388. Pumped Up Kicks パンプト・アップ・キックス

Pumped Up Kicks パンプト・アップ・キックス : Foster the People

フォスター・ザ・ピープル2010年のファースト・シングルで、レコード会社と契約する以前の無名時代にはWeb上から無料でダウンロードできたそうです。
アメリカのビルボード・シングル・チャートで最高3位、カナダでも3位、オーストラリアでは1位を獲得し、全世界で900万枚を売り上げる大ヒットとなりました。 アルバムはその人気を受ける形で翌年リリースされています。


Album : Torches (Import)
  トーチズ
(試聴可)
Released: September 14, 2010 (Album: May 23, 2011)
Written by: Mark Foster (マーク・フォスター)
Produced by: Mark Foster (マーク・フォスター)
  フォスター・ザ・ピープル:
(L to R) Pontius (Dr), Foster (Vo, G), Fink (B)
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ノリの良い軽快な楽曲とは裏腹に、歌詞の内容は銃乱射事件の少年を扱った暗いものになっています。 ベーシストのキュービィ・フィンクは、実際に従姉妹(いとこ)がそうした事件から生き残ったという経験をしているそうで、曲を書いたマーク・フォスターもハイ・スクール時代はいじめにあっていたというから、かなり現実的なことなのでしょう。

銃社会のアメリカでは子供でも簡単に銃に触れることができるから、日本にいてもそうしたニュースは時々耳にします。
この歌詞に登場する少年は、両親が離婚して現在は父親と二人で暮らしており、父親は昼間は仕事で居ないことが多く、おそらく学校では馬鹿にされたりいじめられたりしているサエない若者なのでしょう。
それが父親の留守中にクローゼットの中から6連発の銃を見つけ、早撃ちの真似事をしているうちに段々と妄想が膨らんで、ついには復讐を実行しようとする・・・といった内容のようです。

タイトルにある "kicks" はアメリカの俗語でスニーカーのことで、"pumped up kicks" で画像検索すると色々なタイプのスニーカーが出てきますが、主に若者に人気のカッコいい「ハイ・カットのスニーカー」ということのようです。
そしてその前にある "all other kids" (俺以外のガキども)の"kids" と "kicks" を並べて韻(いん)を踏んでいる訳で、要するに「カッコいいスニーカーを履いている俺以外のガキども」に対して銃を向け、「俺の銃から逃げてみな」―というフレーズがコーラスで何度も繰り返されます。

殺伐とした内容ですが、銃社会のアメリカでは避けて通れない問題であり、これはイジメをやっている子供たちに対する警告を含んでいると考えることもできる訳で、あえて採り上げてみることにしました。 「イジメをやると、こんな風に銃で撃たれることもあるぜ」―というメッセージは、アメリカではかなりのリアリティ(現実味)があると思います。 もっとも、真似をされても困るのですが・・・

今年(2014年)の3月18日には、彼らのセカンド・アルバム「Supermodel」/「スーパーモデル」がリリースされるとのことです。



Mark Foster(マーク・フォスター) – vocals, programming, synthesizer, guitar
Cubbie Fink(キュービィ・フィンク) – bass, background vocals
Mark Pontius(マーク・ポンティアス) – drums, percussion, background vocals

Grooveshark でPumped Up Kicks 『パンプト・アップ・キックス』を聴く: (4:00)

  ●歌詞と対訳●

[1]
Robert's got a quick hand.
  ロバートは 早撃ちの腕を身に付けた

He'll look around the room,
   奴は部屋の中を 見回してみるけど

He won't tell you his plan.
   そのプラン(計画)を 人に話すつもりはない

He's got a rolled cigarette,
  あいつは 巻きタバコを手に取り

Hanging out his mouth
   そいつを口にくわえて

He's a cowboy kid.
   奴はカウボーイ気取りの少年さ

Yeah, he found a six shooter gun.
  そうさ、 奴は6連発銃を見つけたんだ

In his dads closet hidden in a box of fun things,
 父親のクローゼットに隠してあった ヤバイ箱の中にあった物(ブツ)さ 

and I don't even know what.
  それが一体何なのか 俺にも分かんないけど

But he's coming for you,
   でも奴は お前らのところへ行くぜ

Yeah, he's coming for you.
  そうさ、 奴はお前らに襲いかかるんだ

[Chorus x2:]
All the other kids with the pumped up kicks -
  カッコいいスニーカーを履(は)いた 俺以外のキッズ(坊や)たち

