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93. How Can a Poor Man Stand Such Times and Live?

How Can a Poor Man Stand Such Times and Live? 貧しい男が生きるには / プア・マン : Ry Cooder ライ・クーダー

 ライ・クーダーの記念すべきデビュー・アルバムから、これはアルフレッド・リードの名曲のカヴァーです。


Alubm : Ry Cooder
Ry Cooder
  ライ・クーダー・ファースト
ライ・クーダー・ファースト
 (試聴可)
Released: 1970
Written by: Alfred Reed (アルフレッド・リード)
Produced by: Van Dyke Parks , Lenny Waronker

  ライ・クーダーについて:
Ry Cooder
 フリー百科事典『ウィキペディア』  

 この前年の1969年に当時22歳のライ・クーダーはイギリスに渡ってミック・ジャガーと出会い、ローリング・ストーンズの名盤と言われる「Let It Bleed」(レット・イット・ブリード)のセッションにスライド・ギターやマンドリンで参加しています。 (もっとも若きライ・クーダーは斬新なフレーズを惜しみなく弾きまくって、それを後からストーンズにパクられたりとか、あまり良い印象は残っていないようですが・・・)

 このファースト・アルバムからサード・アルバムにかけてライ・クーダーはアメリカの不況時代の音楽を取り上げていて、初めての方には暗いしお勧めできません。 私自身、最初にレコードを聴いた時には正直「なんじゃ、こりゃ?」―と思ったからです。 でも聴いているうちに少しずつ入り込んで行きました。

 ライ・クーダーは登場した頃から ウディ・ガスリーレッドベリー といったアメリカのルーツ・ミュージックを取り上げて歌っていて、最初から古いことをやっていたせいか、時が経ってもあまり古さを感じさせません。
 同じようにウディ・ガスリーに傾倒していたボブ・ディランとは少しタイプが違い、ライ・クーダーはアメリカン・フォーク・ミュージックなどの古い曲を掘り起こしては、それを新しい感覚でアレンジして聴かせてくれました。 ギターの他にマンドリンや多くの弦楽器を弾きこなし、歌えるギタリストとしても知られています。 ヒット・チャートにはかすりもしませんでしたが・・・

 この曲はシングル・カットはされていませんが、その後 ショー・タイム(チキン・スキン・レヴュー)
Show Time
というライヴ・アルバムでも取り上げています。 アコーディオンのフラーコ・ヒメネスたちとプレイしていて、こちらはテックス・メックス(テキサスとメキシコの国境辺りで、ヒスパニック系の人たちによって演奏されている音楽)風のアレンジで聴かせてくれます。
 今回のヴァージョンではイントロのフィドルと、間奏で聴かれるスライド・ギターの妙技をお楽しみ下さい。

Ry Cooder 01


"Blind" Alfred Reed
Alfred Reed (1920年:写真中央40歳の頃)
(アルフレッド・リード)の物語:
 アルフレッド・リード(1880-1956)はアパラチア山脈の村で暮らしていたプアー・ホワイト(貧しい白人)で、ブラインド(盲目)だったこともあり成人してもこれといった仕事がありませんでした。 リードの祖父はフィドル(ヴァイオリンやヴィオラの総称)の名手として知られていて、音楽好きだったリードは来る日も来る日も曲を書き続け、そうして出来上がった曲を家の外やポーチに出て歌い始めました。
 彼のギターの調べと歌は少しずつ村の人々を惹き付け、やがて村の人たちは一日の疲れを癒すためにリードの家に集まるようになり、わずかながらもお金をもらえるようになります。 そうしてリードは Fred Pendleton (写真左)など他の音楽仲間と組んで、職業歌手として生計を立てるようになりました。

