418. Hard Times ハード・タイムス

Hard Times (Come Again No More) ハード・タイムス : Syd straw

シド・ストロー1989年のデビュー・アルバムから、フォスターの名曲を歌ったこのナンバーを採り上げてみました。 ライ・クーダーのギター・プレイも聴くことができます。


Surprise
Album : Surprise
  サプライズ (廃盤)

Released: 1989
Written by: Stephen Foster (1854)
Produced by: Syd Straw, Van Dyke Parks
 Syd Straw について:
Syd Straw
 フリー百科事典『ウィキペディア』

今から160年も前、スティーブン・フォスターによって書かれたこの曲は多くの人によって歌われ続けてきましたが、詳しいことは283回目に書いているのでここでは省略します。

今回この曲を改めて採り上げたのは、シド・ストローという人を紹介したかったのと、バック・ミュージシャンの演奏が素晴らしいからです。
ライ・クーダー(G)、ジム・ケルトナー(Dr)、ヴァン・ダイク・パークス(Key)、ホルヘ・カルデロン(B)と、ライ・クーダーが1988年に来日した時と同じメンバーが集まっています。 シド・ストローはヴァン・ダイク・パークスのところでバックを務めていたことがあるそうで、この曲もおそらくはヴァン・ダイク・パークスがメンバーを揃えてくれたのでしょう。

アルバムではリチャード・トンプソンがギターで2曲に参加しているし、かつて一緒にやっていたこともあるR.E.M.のマイケル・スタイプが1曲、ギタリストのマーク・リボーも1曲、アルバムの最後の曲はブライアン・イーノの自宅でダニエル・ラノアも参加してのレコーディングとなっています。  どちらかというと参加ミュージシャンの名前ばかりが目立ってしまったファースト・アルバムですが、セカンド・アルバムではそうした人たちに頼らず、しっかり自分の音楽をロックしていました。

フォスターの原曲は4番まで歌詞があるのですが、大抵の人は短くまとめているし、ここでも歌っているのは2番までで、歌詞も少し変えてあります。 


Syd straw (シド・ストロー) : Lead vocals
Ry Cooder (ライ・クーダー) : Acoustic Guitar
Jim Keltner (ジム・ケルトナー) : Drums
Van Dyke Parks (ヴァン・ダイク・パークス) : Piano
Jorge Calderon (ホルヘ・カルデロン) : Bass
Sid Page : Violin
Tommy Morgan : Harmonica
John Doe : Harmony vocals

Grooveshark で、Hard Times 『ハード・タイムス』を聴く: (7:00)

  ●歌詞と対訳●

[1]
Let us pause in life's pleasures
   人生の歓びの中にいても、 それを一時忘れて

And count its many tears
   これまでに流された 多くの涙の数をかぞえてみよう

while we all sob sorrow with the poor
   貧しさと悲しみの中で 人々が泣いていた時のことを

There's a song that will linger forever in our ears
  それは私たちの耳に ずっと鳴り響いている一つの歌

Oh, hard times come again no more.
  「あぁ、つらい時なんて もう二度と来ないで」、と

(Chorus)
It's a song and a sigh of the weary
  それは疲れた人たちが漏らす ため息の歌

Hard times, hard times, come again no more.
  つらい時、困難な時なんて、二度と来ないで、と

Many days have you lingered around my cabin door
  何日も 小屋の戸口の周りで鳴り響いていた

Oh, hard times come again no more
  「あぁ、つらい時なんて もう二度と来ないで」、と

(間奏)

[2]
While we seek mirth and beauty
   私たちが歓楽や 美しい人を捜して

And music bright and gay
   明るい陽気な音楽を 求めている間にも

There are frail forms fainting round the door
  戸口では 弱った人が倒れかけている

Though their voices are silent
   彼らは 声には出さないけれど

Their fading looks will say
  彼らの消え入りそうな様子は こう言っているようだ

Oh, hard times come again no more
  「あぁ、苦しい時なんて もう二度と来ないで」、と

(Chorus)
It's a song and a sigh of the weary
  それは疲れた人たちが漏らす ため息の歌

Hard times, hard times, come again no more.
  つらい時、困難な時なんて、二度と来ないで、と

Many days have you lingered around my cabin door
  何日も 小屋の戸口の周りで鳴り響いていた

Oh, hard times come again no more
  「あぁ、つらい時なんて もう二度と来ないで」、と

(間奏)

