392. Something to Talk About サムシング・トゥ・トーク・アバウト

Something to Talk About サムシング・トゥ・トーク・アバウト :
  Badly Drawn Boy バッドリー・ドローン・ボーイ

2002年の映画 「About a Boy (アバウト・ア・ボーイ)」 のサウンド・トラックから、主題歌となったこの曲を採り上げてみました。


Album : About a Boy [Soundtrack]

Released: July 30, 2002
Written by: Damon Gough (Badly Drawn Boy)
Produced by: Badly D. Boy, T. Rothrock, S. McLaughlin
バッドリー・ドローン・ボーイについて:
Badly Drawn Boy (Damon Gough)
 フリー百科事典『Wikipedia』

この映画は、親の遺産で仕事もせずにあそんで暮らす38歳独身男の物語です。 そのウィルというプレイボーイがある時、「あと腐れの無い別れ方をするなら、シングル・マザーを相手にすること」に気付き、そうした集会に出向いてやっとデートまでこぎつけた時、相手の女性が友人から預かってきたということで連れて来たのがマーカスという12歳になる少年でした。

そうしたストーリーの方はともかくとして、巨額の制作費をかけて建物でも車でもぶっ壊してしまうハリウッド映画とは違い、イギリス映画はちょっとひねったユーモアがあるので、観終わった後でまた観たくなりました。 決してハッピー・エンドではないし、子役の可愛さで見せる映画でもありませんが(全然可愛くない)、中々の佳作だと思います。

バッドリー・ドローン・ボーイ(本名:Damon Michael Gough)はイギリスのインディ・シンガー・ソングライターということで、私はこのサウンド・トラックで初めて知りましたが、このアルバムが2作目に当たるようです。
映画の原作 を書いた Nick Hornby (ニック・ホーンビィ)という人に、"31 Songs"というソングブックがあって、その14曲目にこのサウンドトラックの "A Minor Incident" が選ばれているから、原作者も気に入っているのでしょう。


Damon Gough (Badly Drawn Boy) – vocals, acoustic guitar, electric guitar, bass, piano, synthesizer, keyboards, celeste, Fender Rhodes, xylophone, harmonica, backing vocals, horns, strings, flute, percussion, triangle

Something to Talk About 『サムシング・トゥ・トーク・アバウト』を聴く: (3:41)

  ●歌詞と対訳●

[1]
I've been dreaming  ぼくはずっと 夢見てきた

Of the things I've learnt  ぼくがこれまで 学んできたことについて

About a boy who's bleeding  苦しんでいる 少年について

celebrate to elevate  (関係の)深まりを お祝いしよう

The joy is not the same without the pain  喜びは 苦痛が無い事と同じじゃない

Oooh Oooh, Oooh  ウー、ウー、ウー

[2]
Ipso facto  (ラテン語 = by the fact itself)  事実上 それ自体

Using up your oxygen  酸素の 浪費さ

You know I'm shallow  そうさ ぼくは浅はかだから

Calling out for extra help  大声で 他の誰かの助けを求めているんだ 

You've got to let me in  ぼくを 仲間に入れておくれよ

Or let me out  それとも ぼくを追い出すのかい

Oooh, something to talk about  それについて 何か話そう

Yeah, something to talk about  それについて 何かを語ろう

(間奏)

Oooh, Oooh, Oooh  ウー、ウー、ウー

[3]
I've been dreaming  ぼくはずっと 夢見てきた

Of the things I learnt  ぼくがこれまで 学んできたことについて

About a boy who's leaving  去って行く 少年について

Nothing else to chance again  二度とチャンスは 無さそうだから
  
You've got to let me in  ぼくを 仲間に入れておくれよ

Or let me out  それとも ぼくを追い出すのかい

Oooh, something to talk about  それについて 何か話そう

Yeah, something to talk about  それについて 何かを語ろう

Oooh, Oooh, Oooh  ウー、ウー、ウー


※ I have been: 私は(ずっと)~してきた。
※ bleeding: 出血する、 苦しい。
※ celebrate to: ~を祝う。
※ elevate: 1.高める、高尚になる、向上させる。 2.昇進、昇格、昇給。

※ ipso facto:(ラテン語)= by the fact itself (事実上 それ自体が)
※ use up: 使い果たす、使い尽くす、使い切る。 消費、浪費。
※ oxygen: 酸素。
※ shallow: 浅薄な、浅はかな、浅い。 (呼吸が「浅い」とも取れます)