You'd better run, better run, outrun my gun.
  逃げた方がいいぜ、逃げた方が、 俺の銃から逃げてみな

All the other kids with the pumped up kicks -
  流行(はや)りのスニーカーを履いた 俺以外のクソガキども

You'd better run, better run, faster than my bullet.
 逃げた方がいいぜ、逃げてみな、 俺の弾(たま)よりも速く


All the other kids with the pumped up kicks -
  カッコいいスニーカーを履いた 俺以外のキッズ(坊や)たち

You'd better run, better run, outrun my gun.
  逃げた方がいいぜ、逃げた方が、 俺の銃から逃げてみな

All the other kids with the pumped up kicks -
  流行りのスニーカーを履いた 俺以外のクソガキども

You'd better run, better run, faster than my bullet.
 逃げた方がいいぜ、逃げてみな 、俺の弾丸よりも速く

[2]
Daddy works a long day.
   親父は 一日中働いてて

He be coming home late,
  家に帰るのは 遅くなってからだ

Yeah, he's coming home late.
  そうさ、夜遅くなってから帰ってくるのさ

And he's bringing me a surprise.
  でも何か サプライズ(思いがけないプレゼント)があるかも

'Cause dinner's in the kitchen -
   だって キッチンには夕飯を用意して

and it's packed in ice.
   それを(ちゃんと) 冷蔵してあるんだから

I've waited for a long time.
   俺は長いこと ずっと待ってたんだ

Yeah, the slight of my hand is -
   そうさ、俺のちょっとした手腕は、

now a quick pull trigger,
   今じゃ 素早く引き金を引けるのさ

I reason with my cigarette,
   俺はくわえたタバコに その理由(わけ)を説明するけど
 
And say, your hair's on fire,
   でもなぁ、 誰だって髪の毛に火がつきゃ
 
You must have lost your wits, yeah.
   そいつは 正気を失うってもんさ、 そうだろ  

[Chorus x2:]
All the other kids with the pumped up kicks -
  カッコいいスニーカーを履(は)いた 俺以外のキッズ(坊や)たち

You'd better run, better run, outrun my gun.
  逃げた方がいいぜ、逃げた方が、 俺の銃から逃げてみな

All the other kids with the pumped up kicks -
  流行(はや)りのスニーカーを履いた 俺以外のクソガキども

You'd better run, better run, faster than my bullet.
 逃げた方がいいぜ、逃げてみな、 俺の弾(たま)よりも速く


All the other kids with the pumped up kicks -
  カッコいいスニーカーを履いた 俺以外のキッズ(坊や)たち

You'd better run, better run, outrun my gun.
  逃げた方がいいぜ、逃げた方が、 俺の銃から逃げてみな

All the other kids with the pumped up kicks -
  流行りのスニーカーを履いた 俺以外のクソガキども

You'd better run, better run, faster than my bullet.
 逃げた方がいいぜ、逃げてみな、 俺の弾丸よりも速く

[Whistling] (口笛)

[Chorus x4:]
All the other kids with the pumped up kicks you'd better run, better run, outrun my gun.
All the other kids with the pumped up kicks you'd better run, better run, faster than my bullet.

All the other kids with the pumped up kicks you'd better run, better run, outrun my gun.
All the other kids with the pumped up kicks you'd better run, better run, faster than my bullet.

All the other kids with the pumped up kicks you'd better run, better run, outrun my gun.
All the other kids with the pumped up kicks you'd better run, better run, faster than my bullet.

All the other kids with the pumped up kicks you'd better run, better run, outrun my gun.
All the other kids with the pumped up kicks you'd better run, better run, faster than my bullet.