 そうこうしているうちに、リードにレコーディングの機会が訪れます。 いつでも彼の歌を聴いていたいと思った村の人たちがレコーディングすることを勧め、村から一番近い町にあるスタジオで録音が行われました。 それが今回取り上げたこの曲と、ライ・クーダーの名作 チキン・スキン・ミュージック
チキン・スキン・ミュージック
でハワイアン風のアレンジでカヴァーされた Always Lift Him Up (いつも優しく) だったのです。
 そのレコードは当時1枚10セントだったようですが、村のストアに並んでも売切れるまでに1時間とかからず、その後再プレスされても品切れ状態が続くほどの人気だったそうです。

 けれどもそうした恵まれた時期も長くは続きませんでした。 1929年にアメリカを襲った大恐慌の嵐で真っ先に打撃を蒙(こうむ)ったのは、リードのように貧しく安定した仕事の無い人たちだったからです。 リードが街角に立って歌っても、ニッケル(5セント)硬貨1枚得られないという日々が続き、やがて警官がそうした人たちを町から追い出し始めました。
 それから26年後の1956年にリードは息を引き取ります。 彼の後には、ビクターのレコードだけが残りました。  (Swetch : 1988. APR. Vol.6 No.2 より抜粋) 

How Can a Poor Man Stand Such Times and Live? 『プア・マン』を聴く:
(※自動的に再生が始まらない時は、上にある「PLAY」をクリックして下さい)

  ●歌詞と訳詞●

Well, the doctor comes around   医者が やってくる ※
With his face all bright   晴れやかな顔をして
And he says   そして 奴が言うには
"In a little while you'll be alright"   「しばらくすれば 良くなりますよ」って
All he gives is a humbug pill   奴の与えるのは全て まやかしの飲み薬で ※
A dose of dope and a great big bill   (痛みをごまかす)麻酔薬を打ち 巨額の請求書を切る
Tell me, how can a poor man -   まったく、貧しい者はどうやって ※
Stand such times and live?    こんな時に耐え、生きて行けるんだ?


Well,there once was a time   かつては そんな時代もあったさ
When everything was cheap   全ての物が 安かった時が
But now prices   でも 現在の物価ときたら
nearly puts a man to sleep   ほとんど 人を殺してしまうほどだ ※
When we get our grocery bill   俺たちが 食料雑貨の勘定書を渡される時
We just feel like making our will   俺たちは 遺言状を作りたくなる気分だぜ
Tell me, how can a poor man -   そうだろ、貧しい者はどうやって
Stand such times and live?    こんなご時世を我慢し、生きて行けるんだ?

(間奏)

Prohibition's good   禁酒法とは ご立派なことさ ※
If this conducted right   もしそれが 正しく管理されたものならな
There's no sense in shooting a man   人を撃つことに 奴らは無感覚で
'til he shows flight   奴は(相手が)逃げるのを 見届けるまで(打ちやがる)
Officers kill without a cause   役人(警官)は 理由も無しに人を殺すんだ
They complain about funny laws   みんな この奇妙な法律については不満だらけさ
Tell me, how can a poor man -   本当に、貧しい者はどうやって
Stand such times and live?    こんな時代に耐え、生きて行けるんだ?


※ comes around :「ぶらりとやってくる」、 「立ち寄る」といったニュアンス。 たのまれてやってくるのではない。
※ humbug :「いんちき」、「ペテン」、「ごまかし」、「ペテン師」など。
※ tell me :直訳すると「私に話してくれ」で、転じて「教えてくれ」となるが、単に話し始めるキッカケで使うこともある。 「信じたくないけど」、「嘘だろ?」、「無理だよ」といった意味合いもあり、「Tell me about it」だと「そうだよね」とか「本当に」といった相手に同意を求めるフレーズにもなる。
※ put to sleep : 眠らせることだが、婉曲に「殺す」という意味にもなる。「奴を眠らせてやれ」といったような感じ。
※ prohibition :酒類醸造販売禁止; (米国の)禁酒法時代 (1920‐1933)。 かえって密売やマフィアがはびこる結果となり、悪法として歴史に名を残す。

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テーマ : 洋楽歌詞対訳
ジャンル : 音楽

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昨年まで老母の介護をしていました。 古い記事へのコメントも大歓迎です。
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