※ call out: 叫ぶ、 大声で呼ぶ。
※ extra: その他の、 余分な、 臨時の、 特別な。
※ let in: ~を招き入れる、~を中に入れる。
※ let out: 外に出す。 放出する。 解雇する。 殴りかかる、攻撃する。

※ nothing else: 他に何も無い、 ~するしかない。
※ chance again: 再びチャンスが訪れる。 

テーマ : 洋楽歌詞対訳
ジャンル : 音楽

391. Dirty Paws ダーティ・ポーズ

Dirty Paws ダーティ・ポーズ : Of Monsters and Men 

オブ・モンスターズ・アンド・メン 2012年のファースト・アルバムから、アルバムのオープニングを飾りセカンド・シングルとなったこの曲を選んでみました。


Dirty Paws
Album : My Head Is An Animal
  マイ・ヘッド・イズ・・・

Released: 12 April 2012
Written by: N. B. Hilmarsdóttir, S. Mann, R. Þórhallsson
Produced by: Of Monsters and Men, Aron Arnarsson
 オブ・モンスターズ・アンド・メン:
Arnar (D), Ragnar (G,V), Nanna (G,V), Brynjar (G)
 フリー百科事典『ウィキペディア』

オブ・モンスターズ・アンド・メンは アイスランド の6人組グループです。 現在ではキーボードが抜けて5人編成のようですが、男女2人のヴォーカル&アコースティック・ギターが特徴でしょうか。 太っちょで野暮ったいラグナルと、細身で可愛いナッナの組み合わせは、何となく「美女と野獣」に見えないこともありません。

最初にファースト・シングルの "Little Talks" (リトル・トークス)を聴いた時はトランペットなどの鳴り物が少しうるさく感じたのですが、YouTube で観たスタジオ・ライヴで印象がかなり変わりました。 トランペットなどはメンバーとは別の女性がやっていて、彼ら自身は割りと素朴なフォークっぽい印象を受けたからです。

アイスランドというと、私は ビョーク(Björk)を思い浮かべますが、人口30万人程度の小さな島国で母国語のアイスランド語の他に小学生の頃から英語とデンマーク語を習っているようで、トライリンガル(三ヶ国語)の人が多いとのこと。
この曲を含むファースト・アルバムは英語で歌われていますが、不思議な歌詞が多いです。

グループ名もアルバム・タイトルもちょっと変わっていますが、それはこの曲の歌詞を見れば分かるでしょう。 この曲はおとぎ話みたいな内容となっていて、タイトルの "Paws" は「動物の手足」という意味ですが、暗喩を含んでいるようです。
ファースト・シングルの "Little Talks" (何気ない会話)も音の方はやたらと元気なのですが、歌詞を訳してみると「愛する人と死に別れた女性が、誰もいなくなった古い空き家でその亡霊と会話している」といった内容で、不思議な感じを受けました。 その曲のコーラスで繰り返し歌われる、


this ship will carry our bodies safe to shore
この船が 私たちの肉体を無事に岸辺へと運んでくれるでしょう

―というフレーズの意味が私には良く分からないので、今回は見送りました。 もっともこの曲の歌詞だって、決して分かりやすくはありませんが・・・

KEXPというアイスランドのFM局でのスタジオ・ライブが YouTube で何曲か聴けるので、今回もLiveヴァージョンのリンクを貼っておきました。 ヘタなPV(プロモーション・ビデオ)より、彼らの魅力が伝わると思います。


Nanna Bryndís Hilmarsdóttir (ナッナ・ブリンディス・ヒルマルスドッティル)– lead vocals, acoustic guitar
Ragnar Þórhallsson (ラグナル・ソウルハッルッソン)– lead vocals, acoustic guitar
Brynjar Leifsson (ブリニャル・レイフッソン)– lead guitar, backing vocals
Kristján Páll Kristjánsson (クリスチャウン・パッル・クリスチャウンソン)– bass, backing vocals
Arnar Rósenkranz Hilmarsson (アルナール・ローゼンクランツ・ヒルマルソン)– drums, backing vocals
Árni Guðjónsson (アウルニ・グウズヨウンソン)– accordion, piano, organ, backing vocals (2012 に脱退)


Grooveshark で、Dirty Paws 『ダーティ・ポーズ』を聴く: (4:26)

  ●歌詞と対訳●

Jumping up and down the floor,
  床の上を 飛んだり跳ねたり

My head is an animal.
  私の頭は 動物だから

And once there was an animal,
  人もかつては 動物だったから

It had a son that mowed the lawn.
  その人には (庭の)芝刈りをする息子がいて   

The son was an ok guy,
  その息子は 良い子だった

They had a pet dragonfly.
  彼らはペットに トンボを飼っていて

The dragonfly it ran away,
  そのトンボは 逃げてしまったけど

But it came back with a story to say.
  でも、ある物語を話すために 戻ってきたの

(間奏)Hey!

