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129. The End of the Innocence エンド・オブ・ジ・イノセンス

The End of the Innocence エンド・オブ・ジ・イノセンス : Don Henley ドン・ヘンリー


Alubm : The End of the Innocence
  エンド・オブ・ジ・イノセンス

Released: 1989
Written by: Don Henley (作詞), Bruce Hornsby (作曲)
Produced by: Don Henley , Bruce Hornsby (ブルース・ホーンズビー)

  ドン・ヘンリーについて:
Don Henley
 フリー百科事典『ウィキペディア』  

 ドン・ヘンリー久々のヒット曲で、The Boys of Summer(ボーイズ・オブ・サマー:1984年)のヒットから既に5年が経っていました。

 1982年にイーグルスが解散してからコンスタントにアルバムを発表していたのはグレン・フライで、やはり曲が書ける人はソロになっても強いと思わせる活躍ぶりでした。 ドン・ヘンりーは曲を作る方は苦手みたいで、「ボーイズ・オブ・サマー」はマイク・キャンベル(トム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズのギタリスト)の作曲だし、この曲はブルース・ホーンズビーが書いた曲にドン・ヘンりーが歌詞を付けています。 寡作ながら、どちらもグラミーでは「ベスト・ロック・ボーカル部門」を受賞しました。

 この曲の歌詞にはハッキリとした具体的なことが書かれていないので意味がつかみにくいのですが、どうやらこれから戦場に行く若者と、その彼女の別れの場面が描かれているようです。 二番の歌詞の中に、

For this tired old man that we elected king
我々が王にと選んだ このくたびれた老いぼれのために
―というフレーズは当時のレーガン大統領のことで、レーガン大統領が退いた後でブルース・ホーンズビーは "For the tired old man that is no longer king"(もう王ではない、くたびれた老いぼれのために)―と歌詞を変えて歌ったそうです。 もっともその後のブッシュ親子も同じようなことをやっていて、一向に戦争は無くならないのですが・・・

 この歌詞ではもう一つ父親の失踪が幼い頃のトラウマとなっているようですが、それもおそらくはヴェトナム戦争の犠牲になったと考えるのが自然でしょうか。 具体的なことが書かれていないので推測するしかないのですが、無邪気なおとぎ話の世界で最後は「その後幸せに暮らしましたとさ」―とはならなかった厳しい現実が描かれています。
 広々とした青空や緑の草原という自然は確かに美しいのですが、そこで繰り広げられている愚かな人間の営み「戦争」に出かけて行くということは、イノセンス(罪の無い)の終りという意味がこの歌には込められているのでしょう。 私はそのように解釈して、この歌詞を訳してみました。

 この曲でピアノを弾いているのはブルース・ホーンズビー本人で、間奏で聴かれるソプラノ・サックスはウェイン・ショーターが吹いています。

※オフシャル・ビデオが見られなくなったので、代わりにライブ・バージョンのリンクを貼っておきます。
  ●歌詞と訳詞●

Remember when the days were long   その頃は毎日が長かったことを 覚えている
And rolled beneath a deep blue sky   深く青い空には (白い)雲がたなびき
Didn't have a care in the world   何の心配も無い 世界の中で
With mommy and daddy standing by   パパとママは すぐそばにたたずんでいた

When "happily ever after" fails   「その後ずっと幸せに暮らしました」―とはならなかった時まで※
And we've been poisoned by these fairy tales  ぼくらはそんなおとぎ話に毒されてきたんだ
The lawyers dwell on small details   弁護士たちは細部に至るまで 長々と記載してくれたよ ※
Since daddy had to fly   父さんが 「消え失せた」時からのことを ※

O' But I know a place where we can go   でもぼくは ぼくらが行ける場所を知っている
That's still untouched by man   まだ誰も踏み込んだことの無いところを
We'll sit and watch the clouds roll by   ぼくらは腰掛けて 雲のたなびくのを眺めよう
And the tall grass waves in the wind   そして風に吹かれてなびく 草のさざ波の中で

You can lay your head back on the ground   きみはその頭を 草を枕に寝そべるといい
And let your hair fall all around me   きみの(長い)髪をといて ぼくの周りに巡らし
Offer up your best defense   きみの最高のお守りを 捧げておくれ
But this is the end   でも これでお終(しま)い
This is the end of the innocence   無邪気でいられる時は これでお終いなんだ ※


O' beautiful, for spacious skies   あぁ、何ときれいで、広々とした空だろう
But now those skies are threatening   でも今は そうした空も荒れ模様になってきた ※
They're beating plowshares into swords   皆(平和な)鋤を叩いて (戦争の)剣に作り変える
For this tired old man that we elected king  我々が王に選んだ くたびれた老いぼれのために

Armchair warriors often fail   「肘掛け椅子の戦士たち」は ※ しばしば間違いをしでかすけど 
And we've been poisoned by these fairy tales  ぼくらはそんなおとぎ話に毒されてきたんだ
The lawyers clean up all details   弁護士たちは 細部に至るまで「清算」してくれたよ
Since daddy had to lie   父さんが 「嘘」をつかなければなならなかった時から

O' But I know a place where we can go   でもぼくは ぼくらが行ける場所を知っている
And wash away this sin   この「罪」を 洗い流せるところを
We'll sit and watch the clouds roll by   ぼくらは腰掛けて 雲のたなびくのを眺めよう
And the tall grass waves in the wind   そして風に吹かれてなびく 草のさざ波の中で

Just lay your head back on the ground   きみはその頭を 草を枕に横になるといい
And let your hair spill all around me   きみの髪を振りほどいて ※ ぼくの周りに巡らし
Offer up your best defense   きみの最高の防御を 捧げてくれないか
But this is the end   でも これでお終(しま)い
This is the end of the innocence   罪も無くいられる時は これで終りなんだ

