137. Hurt ハート

Hurt ハート : Nine Inch Nails ナイン・インチ・ネイルズ


Alubm : The Downward Spiral
  ダウンワード・スパイラル
(試聴可)
Released: 1995
Written by: Trent Reznor (トレント・レズナー)
Produced by: Trent Reznor , Mark "Flood" Ellis

  ナイン・インチ・ネイルズについて:
 Trent Reznor (トレント・レズナー:中央)
 フリー百科事典『ウィキペディア』  

 ナイン・インチ・ネイルズは一般向けではなく、決して聴きやすい音でもありません。 私自身、最初にアルバムを聴いた時にはただのノイズにしか聴こえませんでしたから・・・
 私が彼らの音に興味を持ったのは、あのジョニー・キャッシュがこの曲をカヴァーしていたからです。 それでこの曲を知り、改めてナイン・インチ・ネイルズのヴァージョンも聴いてみました。

 ナイン・インチ・ネイルズ≒ トレント・レズナー
は繊細で傷付きやすい若者という印象ですが、歳の差が33歳と親子ほども年齢の違う伝説的人物がこうした音楽に取り組むこと自体が新鮮でしたし、何よりその歌に動かされました。 私にとってこの歌は、ジョニー・キャッシュのヴァージョンが最初なのです。

 2002年にジョニー・キャッシュにこの曲のカヴァーを提案したプロデューサーの Rick Rubin (リック・ルービン)は、レズナーの友人でもありました。 レズナーからキャッシュがうまくカヴァーできたかたずねられたルービンは、「(歌ってくれたのは)光栄だと思ったけど、でもアイディアが少しギミック(巧妙)に聴こえないか心配だ」と答えています。 でもジョニー・キャッシュのミュージック・ヴィデオを観たレズナーは、そのカヴァー・ヴァージョンのファンになりました。

 「ポンとヴィデオを入れて―そしたら涙があふれてきて―鳥肌が立った」―と。 その頃のレズナーはスランプに陥っていて、そこから脱出する契機の一つになったと語っています。 
 「まるで自分の恋人を失ったような気がした。 その歌はもう自分のものじゃないから、パワフルな音楽がメディアや芸術形式でどうあるべきかを考えさせられた」(中略)「「それが音楽の伝説的人物によって翻訳し直され、そしてまだ誠実さと意味を維持していた。 異なった形で、しかも純粋さはまったく同じくらいに」―と。

 このヴィデオ は2003年MTV Video Music Awardsの「最優秀ビデオ撮影賞」を獲得していますが、ジョニー・キャッシュは同年9月に亡くなりました。 50年代からカントリーやロックの世界でずっと活躍し続けてきた 「Man In Black」(黒服の男)の、それは最後の輝きだったかもしれません。


ジョニー・キャッシュの歌う「Hurt」はこちら

 Nine Inch Nails は「9インチ釘」で約23センチだから、日本の五寸釘(15センチ)の1.5倍の極太釘ということになります。 大した意味は無いみたいですが、勘ぐればキリストの磔(はりつけ)を連想させるかも。
 この曲はプロモーション用に6種類のヴァージョンがあり、ラジオ用は放送禁止用語で引っかかりそうな「crown of shit」(たわ言の王冠)を「crown of thorns」(イバラの冠)と替えてあって、ジョニー・キャッシュはその歌詞で歌っています。

Nine Inch Nails の Hurt 『ハート』を聴く:
(※自動的に再生が始まらない時は、上にある「PLAY」をクリックして下さい)

  ●歌詞と訳詞●

I hurt myself today   俺は今日 自分自身を傷つけてみた
To see if I still feel   俺にまだ感覚があるかどうか 確かめたくて
I focus on the pain   その痛みに 集中してみる
the only thing that's real   それだけが真実で 唯一のもの

The needle tears a hole   針で 穴をひっかく ※
the old familiar sting   それはおなじみの 突き刺すような痛み ※
try to kill it all away   そのすべてを 消し去りたかった
but I remember everything   でも俺は すべてを覚えていた


What have I become?   俺は どうなった?
My sweetest friend   俺の 親友も
Everyone I know   俺の知っている すべては
goes away in the end   結局 立ち去ってゆく ※

You could have it all   お前は そのすべてを持って行ける
My empire of dirt   俺の うす汚れた帝国から ※
I will let you down   俺はお前を ガッカリさせるだろう
I will make you hurt   俺はお前を 傷つけるだろう


I wear this crown of shit (J.C.:thorns)   俺はこの「たわ言」の王冠をかぶり ※
Upon my liar's chair   俺の「嘘つき」の椅子に腰かけ
Full of broken thoughts   デタラメな考えで (頭の中は)いっぱいで
I can not repair   俺は(それを) 修復できずにいる

Beneath the stains of time   「時」の色に染まることにも 値せず ※
the feelings disappears   感覚は 消滅して行く
You are someone else   お前は 他の誰かで
I am still right here   俺はまだ ここにいる


What have I become?   俺は どうなった?
My sweetest friend   俺の 親友も
Everyone I know   俺の知っている すべては
goes away in the end   結局 立ち去ってゆく

You could have it all   お前は そのすべてを持って行ける
My empire of dirt   俺の うす汚れた帝国から
I will let you down   俺はお前を ガッカリさせるだろう
I will make you hurt   俺はお前を 傷つけるだろう


If I could start again   もし俺が また始めることができるなら
a million miles away   100万マイル 離れたところから
I would keep myself   俺は自分自身を 保ち続けよう
I would find a way...   俺は 自分の道を見つけるだろう・・・


※ tears :「引き裂く」、「ひっかく」、「かきむしる」
※ sting :「(蜂などが)チクリと刺す」、「ヒリヒリする」
※ in the end :「結局は」
※ dirt :「(土などで)汚れた」
※ shit :「糞」、「たわ言」など、おなじみの汚い言葉で放送禁止用語でもあるので、ジョニー・キャッシュはラジオ・ヴァージョンの歌詞で「crown of thorns」(イバラの冠:キリストが被せられた)と替えて歌っている。
※ stain :ステイン。「着色する」、「シミが付く」
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テーマ : 洋楽歌詞対訳
ジャンル : 音楽

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昨年まで老母の介護をしていました。 古い記事へのコメントも大歓迎です。
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