Her dirty paws and furry coat,
  彼女は汚れた動物の手足をして 毛皮で覆われていた

She ran down the forest slope.
  彼女は 森の斜面を駆け降りて行った

The forest of talking trees,
  そこは 話をする木々の森で

They used to sing about the birds and the bees.
  その木々は 鳥や蜜蜂たちのことを歌っていた

The bees had declared a war,
  蜜蜂たちが 宣戦布告をしたことを

The sky wasn't big enough for them all.
  大空も 彼ら全てを容れるほど大きくはなかったから

The birds, they got help from below,
  鳥たちは、 下にいる者たちからの応援を受けた

From dirty paws and the creatures of snow.
  汚れた動物の手足をした 雪の生き物たちの(支援を)

(間奏) La la la, La la la ..Hey!

And for a while things were cold,
  しばらくして 事態は鎮(しず)まったようで

They were scared down in their holes.
  彼らは自分たちの巣穴の中で 恐怖に震えていた

The forest that once was green
  かつて 緑で覆われていた森は

Was colored black by those killing machines.
  何台もの殺人マシンによって どす黒く血塗られてしまったの

But she and her furry friends
  そして彼女と その半獣の仲間たちは

Took down the queen bee and her men.
  女王蜂と その手下たちをやっつけたのさ

And that's how the story goes,
  以上が その物語でした

The story of the beast with those four dirty paws.
  四本の汚れた動物の手足を持った 獣の物語でした

La la la, La la la, La la la ...  
  ラララ、ラララ、 ラララ・・・



※ up and down: 上がったり下がったり、 上へ下へと。 行ったり来たり。
※ once there was ..: かつて~であった、~があった。
 once there was a war: かつて戦争があった。

※ mow the lawn: 芝生を刈る。
※ ok = okay: 1.良い、とても良い。 2. まあまあの、可もなく不可もなく。
※ run away: 1.逃げる、逃走する。 2.家出する、駆け落ちする。 3.走り去る。
※ come back: (人や動物が)戻る、帰る。

※ paw: 1.(爪のある動物の)手、足。 2.(不器用な人の)大きくて不恰好な手。
※ furry: 1.(物語の)擬人化して描かれた動物、半神半獣。 2.毛皮のような、毛皮で覆われた。
※ coat: 1.コート、上着。 2.(動物の)毛。

※ run down: (坂道を)駆け下る、 賭け降りる。
※ declare war: 宣戦布告する、戦争を宣言する。
※ big enough for: (~を容れるだけの)充分な大きさ。
※ creature: 1.生き物、動物。 2.不快な(恐ろしい)生き物。 3.(ある種の)人間。

※ for a while: しばらく(の間)、 少しの間。
※ scare: 怖がる、おびえる。
※ killing machine: 殺人マシン(機械)
※ take down: この場合は、「倒す」、「やっつける」、「へこます」など。

※ that's how .. goes: 以上が~です。(前文を受けて)
 (that's how it goes だと「そんなものさ」)

※ beast: 動物、牛馬、家畜。 主に人間にこき使われて、生贄にされる四足獣。
 寓話(おとぎ話)では、animal より良く使われる。              

テーマ : 洋楽歌詞対訳
ジャンル : 音楽

390. The Cave ザ・ケイヴ

The Cave ザ・ケイヴ : Mumford & Sons マムフォード・アンド・サンズ

全世界で800万枚を売り上げたファースト・アルバムから、サード・シングルとなったこの曲を選んでみました。


The Cave
Album : Sigh No More (Import)
  サイ・ノー・モア

Released: February 2010 (Album : October 2009)
Written by: Mumford & Sons
Produced by: Markus Dravs
  マムフォード・アンド・サンズ
Ben (ky), Ted (B), Marcus (G, Vo), Winston (Ban)
 フリー百科事典『ウィキペディア』

バンジョーの音色が入ることでカントリーのフレーバーも含んでいる彼らの音ですが、ジャンル分けは無意味な気がします。 古さと新しさが同居した音とでも言ったら良いのでしょうか。