※ hand: 腕前、手腕。
※ look around: 周囲を見回す。
※ (hand) rolled cigarette: (手)巻きタバコ。
※ hang out: 1.(物を)外側に垂らす、外につるす。 2.ぶらつく、うろつく。
※ six shooter (gun): 6連発の(拳銃)。
※ I don't even know what: 自分にも何か分からない。
※ come for: ~に向かってくる、~の方に迫ってくる、 ~に襲いかかる。

※ all the other: 他の全ての、自分以外のすべての。
※ pump up: (俗)~を夢中にさせる、~を熱狂させる。
※ kicks: 〈米黒人俗〉スニーカー。
 "pumped up kicks" で画像検索すると色々出てきますが、主にハイ・カットのスニーカー。 "kids" と "kicks" で韻を踏んでいます。

※ better run: 逃げた方がいい。 (直訳すると「走った方がいい」)
※ outrun: ~よりも速く走る、 ~から逃げ切る、 ~を振り切る。
※ faster than..: ~よりも速く。
※ bullet: 銃弾、弾丸。

※ a long day: (忙しくて)長い一日、大変な一日。
※ come home late: 帰宅(家に帰るの)が遅くなる。
※ bring someone a surprise (gift for): ~を驚かす(贈り物をもたらす)
※ packed in (dry) ice: (ドライ)アイスと一緒に(箱などに)収める。
※ wait for a long time: 長いこと(長時間)待つ。

※ slight: 小さな、わずかな、ちょっとした。
※ trigger: (銃などの)引き金。
※ reason with: 事情を説明する、 言って聞かせる。
※ say: (呼びかけの言葉で)なあ、ねえ、ところで。
※ on fire: 火がつく、火事になる。
※ lose one's wits: 正気を失う。        

テーマ : 洋楽歌詞対訳
ジャンル : 音楽

387. Set Fire To The Rain セット・ファイア・トゥ・ザ・レイン

Set Fire To The Rain セット・ファイア・トゥ・ザ・レイン : Adele アデル

アデル2011年のセカンド・アルバムから、ヨーロッパ諸国でセカンド・シングル、本国イギリスとアメリカではサード・シングルとなったこの曲を選んでみました。 アメリカとオランダのシングル・チャートで1位、カナダでは2位のヒットとなっています。


Album : 21(UK盤) (Import)
  21
(試聴可)
Released: 4 July 2011
Written by: Adele Adkins, Fraser T Smith
Produced by: Fraser T Smith
  アデルについて:
Adele
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アデルが19歳の2008年にリリースされたファースト・アルバム「19」からは、「Chasing Pavement」(チェイシング・ペイヴメンツ:337回目)を採り上げたことがありました。

これはその3年後の2011年、アデル22歳の時にリリースされたアルバムからのサード・シングルです。 このアルバムからは5曲がシングル・カットされ、1st~3rdまでが全米1位の大ヒットとなっています。
アルバム自体もその年のアルバム・セールス年間チャートで全世界で1,530万枚を売って1位、更に翌年も920万枚を売り上げて2年連続の1位を獲得しました。
第54回グラミー賞ではノミネートされた6部門全てを受賞しています。

そうした数字もさることながら、歌声を聴いただけで並みの22歳でないことはすぐに分かるでしょう。 いや、すごい22歳で、おそらく30歳の女性シンガーが歌っていると言われても通用しそうです。

ところで以前に採り上げた「Chasing Pavement」と同じく、これも失恋の歌です。 それも失恋ソングと呼べるような生やさしいものではなく、「一途な女の情念が、自分を裏切った男を焼き焦がしてしまう」―というすさまじい内容となっています。
私はこの歌詞を訳しながら、自分をだました男をどこまでも追いかけ、ついには大蛇に化身して鐘の中に隠れた男を焼き殺したという「安珍・清姫」の昔話を思い出しました。

この歌詞はコーラスの部分が抽象的な表現で分かりにくいのですが、自分をだました男に対する仕打ちは相手を焼き殺してしまうほどだということなのでしょう。 現実にそれをやったら殺人罪になってしまうから表現上のことだとは思いますが、「裏切った男の居るバーまで出向いていって、その男にパンチを喰らわせた」―くらいのことは実際にやっているようです。 この歌詞も現実のものとならなければ良いのですが・・・



Grooveshark でSet Fire To The Rain 『セット・ファイア・トゥ・ザ・レイン』を聴く: (4:02)