(Chorus)
It's a song and a sigh of the weary
  それは疲れた人たちが漏らす ため息の歌

Hard times, hard times, come again no more.
  つらい時、困難な時なんて、二度と来ないで、と

Many years have you lingered around our cabin door
  何年も 小屋の戸口の周りで鳴り響いていた  

Oh, hard times come again no more
  「あぁ、つらい時なんて もう二度と来ないで」、と

(間奏)

No more hard times.  つらい時なんて もういや

No more hard times.  苦しい時なんて もうたくさん

No more hard times...  つらい時期なんて もうやめて・・・


※ pause: ポーズ、中断、一時停止する。 一息つく。
※ life's (simple) pleasure: 人生の(ささやかな)喜び。
※ sob: すすり泣く、呻(うめ)く、むせび泣く。 原文では"sup"(夕食を摂る)です。
※ hard time: つらい時期、苦境の期間、難局、不景気。
※ no more: これ以上~しないで、 もう~しないで。 もうたくさんだ。

※ mirth: 歓楽、歓喜、笑い、浮かれ騒ぎ。
※ beauty: 美しい人、美人、美女。
※ gay: 「陽気な」や「快活な」の古い表現。
※ fading: 衰退、消えかける、色あせる。 原文では"pleading"(訴えるような)。 

テーマ : 洋楽歌詞対訳
ジャンル : 音楽

417. Seven Days セブン・デイズ

Seven Days セブン・デイズ : Ron Wood ロン・ウッド

ロン・ウッド1979年のソロ・アルバムから、ボブ・ディランの作ったこの曲を採り上げてみました。


Japanese EP
Album : Gimme Some Neck
  ギミ・サム・ネック

Released: April 1979 (Album)
Written by: Bob Dylan (ボブ・ディラン)
Produced by: Roy Thomas Baker
  ロン・ウッドについて:
Ron Wood
 フリー百科事典『ウィキペディア』

前回エリック・クラプトンの時にこの曲について少し触れましたが、これは元々クラプトンのレコーディングのためにボブ・ディランが提供した新曲の一つでした。 でもクラプトンがこちらはパスしたので、その時レコーディングに参加していたロン・ウッドが代わりに歌わせてもらったという経緯(いきさつ)があります。 
確かに当時のエリック・クラプトンのイメージには合わなかったかもしれませんが、クラプトンのギターとヴォーカルのヴァージョンもあるなら聴いてみたい気もします・・・

ロン・ウッドはガラガラ声だし、ギターもそんなに上手という訳ではありませんが、味があって個人的には割りと好きです。 ローリング・ストーンズに居てもバック・コーラスくらいしか歌わせてもらえないから、時々こうしてソロ・アルバムを出したりするのでしょう。 
音楽の他に絵も得意で、このアルバム・ジャケットも自分で描いています。 アルバム・タイトルの"gimme"は"give me"を詰めた形、"neck"は「首」(ギターのネックも含む)の他に「(首に)抱きつく」や「愛撫する」という意味もありますから、その両方に掛けているのでしょう。
「ちょっとでいいから抱きしめてくれ」、あるいは「(ギターの)ネックを数本くれないか」(?)、です。

このアルバムが出た当時、何かの雑誌でキース・リチャーズが「山のてっぺんから地上に向けてロケットを発射する奴があるかい」―みたいな意味不明の発言をしていたのを読んだことがありました(昔の記憶で確かではありませんが)。 それでもキース・リチャーズを始めとするストーンズのメンバーもこのアルバムに参加していますし、キースはこの曲でバック・ヴォーカルを務めています。