それよりもっと分かりにくいのは歌詞の方で、哲学や文学などからインスパイアされた言葉が色々と出てくるので、訳すのに骨が折れました。
この "The Cave" (洞窟)というタイトルは、プラトンの「洞窟の比喩」からインスパイアされたとのことですが、それよりもホメロスの「オデュッセイア」からの引用が多く含まれているようです。

たとえば「The Cave」が一つ目の巨人ポリュペモスの住んでいた洞窟だとしたら、その後に出てくる "You cannibal" (お前は人食い人種)という物騒な言葉もスンナリと受け入れられるし(ポリュペモスはオデュッセウスの部下を4人も食っています)、その後の歌詞も色々と辻褄(つじつま)が合うからです。
3番の歌詞に出てくるセイレーンたちも「オデュッセイア」に登場する魔女たちで、美しい歌声で船乗りたちを引き寄せるのですが、2番の歌詞に出てくる「tie me to a post and block my ears」(俺を柱に縛りつけ、この両耳を塞いでくれ)というフレーズも、オデュッセウスがセイレーンたちの歌声を聞くためにさせたことです。 もっとも塞いだのは自分の部下たちの耳で、自分自身はセイレーンたちの歌声を聞くために塞ぎませんでしたが・・・

そうした解説を付けないと意味が分からない歌詞というのも訳しにくいものですが、一々説明していると長くなるので、物語のあらすじは訳詞の終わりに付録として載せておきました。 興味のある方は(面倒でなければ)読んでみて下さい。
この曲のPV(プロモーション・ビデオ)はメンバーが楽器を演奏しておらず、スクーターに乗ってるだけでつまらないので、 Live ヴァージョンの方を掲載しておきました。 こちらは後半の盛り上がりと、聴衆との一体感が素晴らしいです。 アルバム・ヴァージョンを聴きたい方は、その下にある Grooveshark のリンクを開いて下さい。


Marcus Mumford (マーカス・マムフォード) - lead vocals, acoustic guitar
Winston Marshall (ウィンストン・マーシャル) - banjo, back vocals
Ben Lovett (ベン・ラヴェット) - keyboards, accordion, back vocals
Ted Dwane (テッド・ドウェイン) - double bass, back vocals

Grooveshark で、The Cave 『ザ・ケイヴ』を聴く: (3:38)

  ●歌詞と対訳●

[Verse 1]
It's empty in the valley of your heart
  お前の心の谷間は 空虚で誰もおらず

The sun, it rises slowly as you walk
  太陽は、 お前の歩みと同じ様に ゆっくりと昇る

Away from all the fears
  あらゆる不安から離れ  

And all the faults you've left behind
  お前が置き忘れた あらゆる過ちから(離れて)


The harvest left no food for you to eat
  収穫しても お前が食べる分は残っておらず 

You cannibal, you meat-eater, you see
  お前は人の肉を喰う、お前は人食い人種だから、そうだろ ※

But I have seen the same
  だって俺は それと同じことを目撃したから

I know the shame in your defeat
  お前が(俺に) 負けた屈辱は よく分かるけど ※


[Chorus]
But I will hold on hope
  でも俺は (生きる)希望を持ち続けているから

And I won't let you choke
  お前の息の根を止めるまで やりはしない ※

On the noose around your neck
  縛り首の縄が お前の首に巻かれていても

And I'll find strength in pain
  苦悩の中でも 俺は知力で(助かる方法を)見つけ出し

And I will change my ways
  そして俺は 自らの運命を変えてみせよう  

I'll know my name as it's called again
  俺の(本当の)名は、それが再び 大声で叫ばれた時に分かるだろう ※


[Verse 2]
'Cause I have other things to fill my time
  そんな訳で 俺はもっと別のことに自分の時間を使うから

You take what is yours and I'll take mine
  お前は自分の分を受けるがいい、 俺も自分のものを受け入れるから
 
Now let me at the truth
  今は俺に ことの真相をつかませてくれ

Which will refresh my broken mind
  傷ついた俺の心が いずれ元気を回復するまで

So tie me to a post and block my ears
  だから俺を柱に縛りつけ、この両耳を塞いでくれ ※  

I can see widows and orphans through my tears
  俺はこの涙の向こうに (死んだ部下たちの)後に遺された妻や孤児たちが見える