  ●歌詞と対訳●

I let it fall, my heart,
  落ち込むに任せていた、私の心

And as it fell you rose to claim it
  その落ち込んでいた時に、あなたが現れ それ(私の心)を求めてきた

It was dark and I was over
  そんな暗闇で、私はもう終わっていたの

Until you kissed my lips and you saved me
  あなたが私の唇にキスをして、私を救ってくれるまでは

My hands, they're strong
  私の両手は、 強いけど

But my knees were far too weak,
  でもこの両膝ときたら、あまりにも弱すぎる

To stand in your arms
  あなたの腕の中にいて

Without falling to your feet
  支えてくれるあなたに 寄りかかることができない時には


But there's a side to you
  でも あなたの別の側面

That I never knew, never knew.
  それは私の知らなかったこと、 決して知らなかったこと  

All the things you'd say
  あなたが言った すべてのこと

They were never true, never true,
  それは決して本当じゃなかった、 本当のことじゃなかった  

And the games you play
  あなたは(恋という)ゲームで あそんでいるだけで

You would always win, always win.
  勝つのはいつも あなたでしょう、 勝つのはいつも

[Chorus:]
But I set fire to the rain,
  でも私は そんな雨に向かって火を放つ

Watched it pour as I touched your face,
  降りしきる雨を見つめ 私はあなたの顔に(手を)触れた

Well, it burned while I cried
  そう、私が泣いている間に そいつは焼け焦げたのよ

'Cause I heard it screaming out your name, your name!
  だって私は聞いたから、 あなたの名を大声で呼ぶ声を、 あなたの名前を!
  

When I lay with you
  わたしが あなたと一緒に寝ていた時は

I could stay there
  そこで そうしていることができた

Close my eyes
  両目を閉じて

Feel you here forever
  あなたがずっと そこにいる気がしてた

You and me together
  あなたと私が 一緒にいても

Nothing gets better
  何も 良くなることはない

'Cause there's a side to you
  だって あなたの別の一面 

That I never knew, never knew,
  それは私の知らなかったこと、 決して知らなかったこと

All the things you'd say,
  あなたが言った すべてのこと

They were never true, never true,
  それは決して本当じゃなかった、 本当のことじゃなかった

And the games you'd play
  あなたは(恋という)ゲームで あそんでいただけで

You would always win, always win.
  勝つのはいつも あなたでしょう、 勝ち誇るのはいつも

[Chorus:]
But I set fire to the rain,
  でも私は そんな雨に向かって火を放つ

Watched it pour as I touched your face,
  土砂降りの雨を見つめ 私はあなたの顔に(手を)触れた

Well, it burned while I cried
  そう、私が泣いている間に そいつは焼け焦げたのよ

'Cause I heard it screaming out your name, your name!
  だって私は聞いたから、 あなたの名を大声で叫ぶのを、 あなたの名前を!

I set fire to the rain
  私はそんな雨に向かって 火を放つ

And I threw us into the flames
  私は燃えさかる炎の中に 私たちを投げ込んだ

When it fell, something died
  それが崩れ落ちた時、 何かが死んだの

'Cause I knew that that was the last time, the last time!
  だって私は それが最後だと知っていたから、 最後だって!


Sometimes I wake up by the door,
  時々私は 扉のそば(の床の上)で目を覚ます

That heart you caught must be waiting for you
  それはあなたが捕らえた (未だに)あなたを待ち続けている私の心

Even now when we're already over
  私たちが既に終わってしまった 今となってさえ  

I can't help myself from looking for you.
  私は あなたを探さずにはいられないから

[Chorus:]
I set fire to the rain,
  私は そんな雨に向かって火を放つ

Watched it pour as I touched your face,
  降りしきる雨を見つめ 私はあなたの顔に(手を)触れた

Well, it burned while I cried
  そう、私が泣いている間に そいつは焼け焦げたのよ

'Cause I heard it screaming out your name, your name!
    だって私は聞いたから、 あなたの名を大声で呼ぶ声を、 あなたの名前を!

I set fire to the rain
  私はそんな雨に向かって 火を放つ

And I threw us into the flames
  私は燃えさかる炎の中に 私たちを投げ入れた

When it fell, something died
  それが崩れ落ちた時、 何かが死んだの

'Cause I knew that that was the last time, the last time,
  だって私は それが最後だと知っていたから、 最後だって

Oh noooo  あゝ・・・

Let it burn   燃えろ

Let it burn  燃えるがいい

Let it burn!  燃えてしまえ!