ロン・ウッドはフェイセズ時代の曲で、"Ooh La La"(「ウー・ラ・ラ」:293回目)を採り上げたことがありました。 特に1988年にボ・ディドリーと一緒にやった"Live at the Ritz" ( ライブ・アット・リッツ)のヴァージョンが好きです。 ゴキゲンなナンバーなので、聴いてみて下さい。

この曲はボブ・ディランの歌詞らしく随所で韻(いん)を踏んでおり、言葉のあそびみたいな歌詞が並んでいますが、日本語に訳してしまうとその面白さが消えてしまうので、対訳である程度の意味が分かったら、なるべく原文の言葉のリズムを楽しむようにして下さい。 


Ron Wood (ロン・ウッド) : Vocals, Guitar, Pedal Steel Guitar
Mick Fleetwood (ミック・フリートウッド) : Drums (フリートウッド・マック)
Ian McLagan (イアン・マクラガン) : Organ (元フェイセズの仲間)
Keith Richards (キース・リチャーズ) : Backing Vocals (ローリング・ストーンズ)

Grooveshark で、Seven Days 『セブン・デイズ』を聴く: (4:11)

  ●歌詞と対訳●

Seven days, seven more days she'll be comin'
  七日も、 七日もすれば彼女は戻ってくるだろう

I'll be waiting at the station for her to arrive
  俺は駅で 彼女の到着を待っているんだ

Seven more days, all I gotta do is survive.
  七日もの間、 俺にできるのは 何とか生き延びることだけ


She been gone ever since I been a child
  彼女が去ってからずっと 俺は(まるで)子供みたいだ

Ever since I seen her smile,
  彼女の微笑を見てからというもの 俺はずっと、

I ain't forgotten her eyes.
  彼女の瞳が 忘れられないんだ

She had a face that could outshine the sun in the skies.
  彼女の顔は 太陽が青空の中で最も光り輝いているようなものだったから

(Chorus)
There's kissing in the valley,
  そいつは ヴァリー(谷間)で交わしたキス

Thieving in the alley,
  (街の)アーリー(路地裏)では 窃盗があり、

Fighting every inch of the way.
  路上にあっては 至るところで喧嘩してるけど

Trying to be tende with somebody I remember
  俺が忘れられずにいるその人には 優しくあろうと努めてる

In a night that's always brighter in the day.
  夜でも常に 昼間よりも明るいんだ 

(間奏)

Seven days, seven more days that are connected
  七日も、 七日もの間(気持ちが)繋がり合っている

Just like I expected, she'll be comin' on forth,
  ただ俺の期待みたいなものだけど、彼女は急いで戻って来るだろう

My beautiful comrade from the north.
  俺のきれいな相棒が 北からやって来るんだ

(間奏)

I been good, I been good while I been waitin'
  俺なら大丈夫、 (彼女を)待ち続けている間は大丈夫なのさ

Maybe guilty of hesitatin', I just been holdin' on
  そんな躊躇(ためら)いは 罪なことさ、 俺はただ何とか持ちこたえているだけ

Seven more days, all that'll be gone.
  七日もすれば、 それで全てはお終(しま)いさ

(Chorus)
There's kissing in the valley,
  そいつは ヴァリー(谷間)で交わしたキス

Thieving in the alley,
  (街の)アーリー(路地裏)では 窃盗があり、

Fighting every inch of the way.
  路上にあっては 至るところで喧嘩してるけど

Trying to be tende with somebody I remember
  俺が忘れられずにいるその人には 優しくあろうと努めてる

In a night that's always brighter in the day.
  夜でも常に 昼間よりも明るいんだ

(間奏)

Seven days, seven days she'll be comin'
  七日も、 七日もすれば彼女は戻ってくるだろう

I'll be waiting at the station for her to arrive
  俺は駅で 彼女の到着を待っているんだ

Seven more days, all I gotta do is survive.
  七日もの間、 俺にできるのは何とか生きていることだけ

Seven more days, all I gotta do is survive.
  七日もの間、 俺にできるのは何とか生きていることだけ

Seven more days, all I gotta do is survive.
  七日もの間、 俺にできるのは何とか生きていることだけ・・・

(以下、繰り返し)