I know my call despite my faults
  俺の過ちが 悪意を持って叫ばれているのは分かっているし  

And despite my growing fears
  そうした悪意は 俺の不安を更に募(つの)らせるけど

[Chorus]
But I will hold on hope
  でも俺は (生きる)希望を持ち続けているから

And I won't let you choke
  お前の息の根を 止めることまではしたくない

On the noose around your neck
  縛り首の縄が お前の首に巻かれていても

And I'll find strength in pain
  苦悩の中でも 俺は知力で(助かる方法を)見つけ出し

And I will change my ways
  そして俺は 自らの運命を変えてみせよう  

I'll know my name as it's called again
  俺の名は、それが再び 大声で叫ばれた時に分かるだろう


[Verse 3]
So come out of your cave walking on your hands
  だから(目を潰された)お前は 手探りでその洞窟から這い出るがいい ※

And see the world hanging upside down
  (俺は羊の腹にしがみついているから) 世界が上下逆さに見える ※

You can understand dependence
  お前も 依存状態にいることが分かるだろう

When you know The Maker's hand
  お前が 世界の創造主の手腕を知った時には

So make your siren's call
  だから あのセイレーンたち(の島)を訪ねるとしよう ※

And sing all you want
  そして 自分の聞きたい全て(の話)を歌ってもらおう ※

I will not hear what you have to say
  でも俺は お前の言おうとすることには 耳を貸さないだろう 

'Cause I need freedom now
  だって今の俺に必要なのは (お前の)束縛から解放されることで

And I need to know how
  そして俺に欠けているのは そのノウハウ(方法)なのだから

To live my life as it's meant to be
  定められた運命の通りに 自分の人生を生きるということだから 


[Chorus]
But I will hold on hope
  でも俺は (生きる)希望を持ち続けているから

And I won't let you choke
  お前の息の根を 止めることまでやりはしない

On the noose around your neck
  縛り首の縄が お前の首に巻かれていても

And I'll find strength in pain
  苦悩の中でも 俺は知力で(助かる方法を)見つけ出し

And I will change my ways
  そして俺は 自らの運命を変えてみせよう  

I'll know my name as it's called again
  俺の(本当の)名は、それが再び 大声で叫ばれた時に分かるだろう


※ away from: ~から離れて。
※ left behind: 置き去りにされる、 取り残される、 置き忘れる、 落ちこぼれる。
※ cannibal: 人食い人種。 【語源】コロンブスがカリブ海の小アンティル諸島をスペイン領とした時、現地人を Carib (カリブ人)と呼び、彼らを人食い人種としたことによる。 スペイン語の Carib が誤った解釈で英語の Canniball となった。
 (オデュッセウスの部下を食った一つ目の巨人ポリュペモスのことと思われる)

※ shame: 恥。
※ defeat: 負け、敗北。 shameful defeat :屈辱的な敗北。
 (巨人ポリュペモスから見たら、小さな人間であるオデュッセウスの策略によって目を潰されたことを指すのでしょう)

※ choke: 喉(息)を詰まらせる、窒息する。 hope と並べて韻を踏んでいます。
 (オデュッセウスが眠っているポリュペモスを剣で刺そうとした時、巨人を殺したら巨大な岩戸を自力では開けられなくなることに気付き、その夜は生かしておいた)

※ noose: 1.絞首刑。 2.(首吊りの)しめ縄。
※ call: 叫ぶ、大声で呼ぶ。
 ( 「自分の名が大声で叫ばれた時」は、オデュッセウスが巨人のポリュペモスに対し、私は「ダレデモナシ」という名だと嘘をつき、巨人の目を潰して船で沖へ逃れた後、自分の本当の名前を叫ぶ、ということの様に思われます)

※ fill one's time: 自分の時間を過ごす(潰す)。
※ at the truth: 真相をつかむ、 真実を究める。
※ bloken mind (heart): 傷ついた心。 失意、傷心。
※ tie me to a post and block my ears: 俺を柱に縛りつけ、この両耳を塞ぐ。
 (船人を歌声でたぶらかすというセイレーンたちの歌声を聞くため、オデュッセウスは船乗りたちの耳を蜜蝋で塞ぎ、自分自身は身動きできないよう体を帆柱に縛りつけさせた)

※ widow: 未亡人。
※ orphan: 孤児。

※ come out of..: ~から外に出る。
※ come out of your cave walking on your hands: 手探りで洞窟から外に出る。
 (目を潰されたポリュペモスは手探りで羊たちを外に出し、自分も後から外へと這い出る)
※ upside down: 上下が逆さまの。
 (オデュッセウスとその部下たちは大きな羊の腹にしがみつき、ポリュペモスには分からないようにして洞窟から脱出した。 逆さまにぶら下がっているので、「世界が逆さに見える」と解釈しています。)

