97. Get It On ゲット・イット・オン

(Bang a Gong) Get It On ゲット・イット・オン : T.Rex T・レックス


(Bang a Gong) Get It On
Alubm : Electric Warrior
Electric Warrior
  Ultimate Collection
Ultimate Collection

Released: 1971
Written by: Marc Bolan (マーク・ボラン)
Produced by: Tony Visconti (トニー・ヴィスコンティ)

  T・レックスについて:
Marc Bolan (マーク・ボラン)
 フリー百科事典『ウィキペディア』  

 1970年はビートルズやサイモン&ガーファンクルが解散して一つの時代が終わったと同時に、新しいものが始まった年でもありました。 ビートルズは様々な音楽の可能性を広げてくれただけでなく、ギターを抱えて歌うだけで富と名声が得られるという夢を多くの若者に与え、音楽がビジネスとして大きな産業となり、様々なジャンルの音楽が生まれました。
 今回のT.Rex はglam rock (グラム・ロック)と呼ばれ、派手な衣装と当時はめずらしかった男がメイクすることでヴィジュアル面で注目されることが多かったのですが、40年近く経った今でも残っているのはその独特なサウンドの方です。

 T.Rex は最初 Tyrannosaurus Rex (ティラノザウルス・レックス)と名乗っており、Marc Bolan (マーク・ボラン)もアコースティック・ギターを抱えて歌っていました。 でもギターをエレクトリック・ギターに持ち替え、名前を T.Rex と短くした頃から人気が急上昇し始めます。
 T.Rex はほとんどマーク・ボランの一人ユニットという感じで、「コードが三つくらいしかない」―とか言われてはいましたが、特異な歌詞や独特なギターのリフで、他には無いサウンドを構築していました。 マーク・ボランはそれまでのロックにはない中性的なキャラクターで、「ロック=男性的」という硬派なイメージは微塵もなく、当時は特に女性に人気があった気がします。

 この曲はT.Rex の人気を決定付けた Electric Warrior(邦題:「電気の武者」)
Electric Warrior
というセカンド・アルバムに収録されていたナンバーです。 アメリカでは「Bang a Gong」というタイトルになっていてこの曲しかヒットしなかったようですが、英国では「Jeepster」(ジープスター)もチャートの2位に上がるヒットになりました。

 そして続くサード・アルバムの The Slider (ザ・スライダー)
The Slider
からは 「Metal Guru」(メタル・グルー)や 「Telegram Sam」(テレグラム・サム)が英国チャートでナンバー・ワンとなります。 当時は元ビートルズのリンゴ・スターがマーク・ボランに惚れ込んでいて、このアルバムのジャケット写真もリンゴが撮影したものです。
 Metal Guru」(メタル・グルー)」 はこの曲と同じくらい好きな曲で、私はLPとシングルの両方を持っていましたが、当時のシングル・レコードに書かれていたキャッチ・コピーが「全身全霊がギンギラギンにシェイクするT.レックス ! またもナンバーワンの大ロックンロール!」―という、時代を感じさせるものでした。

 カッコよかったマーク・ボランも終りの頃になるとオカマみたいになってしまい、熱狂的だったファンでさえも幻滅して段々と離れ始め、自ら「グラム・ロックは終わった」―と勝手に終了宣言をして幕を引いてしまいます。 それ以来すっかり忘れられていた1977年の9月16日、二週間後の9月30日には30歳になるという時に自動車事故で他界してしまいました。
 その日は奇しくもオペラ歌手のマリア・カラスが亡くなった日でもあり、新聞各紙は一面記事でマリア・カラスの訃報を報じていましたが、マーク・ボランに対しては三面記事の片隅に小さく掲載されていたのも当時のロックの置かれた立場をよく表していたと思います。 記事の内容も「マーク・ボラン氏(ロック歌手・30歳)は奥さんの運転する車の助手席から外に放り出され・・・」―という、いい加減なものでした。 
(実際は愛人のGloria Jones が運転する紫のMini 1275GT の助手席に乗っていて、コントロールを失った車が街路樹に激突しボランは即死。 入院していたグロリア・ジョーンズはボランの葬儀の日まで、その死を知らされなかったとか。 二人ともシート・ベルトはしていなかった。)