※ let it ..: ~しろ。 ~するに任せる。
【例】:let it rain (snow):雨(雪)よ降れ、 降るなら降れ、 降るがままにしておけ。
【例】:let it be: 放っておけ、なるがままになれ。 (構わず)そのままにしておいて、放っておいて。

※ fell: fall (落ち込む)の過去形。
※ rose: rise (立ち上がる、起き上がる)の過去形。
※ claim: 要求する、求める。

※ saved me: (私が)救われた、助かった。
※ far too: あまりに~過ぎる。
※ stand in ..: ~に並ぶ、~の前に立つ。
※ to one's feet: (その人が)脚で立っている(状態)

※ set fire to: ~に火をつける、~に火を放つ、~を焼き討ちする。
※ pour (rain): 土砂降りの(雨)
※ burned: 焼けた、焼け焦げた、黒焦げになった、火傷(やけど)した。
※ scream out: 金切り声をあげる、大声で叫ぶ、悲鳴を上げる。
※ hear (someone) call one's name: (誰かが人の)名を呼ぶ声が聞える。 
(このあたり抽象的な表現で色々な解釈ができますが、正直書いた本人でないから真意のほどは分かりません)

※ get better: 良くなる、良い方向にむかう。
※ last time: 1.最後の。 2.前回の。
※ even now: 今でさえ、今もなお。
※ I can't help myself: 我慢できない。 自分でも~を抑えられない。
※ looking for you: あなたを探し回る。
 この前の "waiting for you" (あなたを待ち続ける)と並べて韻を踏んでいる。    

テーマ : 洋楽歌詞対訳
ジャンル : 音楽

386. Sleepwalker スリープウォーカー

Sleepwalker スリープウォーカー : The Wallflowers ザ・ウォールフラワーズ

ザ・ウォールフラワーズ三作目のアルバムから、ファースト・シングルとなったこの曲を採り上げてみました。


Sleepwalker
Album : Breach
  ブリーチ
(試聴可)
Released: October 10, 2000 (Album)
Written by: Jakob Dylan (ジェイコブ・ディラン)
Produced by: Andrew Slater & Michael Penn
  ザ・ウォールフラワーズ
Michael (G), Jakob (Vo, G), Greg (B), Rami (Key)
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ウォールフラワーズはジェイコブ・ディランを中心としたグループです。 曲を書いて歌うジェイコブにばかりスポット・ライトが当たるのは仕方ないとして、PV(プロモーション・ヴィデオ)を見ていると映っているのはジェイコブ一人で、他のメンバーがバック・バンドのような扱いになっているのは感心しません。
だから次のアルバムの頃にはギターのマイケルが抜け、その次のアルバムではドラムのマリオが抜けてしまいます。

その後レコード会社との契約が切れて一時期解散状態となり、2012年に7年ぶりの復活アルバム「Glad All Over」(グラッド・オール・オーバー)が出た時には、オリジナル・メンバーはベースのグレッグとキーボードのラミだけになっていました。
「Glad All Over」では作詞のみジェイコブ・ディランで、作曲はバンドのメンバー全員の名前がクレジットされているのは、メンバーを大切にしようというジェイコブの気持ちの表れでしょう。 ちなみに「Glad All Over」というアルバム・タイトルは、「またやり直せてうれしい」といった意味になります。

全世界で600万枚を売り上げた前作、「Bringing Down the Horse」(ブリンギング・ダウン・ザ・ホース)に比べると大きなヒット曲はありませんが、2009年に発売されたベスト版「Collected: 1996-2005」には、このアルバムから1~4曲目までの4曲が収められていました。(なかなか良い選曲で、入門編としてお勧めできます)

翻訳者泣かせで意味不明のフレーズが出てくるところは父親譲りのジェイコブ・ディランですが、コーラスの二行目にある歌詞、
Sam Cooke didn't know what I know
サム・クックは ぼくの知ってることを知らなかった