※ The Maker: (世界の)創造主。
 (ギリシャ神話では最初に「カオス」という混沌状態があり、その後で様々な神々が誕生しているので、絶対的な唯一の「神」は存在しません。 ゼウスが神々の王になったのは「くじ引き」の結果であり、力はあっても人間と同じ欠点を持ち、「全能」ではないのです。)

※ make a call: 1.訪問する、寄港する。 2.電話をかける。
※ siren: (ギリシャ神話の)セイレーン。上半身が裸の女、半身が鳥の魔物で、美しい歌声で船乗りたちを暗礁におびき寄せ、彼女たちの元には白骨化した死体が累々と横たわっていたという。サイレンの語源。
※ sing all you want: お前が歌って欲しい全ての歌。
 (セイレーンたちはオデュッセウスが喜びそうな、トロイ戦争での活躍と誉れとを歌うことで、オデュッセウスの心を惹き付けた)


オデュッセイア第9章: 【巨人ポリュペモスの洞窟】
キュクロープス(一つ目の巨人:英語の「サイクロップ」)たちの住む島に着いたオデュッセウスの一団は、用心のためオデュッセウスとその精鋭の部下12人だけで、海の近くの月桂樹に囲まれた洞窟を訪れる。
洞窟の中に主の姿は無く、オデュッセウスは部下の者が戻ろうというのも聞かず、羊の乳で作ったチーズを食い、火を起こして主の帰りを待った。

やがて羊の放牧から戻ったポリュペモスは、22台の荷車でも持ち上げられない大岩を担ぎ上げると洞窟の入り口を塞ぎ、羊たちの乳を搾り始める。
オデュッセウスの一行に気付いた巨人は、彼らを歓待するどころか部下の2人を子犬のように捕まえて地面に叩きつけ、手足をバラバラにすると肉も骨も残らず平らげてしまった。
そして羊の乳を飲んで腹が膨れたポリュペモスは、手足を伸ばして寝入ってしまう。 オデュッセウスは剣を抜いて腹の急所を一突きしようとするが、そうすると大きな岩戸をどけることができなくなるのに気付き、殺すのを思いとどまる。

翌朝、ポリュペモスが羊を連れて出て行き、またもや大岩で戸口を塞いだ後で、オリーブの木を削り杭の様に先を尖らせたものを作っておき、ポリュペモスの帰りを待った。
帰宅したポリュペモスは、またもや二人の部下を屠(ほふ)り、残忍な食事をしている時、オデュッセウスは芳醇な葡萄酒を器に盛って差し出す。 そのうまさにポリュペモスは杯を重ねた。 ポリュペモスは、オデュッセウスに名前をたずね、奸智に長けたオデュッセウスは「私の名前はダレデモナシというのです」と答える。
ポリュペモスはそのお礼として「ダレデモナシよ、お前は一番最後に食ってやろう」と言い、やがて酔いつぶれて寝入ってしまう。
オデュッセウスとくじ引きで選ばれた4人の部下たちは勇を鼓舞し、先を尖らせたオリーブの木を火の中で真っ赤になるまで焼き、それを巨人の一つ目に突き刺してねじ込むと、身の毛もよだつ程の悲鳴が洞窟中に響き渡った。

ポリュペモスの絶叫を聞きつけた他のキュクロープスたちが洞穴の外までやって来て、「こんな静かな夜中に何の騒ぎだ? 一体誰がお前をそんな目にあわせたのだ?」とたずねると、ポリュペモスは「俺をこんな目にあわせた奴はダレデモナシだ」と、洞窟の中から答える。 外にいた巨人たちはポリュペモスの頭がおかしくなったと思い、「一人暮らしのお前に災いをもたらす者が誰もいないのなら、大神ゼウスの下した災厄だろうから避けることなどできぬ。 せいぜいお前の親父の海神ポセイドンにお祈りでもするのだな」と言い残し、さっさと帰ってしまった。

翌朝、目を潰されたポリュペモスは痛みをこらえながら岩戸をどけると、手探りで羊たちの背中を触りながら外に出す。 オデュッセウスらは、3頭の羊の脚を縄でつなぎ合わせ、その真ん中の羊の腹の毛にぶら下がって外へと逃れることができた。
そうして船で沖合いまで逃れた時、オデュッセウスはまだ声の届くところから大声を張り上げて、「自分はトロイ戦争で数々の武勲を立てた、ギリシャ軍の英雄オデュッセウスだ」と、自分の本当の名を明かす。 怒り狂ったポリュペモスは山の頂を引きちぎって声のする方へと投げつけるので、船は危うく沈むところであった。 興奮したオデュッセウスは部下たちが止めるのも聞かず、再度ポリュペモスを怒らせるような雑言を浴びせかけ、それによってポリュペモスの父である海神ポセイドンの怒りも買うことになるのである。