 その死から8年後の1985年に、Power Station (パワー・ステーショーン)がこの曲をカヴァーしてリヴァイバル・ヒットさせています。 「パワー・ステーショーン」というユニットはシンガーのロバート・パーマーがデュラン・デュランのギタリストであるアンディ・テイラーやベーシストのジョン・テイラーらと組んだスーパー・グループということですが、音の方はあまり感心できません。 でも T.Rex に再びスポット・ライトを当てる結果にはなったし、一応リンクを貼っておきますのでご自分の耳で聴き比べてみて下さい。
→  Power Station (パワー・ステーショーン)の Get It On(ゲット・イット・オン)を聴いてみる:

 T.Rex の歌詞は当時のロンドンっ子にも意味がよく判らないといった代物で、それを日本語に翻訳するのは無謀というものですが、面白いので試しにやってみました。 要は言葉がリズムに乗ればよい訳で、あまり難しく考えない方が頭のためにはよろしいかと思います。
 【余談ですが、バック・ヴォーカルで女性コーラスのように聞える声の主は、タートルズ のヴォーカリストであったハワード・ケイランとマーク・ヴォルマンの二人がファルセット(裏声)で歌っているものとか・・・】

Get It On 『ゲット・イット・オン』を聴く:
(※自動的に再生が始まらない時は、上にある「PLAY」をクリックして下さい)

  ●歌詞と訳詞●

Well, you're dirty and sweet   そう、きみは汚くて そしてきれい ※
Clad in black   漆黒を 身にまとい
Don't look back   振り返らない ※
And I love you   きみを 愛しているよ
You're dirty and sweet   きみは みだらで そして可愛らしい
(Oh yea)

Well, you're slim and you're weak   そうさ、きみはスリムで 弱々しいけど
You got the teeth   きみには 牙(きば)がある
Of the Hydra upon you   きみに絡(から)みつく ハイドラ(※)の(毒牙が)
You're dirty sweet   きみは 汚くて きれい
And you're my girl   そしてきみは ぼくの彼女

Get It On   さあ 行こうぜ
Bang a gong   (開始の)ゴングを 鳴らそう
Get It On   始めようぜ

Get It On   さあ いってみよう
Bang a gong   ゴングを 鳴らせ
Get It On   (スイッチを)「ON」にしようぜ ※

You're built like a car   きみって 自動車みたいな体形をしてるね
You got a hubcap   きみは ホイール・キャップを付けて
Diamond star halo   ダイヤモンド星の ヘィロゥ(輝き・後光)を放つ
You're built like a car   きみって 車のような体形をしてるね
(Oh yeah)

You're an untamed youth   きみは 飼いならされていない 若者
That's the truth   それは 本当のことさ
With your cloak full of eagles   鷲(の紋章?)でいっぱいのマントを着て
You're dirty sweet   きみは 汚くて優しい
And you're my girl   そう きみは ぼくの彼女

Get It On   さあ 行こうぜ
Bang a gong   (開始の)ゴングを 鳴らそう
Get It On   始めようぜ

Get It On   さあ いってみよう
Bang a gong   ゴングを 鳴らせ
Get It On   (スイッチを)「ON」にしようぜ

Well, you're windy and wild   きみは風のようで 野性的
You got the blues   きみは ブルース(熱)を帯びている
I'm your shoes and your stockings   ぼくはきみの靴 きみのストッキングさ
You're windy and wild   きみは風のようで 野性的
(Oh yeah)

You're built like a car   きみって 車みたいな体形をしてるね
You got a hubcap   きみは ホイール・キャップを付けて
Diamond star halo   ダイヤモンド星の ヘィロゥ(輝き・後光)を放つ
You're dirty sweet   きみは みだらで きれいだ
And you're my girl   そう きみは ぼくの彼女

Get It On   さあ 行こうぜ
Bang a gong   (開始の)ゴングを 鳴らそう
Get It On   始めようぜ

Get It On   さあ いってみよう
Bang a gong   ゴングを 鳴らせ
Get It On   (スイッチを)「ON」にしようぜ

(間奏)

Well, you're dirty and sweet   そう、きみは汚くて そしてきれい
Clad in black   漆黒を 身にまとって
Don't look back   振り返らない
And I love you   きみを 愛しているよ
You're dirty and sweet   きみは みだらで そして優しい
(Oh yea)