※ arrive: 着く、到着する。
※ survive: 1.生き延びる。 2.(困難な状況で)何とかやって行く、どうにか生きて行く。
 ("arrive" と "survive" を並べて韻を踏んでいる)
※ ever since: その後ずっと。
※ outshine: 1.~より光り輝く。 2.~より勝る、~より優れている。

※ thieving: 窃盗、(物を)盗むこと。 (これも"fighting", "trying" で韻を踏んでます)
※ every inch of ..: ~の至るところで。

※ connect: 1.つながる、接続する。 2.【米俗】気持ちが通じる。
※ expect: 期待する、予期する。 (これも"connect" と "expect" で韻を踏んでいます)
※ on forth: VCR on forth で「ビデオ(テープ)を早送りする」だから、「急いで」くらいの感じで訳しておきました。
 次の"from the north"と並べて韻を踏んでいますが、日本語に訳すと意味が無くなりますね・・・
※ comrade: 仲間、同僚。 同士。

※ guiltiy: 罪な、やましい、後ろめたい。
※ hesitating: ためらう、躊躇する、決心のつかない。
※ hold on: 持ちこたえる、踏ん張る。
※ that'll be ..: それで~です。 
 that'll be all / that'll be it: それでおしまいです。
 (that'll be fine / that'll be good: それでいいです) 

テーマ : 洋楽歌詞対訳
ジャンル : 音楽

416. Sign Language サイン・ラングウィッヂ

Sign Language サイン・ラングウィッヂ : Eric Clapton feat. Bob Dylan

エリック・クラプトン1976年のアルバムから、ボブ・ディランとのデュエット曲を選んでみました。 ロビー・ロバートソン(ザ・バンド)のギター・ソロも楽しめます。


No Reason to Cry
Album : No Reason to Cry
  ノー・リーズン・トゥ・クライ

Released: August 1976 (Album)
Written by: Bob Dylan
Produced by: Rob Fraboni
 エリック・クラプトン
Bob Dylan (L) & Eric Clapton (R)
/ ボブ・ディラン について:
Bob Dylan (L) & Eric Clapton (R)
 


この曲を含むアルバムは、ザ・バンドがオーナーの「シャングリ・ラ」スタジオでレコーディングされました。 (元「娼婦の館」だったところを改装したとか)

ザ・バンドのメンバーを始め、当時ローリング・ストーンズの正式メンバーになったばかりのロン・ウッドなど、気心の知れた仲間たちに囲まれてのレコーディングだったようです。

この頃のクラプトンは前作をジャマイカでレコーディングしたりと、かなりレイドバック(laid-back/のんびり、くつろいだ)していて、およそギター・バトルをやろうといった気はないらしく、ここでもロビー・ロバートソンにソロを弾かせています。 
このアルバムにはかなり多くのミュージシャンが参加しているのですが、詳しいクレジットは書かれていないので、各曲で誰が何を演奏しているのかは分かりません。

ボブ・ディランはかつて、ザ・バンドをバック・バンドとして率いていた親分で、クラプトンのセッションに参加するというよりは、スタジオの様子をのぞきに来てブラブラしていたようです。 ウィキペディアにある記事のその辺りを訳してみると、

Dylan dropped by and was just hanging out, living in a tent at the bottom of the garden.
ディランはちょっと顔を出したり、ただブラブラしているだけで、庭の外れにあるテントの中で暮らしていた。

He would sneak into the studio to see what was going on.
彼は今どうなっているかを見るため、スタジオに潜入していた。

Dylan offered his new, unrecorded song "Seven Days" to Clapton.
ディランは彼の新しい、未だレコーディングしていない新曲「セヴン・デイズ」もクラプトンに提供した。

Clapton passed on it, but Ron Wood took him up on the offer and released it on his third solo album Gimme Some Neck.
クラプトンはそっちはパスしたけど、ロン・ウッドはそのオファーに応じ、彼のサード・ソロ・アルバム「ギミ・サム・ネック」で採り上げてリリースした。 (シングル・カットされてます)
―ということになっています。 他にもヴァン・モリソンやピート・タウンゼント(「ザ・フー」のギタリスト)の参加した曲もあったというから、お蔵入りとなった曲が他にもあるようです。