オデュッセイア第12章: 【魔女セイレーンたち】
女神キルケの島を出る時、キルケはセイレーンたちの島のそばを通る時の注意をする。
セイレーンたちは美しい歌声で船乗りたちを惑わし、暗礁に引き寄せる魔女たちで、その海域を通る時は全員の耳に蜜蝋で栓をすることを教えた。
ただしオデュッセウスが彼女たちの歌声を聞きたいのであれば、帆柱に自分を縛りつけさせ、もしもっと近くに寄れと騒いだ時には、更にきつく縛り上げて急いでその海域を出るように、とのことであった。

いよいよセイレーンたちの住む島の近くにさしかかった時、急に風が止んだので、船員たちは帆をたたみ、櫂でこぎながら舟を進めて行くと、やがて美しい歌声が聞えてくる。 
それもオデュッセウスが喜ぶような言葉「アカイア勢の大いなる誇り、世にその名を広く知られた勇者オデュッセウスよ」と、言葉巧みに美しい声で歌うので、オデュッセウスは更にその歌声が聞きたくなり、目配せで部下の者たちに縄を解けと命ずる。
しかし部下の者たちは、これはセイレーンが出たと思い、いよいよ縄をきつく縛ると、大急ぎでその危険な海域を脱出する。 セイレーンの歌声を聞いて生還できたのは、オデュッセウスただ一人であった。
           

テーマ : 洋楽歌詞対訳
ジャンル : 音楽

389. Hang Loose ハング・ルーズ

Hang Loose ハング・ルーズ : Alabama Shakes アラバマ・シェイクス

アラバマ・シェイクス2012年のデビュー・アルバムから、この曲を選んでみました。


Album : Boys & Girls
  ボーイズ&ガールズ
(試聴可)
Released: April 9, 2012 (Album)
Written by: Alabama Shakes
Produced by: Alabama Shakes, Andrija Tokic.
  Alabama Shakes:
Heath (G), Zac (B), Brittany (G, Vo), Steve (D)
 フリー百科事典『ウィキペディア』

アラバマ・シェイクスといえば、ファースト・シングルでアルバムのオープニングを飾る "Hold On" (ホールド・オン)が一番人気ですが、既に色々なところで紹介されているようなので、今回は3曲目に入っているこの曲にしてみました。

泥臭い音です。 全然洗練されていません。 演奏も荒削りだけど、聴いてて気持ちがいいです。
この人たち、何も無いアメリカ南部の田舎町で演奏している時は普通なんでしょうが、それが都市部のラジオから流れてくると、とても新鮮な気分になれます。 格好なんてどうでもいい、「音を楽しむ」って本来こうしたことだと思い出させてくれた、それが最初に聴いた時の印象でした。

プリテンダーズのクリッシー・ハインドみたいにギターが似合う女性ロッカーもカッコいいのですが、このアラバマ・シェイクスのギター&ヴォーカリストのブリタニー・ハワードときたら、眼鏡をかけた太目の黒人オバさんといった風貌で、それがギターを弾いて歌っている姿は逆に新鮮でした。 今までに居なかったタイプではないでしょうか?

グループ名は最初シンプルに「シェイクス」だったそうですが、既に同じ名前のグループがいたので、「アラバマ」が後から付いたとか。 どこまでもシンプルで分かりやすいです。

"Hold On" (踏ん張れ/持ちこたえろ)といったタイトルの曲は他にも色々ありますが、こちらの "Hang Loose" は「気を楽に」とか「リラックスして」という、正に逆の意味になります。 「クヨクヨと心配してないで、気を楽にして、リラックスして」―という、ある意味能天気な歌でもあります。 私はこちらの方が好きですけど・・・


( L to R) 左から右へ:
Steve Johnson (スティーブ・ジョンソン) – drums, percussion, backing vocals
Brittany Howard (ブリタニー・ハワード) – lead vocals, guitar
Heath Fogg (ヒース・フォッグ) – lead guitar, backing vocals
Zac Cockrell (ザック・コックレル) – bass, backing vocals
  Additional musicians:
    Micah Hulscher – piano and organ on "Hang Loose"

Grooveshark で、Hang Loose 『ハング・ルーズ』を聴く: (2:26)