―は、サム・クックの有名なヒット曲「Wonderful World」(ワンダフル・ワールド:69回目)で繰り返されるフレーズ、
Don't know much about history   歴史については 多くを知らない
Don't know much biology   生物学も ほとんど知らない

―という、「Don't know much about(~なんて知らない)」のことを指しているのでしょう。 先人をリスペクト(尊敬)しているのか、それとも皮肉で使っているのか知りませんが・・・


Jakob Dylan (ジェイコブ・ディラン): lead vocals and guitar
Rami Jaffee (ラミ・ジャフィー): keyboards and vocals
Greg Richling (グレッグ・リッチリング): bass guitar
Michael Ward (マイケル・ウォード): lead guitar and vocals
Mario Calire (マリオ・キャリル): drums and percussion
  Additional musician : Matt Chamberlain: drums

Grooveshark で、Sleepwalker 『スリープウォーカー』を聴く: (3:31)

  ●歌詞と対訳●

[1]
Maybe I could be the one they adore
  もしかしてぼくは 世間が崇(あが)める者になれるかもしれない

That could be my reputation
  それは ぼくの評判を上げることだろう

It's where I'm from that lets them think I'm a whore
  そこがぼくの出発点、 世間の人に ぼくを娼婦と思わせるところ 

I'm an educated virgin
  ぼくは やっと知恵を身に着けたばかりの初心者さ

Sleepwalker, don't be shy
  夢遊病者よ、 臆病にならないで

Now don't open your eyes tonight
  きみの両目は まだ開かないけど、今夜

You'll be the one that defends my life
  きみはぼくの生活を守る者になるだろう

While I'm dead asleep dreamin'
  ぼくが熟睡している時に見る 夢の間に
  

(Chorus)
Cupid, don't draw back your bow
  (恋愛の神)キューピッド、お前の弓矢になんか たじろぎはしない

Sam Cooke didn't know what I know
  (歌手の)サム・クックは ぼくの知ってることを知らなかった

I'll never be your valentine
  ぼくは二度と きみらの(聖)ヴァレンタインにはならないよ

The sleepwalker in me
  その夢遊病者は ぼくの中にいる

And God only know that I've tried
  ぼくが努力したことは 神だけが知っていることさ

[2]
Let me in, let me drown or learn how to swim
 ぼくも(仲間に)入れてくれ、ぼくを溺(おぼ)れさせるにせよ、泳ぎ方を学ばせるにせよ

Just don't leave me at the window
  ぼくを窓辺で 独りきりにしないで

I could be the one to be your next best friend
  ぼくはきみの 二番目の親友になれるかもしれないから

You may need someone to hold you
  きみには誰か 抱きしめてくれる人が必要だから

Sleepwalker, take this knife
  夢遊病者よ、このナイフを受け取ってくれ

You may see someone tonight
  君は誰かと会うだろう、今夜

You'd be the one that saves my life
  きみはぼくの生活を守る者にはなれないだろう

When I'm dead asleep dreamin'
  ぼくが死のような深い眠りで 夢を見ている時に

(Chorus)
Cupid, don't draw back your bow
  キューピッド、 お前の弓矢になんか たじろぎはしない

Sam Cooke didn't know what I know
  あのサム・クックは ぼくの知ってることを知らなかった
 
I'll never be your valentine
  ぼくはもう二度と きみらの(聖)ヴァレンタインにはならないよ

The sleepwalker in me
  その夢遊病者は ぼくの中にいる

And God only know that I've tried
  でもぼくが努力したことなんて 誰も知りはしないのさ

[Bridge]
I'm in your movie and everyone looks sad
  ぼくはきみらの映画の中にいるけど 誰もが悲しそうに見える

But I can hear you, your voice, the laugh track
  でもぼくには聞える、きみたちの声が、録音された(効果音の)笑い声が