3番の歌詞の中にギタリスト「リンク・レイ」の名前が出てきますが、ピート・タウンゼントは「彼は王者だ。彼と彼の曲『Rumble (「ランブル」)』がなかったら、自分はギターを持たなかっただろう」と言っていますから、何を演(や)ったのか気になるところですが・・・

この曲の作曲者はボブ・ディランになっていますが、クラプトンによるとディランが歌詞を書き、コード進行などは共同作業で進めていったそうです。 ディランの方が四つ年上の兄貴分だから、さすがのクラプトンもディランの前では少し分が悪いのかもしれません。
プロデューサーもクレジットはロブ・フラボニとなっていますが、実際にはカール・レイドルとクラプトン主導で進められ、フラボニはレコーディングの途中から参加したとか。 このあたりも割りとルーズですね。

気心の知れた仲間たちと気ままにセッションしながら、それでいてある程度の緊張感は保っているのですが、この曲は大物二人のデュエットという呼び物以上にバックの演奏が素晴らしい。 有名人同士のデュエットというと大抵は名前だけで肝心の曲は面白くないことが多いのですが、この曲はなぜか好きで今でも時々聴きたくなります。


Eric Clapton (エリック・クラプトン): lead vocals, guitar (dobro)
Bob Dylan (ボブ・ディラン): vocals
Robbie Robertson (ロビー・ロバートソン): guitar solo

Grooveshark で、Sign Language 『サイン・ラングウィッヂ』を聴く: (2:55)

  ●歌詞と対訳●
[1]
You speak to me in sign language
  お前はサイン・ラングウィッヂ(手振り)で 俺に話しかけてきた

As I'm eating a sandwich in a small cafe
  俺は小さなカフェで サンドウィッチを食べていて

At a quarter to three
  3時15分前だった

But I can't respond to your sign language
  でも俺が お前の手振りに応えられずにいると

You're taking advantage, bringing me down
  お前はそれをいいことに 俺を落ち込ませるんだ 

Can't you make any sound?
  何か 音か声でも出せないのか?

[2]
It was there by the bakery,
  それはベーカリー(パン屋)の近くで、

surrounded by fakery
  フェーカリー(にせ物)に囲まれていた 

This is my story, still I'm still there
  これが俺のストーリー(話)だけど、 俺はまだそこにいるんだ

Does she know I still care?
  俺がまだ気にしているのを、 彼女は知っているのか?

(間奏)  Robbie Robertson : guitar solo

[3]   (Bob Dylan : vocal solo)
Link Wray was playing on a jukebox, I was paying
  リンク・レイのプレイが ジュークボックスから流れてた、 俺も演奏したことのある曲が

For the words I was saying, so misunderstood
  俺の言ったそうした言葉は、 かなり誤解されたけど  

He didn't do me no good
  彼が俺にもたらしたことは (決して)無駄なことじゃなかった

(以下、繰り返し)
You speak to me in sign language
  お前はサイン・ラングウィッヂ(手振り)で 俺に話しかけてきた

As I'm eating a sandwich in a small cafe
  俺は小さなカフェで サンドウィッチを食べていて

At a quarter to three
  3時15分前だった

But I can't respond to your sign language
  でも俺が お前の手振りに応えられずにいると

You're taking advantage, bringing me down
  お前はそれをいいことに 俺の気分を滅入らせるんだ

Can't you make any sound?
  少しは 音か声でも出せないのか?


