking at me."   「彼女は 俺を見ている」
Standin' in the spotlight.   世間の注目を集める中 ※
I bought myself a gray guitar.   俺は自分用に グレーのギターを買った
When everybody loves me,    みんなが 俺を愛する時
I will never be lonely.   俺は 独りじゃないだろう
I will never be lonely.   俺は 孤独じゃないだろう
Said I'm never gonna be lonely.   俺は 独りじゃないと 言ってくれ

I wanna be a lion.   俺は ライオンになりたい
Eh, everybody wanna pass as cats.   みんなが 猫みたいに避けて通ってくれるように
We all wanna be big, big stars,    俺たちはみんな ビッグに、ビッグ・スターになりたい
yeah but,   そうさ、でも
we got different reasons for that.   俺たちにはそれぞれ 違った理由があるんだ
Believe in me    俺を 信じてくれ
'cause I don't believe in anything,   なぜって 俺は何も信じていないから
And I wanna be someone to believe,   でも俺は 誰かを信じたいから
to believe, to believe.   信じたい、信じたいから
Yeah.   そうさ

Mr. Jones and me    ミスター・ジョーンズと俺は
stumbling through the barrio.   バリオ(スペイン系地区)を つまづきながら通って ※
Yeah, we stare at the beautiful women:   そう、俺たちは きれいな女を見つめる
"She's perfect for you. Man,    「彼女は お前にピッタリだ」
there's got to be somebody for me!"   「俺のために 誰かいなけりゃならないのに」
I wanna be Bob Dylan.   俺は ボブ・ディランになりたい
Mr. Jones wishes he was someone    ミスター・ジョーンズは 彼が誰かであったらと思う
just a little more funky.   これでもう少しファンキーならば
When everybody loves you,   みんながお前を愛する時、
ah son,    あぁ、若いの、
that's just about as funky as you can be.   それはお前がそうなるのと同じくらいファンキーさ

Mr. Jones and me starin' at the video.   ミスター・ジョーンズと俺はヴィデオを見つめる
When I look at the television    俺が テレビを観る時に
I wanna see me starin' right back at me.   俺は すぐに巻き戻して俺を観たい ※
We all wanna be big stars,   俺たちはみんな ビッグ・スターになりたい
but we don't know why   でも なぜかわからない
and we don't know how.   でも どうしてなのかわからない
But when everybody loves me,    でも みんなが俺を愛する時
I wanna be just about as happy as I can be.   俺はできる限り 幸せになりたい
Mr. Jones and me,    ミスター・ジョーンズと俺は、
we're gonna be big stars...   俺たちは ビッグ・スターになるつもりさ・・・


※ the New Amsterdam :ニューヨーク市のオランダ領時代の呼称
※ strike up :「歌い(奏し)始める」、「(交際を)始める」
※ Man :「boy」やこの後に出る 「Sun」などと同じく単なる呼びかけに使うもの。
※ down through :「~の間ずっと」
※ Cut up :(米口語)「ふざけまわる」、「暴れまわる」
※ fairy tale :「おとぎ話」、「うそ」。直訳すると「妖精のお話」である。
※ Come through :「くぐり抜ける」、「切り抜ける」。 「Comin' Through The Rye」(ライ麦畑でつかまえて)という小説があるので、それに掛けているのでしょうか。
※ spotlight :「衆目を集める」。 普通に「スポットライトの中に立って」とも訳せますが・・・
※ barrio :(米国内の)スペイン語通用地区。
※ right back :「すぐに戻る」。 "I'll be right back." だと「すぐに戻ってきます」
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テーマ : 洋楽歌詞対訳
ジャンル : 音楽

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