But you never saw my best scene
  きみらはまだ ぼくの最高のシーンを観たことがない

The one where I sleep
  ぼくが眠っている その一場面を
  
Sleepwalk into your dreams
  夢遊歩行しながら きみたちの夢の中へと入って行くところを


[3]
Now, sleepwalker, what's my line
  ところで、夢遊病者よ、ぼくの台詞(せりふ)は何だい

It's only a matter of time
  それって単に時間の問題だろ

Until I learn to open up my eyes
  ぼくが この両目の開け方を学ぶまでの

When I'm dead asleep dreamin'
  ぼくが深い眠りの中で 夢を見ている時に

(Chorus)
Cupid, don't draw back your bow
  キューピッド、 お前の弓矢になんか たじろぎはしない

Sam Cooke didn't know what I know
  あのサム・クックは ぼくの知ってることも知らなかった

I'll never be your valentine
  ぼくはもう二度と きみらの(聖)ヴァレンタインにはならないよ

The sleepwalker in me
  その夢遊病者は ぼくの中にいる

Now, the sleepwalker in me
  その夢遊病者は ぼくの中にいる

Now, the sleepwalker in me
  その夢遊病者は ぼくの中にいるんだ

And God only know that I've tried
  ぼくが努力したことは 神だけが知っていることさ


※ adore: 尊敬する、崇拝する、あがめる。
※ reputation: (一般の人が抱く)評判、高い評価、良い評判。
※ whore: 売春婦、娼婦、淫売女。
※ educated: 教育を受けた、教養のある。
※ virgin: 1.処女、童貞。 2.(俗)未経験者。

※ sleepwalker: 夢遊病者。
※ don't be shy: 恥ずかしがらないで、内気にならないで、遠慮しないで。
※ defend: 防御する、守る。 擁護する、肩を持つ。
※ dead sleep: 熟睡、深い眠り。

※ cupid: キューピッド(ヴィーナスの息子で、愛の神)。
cupid's bow :キューピッドの弓。 bow は「弓」のこと。
※ draw back: 1.後ずさりする、引き返す。たじろぐ。 2.(約束を)引っ込める。
※ Sam Cooke: (歌手の)サム・クック。 おそらく「Wonderful World」の歌詞「~なんか知らない」に掛けているのでしょう。

※ I'll never be ..: もう二度と~しない、できない。  
※ valentine: 聖ヴァレンタイン。紀元三世紀、ローマ皇帝の「結婚すると兵役がおろそかになるので、兵士は結婚してはならない」という命令に背き、若者たちを結婚させていた。 のちに見つかって処刑され、キリスト教の殉教者となった人物。

※ god only knows: 神のみぞ知る。(神以外の)誰にも分からない。
※ let me in: 私も入れて(参加させて)下さい。
※ drown: おぼれさせる、溺死させる。
※ learn how to ..: ~する方法を学ぶ。
※ next best: 二番目の、次に最も良い。

※ laugh track: (番組用にあらかじめ)録音された笑い声。
※ line: (役者の)セリフ、一節。 (詩の)一行。
※ only a matter of time: 単なる時間の問題。
    

テーマ : 洋楽歌詞対訳
ジャンル : 音楽

385. A Love That Will Never Grow Old

A Love That Will Never Grow Old
 ア・ラヴ・ザット・ウィル・ネヴァー・グロウ・オールド : Emmylou Harris エミルー・ハリス

2005年の映画「ブロークバック・マウンテン」のオリジナル・サウンドトラックから、エミルー・ハリスの歌うこの曲を採り上げてみました。 この曲は第63回ゴールデン・グローブ賞で最優秀オリジナル・ソング賞を受賞しています。


Alubm : Brokeback Mountain
ブロークバック・マウンテン

Released: November 1, 2005
Written by: Bernie Taupin, Gustavo Santaolalla
Produced by: Gustavo Santaolalla
  エミルー・ハリスについて:
Emmylou Harris
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この曲を含むサウンドトラック・アルバムは、Gustavo Santaolalla (グスターボ・サンタオラヤ)という人が作曲とプロデュースを担当し、自分でギターの演奏もしています。 アカデミー賞では、"Original Music Score" を受賞しました。 
アルバムではこの人のギター演奏の合間にゲスト・ミュージシャンの歌が流れるという構成で、ウィリー・ネルソン、エミルー・ハリス、テディ・トンプソンといったカントリー系の人たちの他に、ルーファス・ウェインライトも参加しています。