※ sign language: 手話。 手振り。 「ラングウィッヂ」と「サンドウィッチ」を掛けている。
※ quarter to ..: ~時15分前。
※ respond: (質問などに)答える。 返事をする。
※ take advantage: ~に乗じて、 ~をいいことに、 ~につけこんで、 ~を利用して。
※ bring down: 落ち込ませる、 気分を沈ませる、 気を滅入らせる、 意気消沈させる。
※ make a sound: 音を立てる。 声を出す。
 (この場合は身振り手振りに対してだから、「声を出す」の方が近いでしょう)

※ fakery: いんちき、偽物、模造品。 先の "bakery" (パン屋)や後の "story" (物語)と並べて韻を踏んでいますが、単なる言葉のあそびで大した意味は無いように思われます。

※ Link Wray: フレデリック・リンカーン "リンク" レイ・ジュニア(Frederick Lincoln "Link" Wray Jr 1929年5月2日 - 2005年11月5日) アメリカのロックギタリスト、作詞家、作曲家。 そのギター・プレイで多くのミュージシャンに影響を与えている。
※ misunderstood: 誤解された、 正しく理解されない。
※ no good: 【形】役に立たない、使い物にならない、無価値な、無駄な。 【名】役立たずな人。 能無し、不良。
  

テーマ : 洋楽歌詞対訳
ジャンル : 音楽

415. Papa Was A Rolling Stone パパ・ワズ・ア・ローリング・ストーン

Papa Was A Rolling Stone パパ・ワズ・ア・ローリング・ストーン (カヴァー) : 
  David Lindley & El Rayo-X デヴィッド・リンドレー&エル・レイヨー・エクス

デヴィッド・リンドレー1988年のアルバムから、テンプテーションズのヒット曲をカヴァーしたこの曲を選んでみました。 9月3日が命日となる住所不定の父親を歌った曲で、デイヴさんのギター・プレイの他に三者三様の歌声も楽しめます。


Very Greasy
Album : Very Greasy (試聴可)
  ヴェリー・グリーシー

Released: 1988 (Original : 1972)
Written by: Norman Whitfield, Barrett Strong
Produced by: Linda Ronstadt
 デヴィッド・リンドレーについて:
David Lindley (山下達郎ではありません)
 フリー百科事典『ウィキペディア』

David Lindley & El Rayo-Xこの曲はもちろんオリジナルも良いのですが、何しろアルバム・ヴァージョンが12分、シングル・ヴァージョンでも7分くらいと長いのが難点です。

しかもイントロだけで4分(シングルでも2分)もかかりますから、今では歌が始まる前に閉じられてしまいそうなので、比較的短めなこちらのヴァージョンを選んでみました。

写真中央がデイヴさん(デヴィッド・リンドレー)で、以前はジャクソン・ブラウンのバックでギターを弾いていたこともありました。 ギターの他にもフィドル(ヴァイオリン)を始め様々な弦楽器をこなすマルチ・プレイヤーで、「歌えるギタリスト」という点ではライ・クーダーに近い人でしょうか。 ライ・クーダーとはジョイント・コンサートも行っています。
ライ・クーダーが真面目な音楽求道者とすると、デイヴさんはレゲエ風や中華風など様々な国のフレーズが自在に飛び出してくる人で、平気でアホなことのできる点が強みでしょう。

デイヴさんの左隣がベースのホルヘ・カルデロンで、ここでは3番の歌詞を歌っています。
右端がキーボードのウィリアム・スミスで、2番目の歌詞でソロを歌っています。 アドリブが入って少し歌詞を変えてあり、しかも黒人特有の発音なので分かりにくいのですが、聞き取れる範囲内で歌詞に修正を加えておきました。 オリジナルの歌詞で"alone"(一人きり)とあるところを"a loan"(借金)にするなど、テンプス(テンプテーションズ)のヴァージョン とは少し違いますが、新しいアレンジの曲としてお楽しみ下さい。

アルバム・タイトルの"Very Greasy"(とても脂っこい)は、6番目に入っているウォーレン・ジヴォンのヒット曲"Warewolves of London "(ロンドンのオオカミ男)の歌詞の一節、"my hair was ..... very very greasy"(俺の髪の毛は、とてもベタベタだった)から採られているようです。