  ●歌詞と対訳●

[1]
Don't worry, sweet baby!
  クヨクヨしないで、 愛(いと)しいあなた

Don't you ever worry about a thing.
  そんなことで 心配しないで 

Put them worries on the shelf,
  心配事は ひとまず棚上げして

'n' learn to love yourself
(and)   自分を愛することを 学ぶことね

Don't be your own worst enemy.
  自分自身を 敵に回したりしないで

(Chorus)
Hang loose, hang loose
  気を楽にして、 リラックスして

Let the ocean worry about being blue.
  ブルー(憂鬱)になるのは オーシャン(海)に任せておいて

Hang loose, hang loose.
  気を楽にして、 リラックスして  

Go with the tide 'n' I'ma take care of you.
  流れに身を任せて、 あなたの面倒は私が見てあげるから

 
[2]
Come with me, sweet darling.
  私と一緒に来て、 愛しいあなた

I got a seat ya ticket for the plane.
  あなたのために 飛行機のチケットを手に入れたから

We gonna fly to Waikiki,
  (ハワイの)ワイキキまで飛んで行きましょう  

it'll just be you and me.
  いつもの様に あなたと私で  

And we'll let the sun melt our cares away.
  心配事なんか 太陽に溶かして 消してしまいましょう

(Chorus)
Hang loose, hang loose
  気を楽にして、 リラックスして

Let the ocean worry about being blue.
  ブルー(憂鬱)になるのは オーシャン(海)に任せておいて

Hang loose, hang loose.
  気を楽にして、 リラックスして  

Go with the tide 'n' I'ma take care of you.
  流れに身を任せて、 あなたの面倒は私が見てあげるから


Alright, we gonna be alright.
  大丈夫、 私たち うまくやれるから

Alright, you're gonna be alright!
  大丈夫、 あなたはきっと うまくやれるはずだから

Hang loose.  気を楽にして

Hang loose!  リラックスして!

Hang loose.  気を休めて

Hang loose.   落ち着いてちょうだい


※ don't worry: 心配しないで、クヨクヨしないで、大丈夫。
※ sweet: 愛(いと)しい人、愛する人、恋人。
※ don't you ever: 1.~しないで。 2.~(今まで)したことがないの?
※ worry about: ~について心配する、~を気にする。
worry about a (small) thing:(些細な)ことを気にする(気に病む)。

※  'n': and を短く詰めて発音すると、こうなります。 他にも略字が色々出てきますが、読みにくいので普通の表記に戻しておきました。
※ put .. on the shelf: ~を棚上げする。
※ (be one's) own worst enemy: 我と我が身を損なう。
 【ことわざ】 Every man is his own worst enemy: 誰でも自分自身が最大の敵。

※ hang loose: (米話)気楽に行こう、リラックスして。 くつろいだ気分になる。
※ worry about being: ~するのではないかと心配する。
※ blue: ブルー。この場合は「憂鬱な気分になる」ですが、オーシャン(大洋)とブルー(海の色)を掛けている訳です。 
※ go with the tide: (時代の)流れに身を任せる。 (世間に)順応する。
※ I'ma: 1.(米黒人俗)= I'm going to の略。 2.I am a の短縮形。
※ take care of you: あなたの世話をする、 君の面倒をみる。

※ I got a seat: 座席に着く。
※ ya = you のこと。
※ ticket for: ~のチケット。
※ gonna = going to ~しようとする、~するつもりだ。
   
※ just be : いつものように、ありのままの、自然体でいる。
※ melt away: 溶けて無くなる、徐々に消え失せる、融解する。
※ alright = all right: 大丈夫。
 gonna (going to) be all right: 大丈夫だから、 うまく行くから。
       

テーマ : 洋楽歌詞対訳
ジャンル : 音楽

プロフィール

Sumi Haruo

Author:Sumi Haruo
昨年まで老母の介護をしていました。 古い記事へのコメントも大歓迎です。
※記事へのリンクは自由ですが、対訳はあくまでも私個人の解釈なので、訳詞の転載はお断りいたします。
訳詞を掲載したい場合は、記事へのリンクを貼るという形にして下さい。

全記事タイトル表示リンク

全記事タイトルを表示

カテゴリ
最新記事
最新コメント
検索フォーム
FC2カウンター
フリーエリア


累計: 検索エンジン登録
本日: SEO対策
昨日: メール配信

アクセスアップ

Mail Form:メールフォーム

リンク
電子書籍
Amazonから電子書籍を出版しました
QRコード
QR
RSSリンクの表示