この曲の歌詞を書いたのは、エルトン・ジョンとのコンビで有名なバーニー・トーピンです。 バーニー・トーピンが書いた歌詞にはもう一曲あって、テディ・トンプソンが歌う、
"I Don't Want to Say Goodbye" (アイ・ドント・ウォント・トゥ・セイ・グッドバイ)も良い曲なので、聴いてみて下さい。 「サヨナラなんて言いたくない」という意味のタイトルです。
 
今回は個人的に好きなエミルー・ハリスの方を選びましたが、彼女の声で歌われるだけで陳腐になりそうな歌詞でさえ、何だか特別なものに聞えてしまいます。


 Emmylou Harris : Lead vocals
 Gustavo Santaolalla : Guitar
 Anibal Kerpel : Organ, Bass
 Gabe Witcher : Fiddle
 Bob Bernstein : Pedal Steel Guitar

Grooveshark で、A Love That Will Never Grow Old
  『ア・ラヴ・ザット・ウィル・ネヴァー・グロウ・オールド』を聴く:
(3:21)

  ●歌詞と対訳●

[1]
Go to sleep, may your sweet dreams come true
  おやすみなさい、 あなたが良い夢を見られますように

Just lay back in my arms for one more night
  ただこの両腕にもたれかかって もう一夜を過ごして

I've this crazy old notion that calls me sometimes
  時々耳にする こんな古くさい諺(ことわざ)みたいな

Saying this one's the love of our lives.
  「この私たちの暮らしを愛してる」、なんて 使い古された言葉でも 

[Chorus]
'Cause I know a love that will never grow old
  だって、愛は決して変わらないことを 知っているから

And I know a love that will never grow old.
  愛は決して古びることはないと 分かっているから


[2]
When you wake up the world may have changed
  あなたが目覚めた時、 世界が変わっていたとしても

But trust in me, I'll never falter or fail
  私を信頼して、 私は決してためらったり裏切ったりしないから 

Just the smile in your eyes, it can light up the night,
  あなたの瞳に微笑みさえ浮かんでいれば、暗い夜でも明るく照らしてくれる

And your laughter's like wind in my sails.
  あなたの微笑みは まるで私の(船の)帆に風を送ってくれるみたいだから

[Chorus]
'Cause I know a love that will never grow old
  だって、愛は決して変わらないことを 知っているから

And I know a love that will never grow old.
  愛は決して古びることはないと、 分かっているから

(間奏)

[3]
Lean on me, let our hearts beat in time,
  私に寄りかかって、 私たちの鼓動の拍子を合わせましょう

Feel strength from the hands that have held you so long.
  あなたに長いこと抱きしめられて その両手の力を感じてる

Who cares where we go on this rutted old road
  私たちが歩く こんな古い轍(わだち)だらけの道など 誰も気にかけないし

In a world that may say that we're wrong.
  この世界は 私たちが間違っていると言うかもしれないけど

[Chorus]
'Cause I know a love that will never grow old
  でも、愛は決して変わらないことを 知っているから

And I know a love that will never grow old.
  愛は決して古びることはないと 私には分かっているから



※ go to sleep: 1.眠りにつく。 2.眠りなさい、寝なさい。
※ dreams come true: 夢がかなう、夢が実現する。
※ lay back: 1.後ろに寄りかかる。 2.のんびりやる、リラックスする。
※ one more night: もう一泊する。
※ old notion: 昔からの概念、 古くさい考え。

※ saying: ことわざ、格言、言い習わし。
※ never grow old: 決して古くならない、歳をとらない。
【ことわざ】Truth never grows old (真実は決して古くはならない)
True love never grows old (真の愛は古びることはない)

※ trust in me: 私を信頼(信用)して。
※ light up: 明るくする、照らし出す。
※ wind in one's sail: 帆に風を受ける。

※ lean on me: 私にもたれて。 私を頼りにして。
※ in time: 調子を合わせて、 拍子をそろえて。
※ strength from..: ~からの力を得る(引き出す)。
※ rutted road: 轍(わだち)のついた道。 (轍は車輪の通った跡)  

テーマ : 洋楽歌詞対訳
ジャンル : 音楽

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Sumi Haruo

Author:Sumi Haruo
昨年まで老母の介護をしていました。 古い記事へのコメントも大歓迎です。
※記事へのリンクは自由ですが、対訳はあくまでも私個人の解釈なので、訳詞の転載はお断りいたします。
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