プロデューサーにリンダ・ロンスタッドの名前があるのが意外ですが、アルバム・タイトルとは裏腹に全体的にポップな感じの聴きやすいアルバムに仕上がっているので、デイヴさんを最初に聴くならこのアルバムから入ってみると良いかも・・・
8曲目の"Never Knew Her"では、昔のよしみでジャクソン・ブラウンも参加しています。


David Lindley : Slide guitar, Electric rhythm & lead guitars, Lead vocals [1]
Willian (Smitty) Smith : Keyboards, Lead Vocals [2], harmony vocals
Jorge Calderon : Electric bass, Lead vocals [3], harmony vocals
Ray Woodbury : Electric rhythm guitar, harmony vocals
Walfredo Reyes : Percussion

Papa Was A Rolling Stone 『パパ・ワズ・ア・ローリング・ストーン』を聴く: (5:01)
(リンク先は Grooveshark で、こちらの方が音は良いです)

  ●歌詞と対訳●

[1] David Lindley (デヴィッド・リンドレー)

It was the third of September
  それは9月3日のことで

The day I'll always remember, yes I will
  その日のことは いつも覚えている、そうさ

'Cause that was the day that my daddy died
  だってその日は 親父が亡くなった日だったから

I never had a chance to see him
  その人に会うチャンスは 一度も無くて

Never heard nothing but bad things 'bout him
  彼について 悪いことの他には 何一つ聞いたことがなかった

Mama, I'm depending on you, to tell me the truth
  母さん、できる範囲でいいから 本当のことを話してよ

(Chorus)
Your Papa was a rolling stone
  あんたの父さんは (転がる石みたいに)住所不定の人だった

Wherever he laid his hat was his home
  どこであろうと 帽子を置いたところがあの人の家

(And when he died)
  (そしてあの人が死んだ時)

All he left us was a loan  (alone)
  あたしたちに残したのものは 借金だけだった

Your Papa was a rolling stone
  あんたの父さんは (転がる石みたいに)住所不定の人だった

Wherever he laid his hat was his home
  どこであろうと 帽子を置いたところがあの人の家

(And when he died)
  (そしてあの人が死んだ時)

All he left us was a loan
  あたしたちに残したのものは 借金だけだった


[2] William Smith (ウィリアム・スミス)

Some people say,
  ある人々が言うには、

That Papa never worked a day in his life
  父さんはその人生で 一日だって働いたことがなく 

(Hey)
't was bad talk goin' around town
  それについては悪い噂話(うわさばなし)が 町中に広まっていた

that Papa had three outside children
  それは 父さんには三人の私生児がいて、

and another wife
  それぞれに 別の相手(母親)がいる、ってこと

(Oh, )
Papa was always doin' a little store front preachin'
  父さんはいつも 小さな店の前に立っては 説教めいたことをやっていて

Tryin' to savin' souls and do little leechin'
  たましいの救済などを試しては わずかばかりの他人(ひと)の金を搾取して

And dealin' in debt, 'n' stealin' in the name of the Lord
  借金の取引きをしたり、 神の御名において 他人(ひと)さまのものを奪っていたの

(Wow, wow, wow. wow..)

(Chorus)
Papa was a rollin' stone,
  父さんは (転がる石みたいに)住所不定の人だった

(Well, well, well, well)

Wherever he laid his hat was his home
  どこであろうと 帽子を置いたところがあの人の家

(And when he died)
  (そしてあの人が死んだ時)

All he left us was a loan,  (yeah)
  あたしたちに残したのものは 借金だけだった

Your Papa was a rollin' stone
  あんたの父さんは (転がる石みたいに)住所不定の人だった

(Well, well, well, well)

Wherever he laid his hat was his home
  どこであろうと 帽子を置いたところがあの人の家

(And when he died)
  (そしてあの人が死んだ時)

All he left us was a loan,  (yeah ,yeah, yeah ..)
  あたしたちに残したのものは 借金だけだった

(間奏)  Guitar solo : David Lindley

[3] Jorge Calderon (ホルヘ・カルデロン)