(間奏)  Soprano Saxophone : Wayne Shorter (ウェイン・ショーター)

Who knows how long this will last  こんなこと(戦争)がいつ終わるのかなんて 誰にも判らない
Now we've come so far, so fast   ぼくらはもう こんな遠くまで来てしまった、こんなに急ぎ足で
But, somewhere back there in the dust   でも振り返ればどこか そうした残骸の中に ※
That same small town in each of us   ぼくらの心には 同じように(故郷の)小さな町があるんだ

I need to remember this   ぼくはこのことを 忘れずにいたい
So baby, give me just one kiss   だからベイビィ、 (戦場へ行く前に)一度だけキスしておくれ
And let me take a long last look   そして 最後にじっくりと(その顔を)見せておくれ
Before we say good bye   ぼくらが サヨナラを言う前に

Just lay your head back on the ground   きみはその頭を 草を枕に寝そべるといい
And let your hair fall all around me   きみの(長い)髪をといて ぼくの周りに巡らし
Offer up your best defense   きみの最高のお守りを 捧げておくれ
But this is the end   でも これで終りさ
This is the end of the innocence   何の罪も無しでいられる時は これで終りなのだから


※ "happily ever after" :おとぎ話の最後の決め文句。「その後ずっと幸せに暮らしましたとさ」とか、日本なら「めでたし、めでたし」という感じ。
※ dwell :「長々と話す(書く)」
※ had to fly :この「fly」には「逃げる」や「消え去る」などの意味もあるが、おそらく父親は(ベトナム)戦争で死んだものと思われる。 この歌詞には、随所に戦争批判が垣間(かいま)見られるので。
※ innocence :「無邪気」、「純潔」、「潔白」、「無罪」、「単純」
※ threatening :荒れ模様の、危険な、脅す
※ Armchair warriors :実戦経験も無いのに、「机上の空論」を振り回す士官学校出の軍人などを指す。
※ plow-share :鋤(すき)の刃
※ spill :(液を)こぼす、(血を)流す。 1番のフレーズの「your hair fall」とそこだけ違うが、いずれにしても髪の毛に使う表現ではなさそう。
※ in the dust には「死んで」や「屈辱を受けて」といった意味もある。

記事編集

テーマ : 洋楽歌詞対訳
ジャンル : 音楽

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非公開コメント

ありがとうございます。

はじめまして。
事後になり失礼しますが、
貴ブログをご紹介させていただきました。
ありがとうございます。
今後ともよろしくお願いいたします。

sarnoさん、こんにちは

最近はほとんどコメントが付かず、誰も読んでいないと思っていた拙ブログですが、こうして反応があると「もう少し続けてみようかな」―いう気になります。
記事へのリンクならご自由にどうぞ。 もっとも、読んでくれる人がいるとも思えませんが・・・

コメントありがとうございました。 こちらこそ、どうぞよろしく。

No title

素晴らしい翻訳ありがとうございます。
昨今のネットの大普及によって英語は喋れなくても読む事は出来るという
若者は増えていきました。
しかし、こういうメタファーやレトリックを使い更に哲学的な(あえて文学)は
まだまだ理解する事が難しいですね。

職場で落ち込んでいる部下に、このブログを紹介しました。
彼なりに何かを感じたようです。

彼は言いました。
「日本には俳句という世界一短い文学を作った民族なのに、、、、」

Re: No title

現在は仕事の方が忙しく、このブログは開店休業状態なので、こうしてコメントでも付かないと開くこともなくなりました。
でもお陰さまで曲のリンク切れに気が付いたので、代りにYouTubeを貼っておきました。

洋楽にはこうした社会問題を歌ったものが多いのですが、英語の苦手な方のために拙い訳詞を付けているので、それがどなたかのお役に立ったのであればやった甲斐があったというものです。
コメントどうもありがとうございました。

No title

こんにちは。詳しい解説が良かったです。

Re: No title

どうもありがとうございます。
解説がお役に立って何よりです。

懐かしく、そして新たな発見

たまたま、20年ぶり?突然この曲が流れ、あれはドンヘンリーで、清々しい楽曲だったが、歌詞は何だったのだろう?まだ若く、歌詞のことなどよく考えていなかったころ。今、改めて歌詞を知りたいと思いここへたどり着きました。ありがとうございました!

解説はとても英語の勉強になりました!御礼まで

No title

こんばんは、
1989年の鈴鹿8耐NHK特集のOPに使われていた曲でしたが
曲名のクレジットが無く、youtubeのそのシーンでも音が消されていて
名前がわからず、最近ようやくそのyoutubeに曲名がクレジットされていて
27年間ぶりに今日、ようやくこの曲だとわかり感激です
そして歌詞も読みたく探したところ、このように素敵な解説のあるサイトに
たどり着き、ほんとうに嬉しいです
ありがとうございました

Re: No title

鈴鹿8時間耐久レースの番組でこの曲が使われていたとは知りませんでした。
鈴鹿サーキットには若い頃に東京からモンキーという小さなオートバイで箱根の山を越え、モトクロスのレースを見に行ったことがあるので懐かしい気がします。

タイトルも分からない曲があるとずっと気になって仕方のないものですが、それがやっと分かった時はうれしいものですね。
訳詞がお役に立ったのなら何よりでした。
コメント、どうもありがとうございます。
プロフィール

Sumi Haruo

Author:Sumi Haruo
昨年まで老母の介護をしていました。 古い記事へのコメントも大歓迎です。
※記事へのリンクは自由ですが、対訳はあくまでも私個人の解釈なので、訳詞の転載はお断りいたします。
訳詞を掲載したい場合は、記事へのリンクを貼るという形にして下さい。

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