Well, you dance when you walk   そう、きみが歩く時 きみは踊る
So let's dance    だから 踊ろう
Take a chance   チャンスを つかもう ※
Understand me   ぼくを 理解して
You're dirty sweet   きみは みだらで かわいらしい
And you're my girl   そう きみは ぼくの彼女

Get It On   さあ 行こうぜ
Bang a gong   (開始の)ゴングを 鳴らそう
Get It On   始めようぜ

Get It On   さあ いってみよう
Bang a gong   ゴングを 鳴らせ
Get It On   (スイッチを)「ON」にしようぜ 

Get It On   さあ 行こうぜ
Bang a gong   (開始の)ゴングを 鳴らせ
Get It On   始めようぜ・・・


※ シェークスピアの「マクベス」に出てくる魔女たちのセリフ、「Fair is foul,and foul is fair」(きれいは汚い、汚いはきれい)―みたいである。
※ black と back を並べて、韻を踏んでいるだけ。
※ Hydra :「英:ハイドラ」はギリシャ神話に出てくるレルネに住むヒュドラ(水蛇)のこと。 頭がいっぱいあって切ると二つの頭が生えてくるという怪物。 口から毒気を吐き、その牙には牛も殺すほどの毒がある。 ヘラクレス( 英:ハーキュリーズ)に退治された。 ヘラクレスの矢の鏃(やじり)には、その猛毒が塗られていたという。
※ Get It On :何かを始める(オンにする)ということだが、性的な行為を始めるというニュアンスもあるかと・・・ まあこの歌詞は深く考えない方が、頭のためにはよろしいでしょう。
※ dance と chance で韻を踏んでいるだけ。
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テーマ : 洋楽歌詞対訳
ジャンル : 音楽

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このギターのリフは、一度聞くと何日か頭の中でグルグルまわって止まらなくなります。
ちょっと不良っぽくて怪しげなのに、シンプルで、大好きな曲です!
歌詞がこれまた言葉遊びみたいで楽し~い。
韻を踏んでるところとか、詳しい解説ありがとうございます。



T.Rex は今でこそある程度評価されていますが、当時は「コードが二つか三つしかない」とか言われて、ごく一部の若者たちに人気があるだけでした。 でも今聴くとあまり古さを感じさせないから不思議です。 もう40年くらい前の曲になりますが・・・

この曲に限らず、T.Rex の歌詞は意味不明のものが多いので、とてもまともな訳にはなりません。 一応訳してはみましたが、私自身いまだに良く分からないという代物です。 T.Rex の場合リズムに乗れればそれでいいので、あまり難しく考える必要もないでしょう。

No title

Sumiさま

jmcmyです

T-Rexを私はリアルタイムでは知りません
高校の時にFMで彼らを知り、速攻でベスト盤を購入しました
その頃はマークは故人でした

自分で予言した30歳前に死ぬ しかも紫のミニクーパーで
わけもなく、それだけでカッコイイと思いました 高校生は

オカマみたいになったマークを知らなくてよかったように思います
ベストなんか聴くと、後期の曲はそう言えば大仰になっていったようにも思えます

初期の頃のBoogieっぽいスカスカな作りの曲がいいですね
この曲もそうだし、テレグラムサムもそう 

ジムモリソンとかジミヘンとかに憧れて、30歳前に自分は死にたいなと思って
いましたが、今や○回目の年男

ムダ(?)に年輪を重ねました

Re: No title

T-REX は40年以上前にヒットしていたので、リアル・タイムで聴いていた人は少ないでしょう。
その頃日本に来てTVに出ていたのを見たことがありますが、当時としてはめずらしいメイクをしていて、なかなか格好良かったです。

若い頃に亡くなったミュージシャンは格好良く見えますが、永遠に若いままで歳をとらないということもあるでしょう。
私も若い頃はそうした人たちに憧れたこともありましたが、今は歳を重ねても現役で頑張っている人たちが好きです。
コメント、ありがとうございました。
プロフィール

Sumi Haruo

Author:Sumi Haruo
昨年まで老母の介護をしていました。 古い記事へのコメントも大歓迎です。
※記事へのリンクは自由ですが、対訳はあくまでも私個人の解釈なので、訳詞の転載はお断りいたします。
訳詞を掲載したい場合は、記事へのリンクを貼るという形にして下さい。

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