Some people say Papa was a jack of all trades
  ある人々によると 父さんはいわゆる「何でも屋」で

That what lent to an early grave
  それによって 早死にしたようなものだった、と言う

Some people say Papa used to beg, borrow, steal, to pay his bills
  父さんは溜まったツケを支払うためなら、いかなる手段でも使う人だった、と  

Papa was never do much on thinkin'
  父さんは物事を 深く考えたりしない人で

Spent most of his time chasin' women and drinkin'
  その人生の大半を 女を追いかけ回したり、酒を飲むことに費やしていた、と

Mama, I'm dependin' on you, to tell me the truth
  母さん、できる範囲でいいから 本当のことを話してよ

(Mama looked up with a tear in her eye and said)
  (母は目に涙を浮かべながら顔を上げ、 そして話をしてくれた)

(Chorus)
Papa was a rollin' stone
父さんは (転がる石みたいに)住所不定の人だった

(Well, well, well, well)

Wherever he laid his hat was his home
  どこだろうと 帽子を置いたところがあの人の家

(And when he died)
  (そしてあの人が死んだ時)

All he left us was a loan, yes he did
  あたしたちに残したのものは 借金だけだった、そう

Your Papa was a rollin' stone
  あんたの父さんは (転がる石みたいに)住所不定の人だった

(Well, well, well, well)

Wherever he laid his hat was his home
  どこであろうと 帽子を置いたところがあの人の家

(And when he died)
  (そしてあの人が死んだ時)

All he left us was a loan
  あたしたちに残したのものは 借金だけだった


※ third of September: 9月の3日。 Fourth of July なら7月4日(独立記念日)。 
※ nothing but ..: (「~以外は何も無い」から)~にすぎない。 ~だけ、~のみ。
※ depending on ..: ~に応じて、~次第で、~にもよるが、~によって。
※ rolling stone: (「転がる石」から)住所不定の人、 仕事を次々に変える人。
※ laid: lay (横たえる)の過去形。
※ a loan: 借金。 原文は alone(一人きり)で、left alone なら「置き去りにする」。
 
※ around town: 町中。 rumor going around town なら「世間のうわさ」。 
※ outside child: 正確には"child born outside of marriage"(結婚しないで生まれた子供)で、いわゆる「私生児」 (差別用語だが、これが一番分かりやすい)
「嫡出(ちゃくしゅつ)でない子供」、「非嫡出児」ではかえって分かりにくいので。
※ preaching: (牧師の行う)説教。 
※ saving souls: 「たましいの救済」(普通は牧師が行うもの)
※ leeching: (ヒルが吸血することから)他人を食いものにする人。 他人の金を搾取する人。
※ in debt: 借金する。 "in dirt"(汚れた、汚いやり方)となっている歌詞もあり。
※ in the name of the ..: ~の名のもとに。 "Load" は「主(しゅ)」や「神」。

※ jack of all trades: 何でも屋、よろず屋、何でも出来る器用な男。(ジャックは男の代名詞)
※ early grave: 早死に、若死に。 ("grave" は「墓」のこと)
※ beg borrow (and) steal: (「乞う、借りる、盗む」ことから)いかなる手段を使っても。
※ do much on: 多くのことを行う。 この場合は"never"(決して~しない)が付くから逆の意味になります。
※ look up: 見上げる。 

テーマ : 洋楽歌詞対訳
ジャンル : 音楽

プロフィール

Sumi Haruo

Author:Sumi Haruo
昨年まで老母の介護をしていました。 古い記事へのコメントも大歓迎です。
※記事へのリンクは自由ですが、対訳はあくまでも私個人の解釈なので、訳詞の転載はお断りいたします。
訳詞を掲載したい場合は、記事へのリンクを貼るという形にして下さい。

全記事タイトル表示リンク

全記事タイトルを表示

カテゴリ
最新記事
最新コメント
検索フォーム
FC2カウンター
フリーエリア


累計: 検索エンジン登録
本日: SEO対策
昨日: メール配信

アクセスアップ

Mail Form:メールフォーム

リンク
電子書籍
Amazonから電子書籍を出版しました
QRコード
QR
RSSリンクの表示