歌詞の翻訳について


 歌詞の翻訳に完璧なものはありません。 短い言葉で綴(つづ)られている歌詞には意味の分かりにくいものが多く、詩は別の国の言葉に翻(ひるがえ)した時点で韻律や言葉の持つ響きは失われてしまうからです。 日本の和歌や俳句を英語に翻訳したとして、(他の人の訳文を参考にしない限り)十人十色の訳し方になるでしょう。

あかねさす 紫野行き 標野(しめの)行き 野守は見ずや 君が袖振る (額田王)

みさぶらひ み笠と申せ 宮城野の この下露は 雨にまされり (詠み人知らず) 

 これらは万葉集や古今和歌集にある有名な句で、上は「むらさ のゆ しめのゆ」で韻を踏んでおり、下は仙台にある宮城野(みやぎの)に合わせて「御侍」「御笠」の「御」をわざわざ「み」と読むことで、「さぶらい かさともうせ やぎのの」として韻を踏ませている訳です。 これらの句は韻律の美しさが魅力の歌なので、私の語学力ではとても翻訳など出来そうにありません。

 韻律を無視して歌の意味を伝えるにしても、普段和歌など読まない人に意味をたずねたとしたら、落語の「ちはやふる」みたいにトンチンカンな解釈が飛び出してくるのではないでしょうか。

千早振る 神代も聞かず 竜田川 からくれなゐに 水くゝるとは (在原業平)

 上の「ちはやぶる」は「神」に掛かる枕詞ですが、日本語の「神」=英語の「God」ではなく、むしろギリシャ神話に登場する人間的な欠点を併せ持った神々のような存在ですから、それを解説無しで表現するのは至難の業です。
 洋楽の歌詞にはその国の文化や歴史や宗教などに関するものも多く、英語以外にも学ぶべきことは色々ありますし、何よりもそれを日本語で表現できなければなりません。 

 このブログにある訳詞は私個人の解釈によるもので、あくまでも「原文の補助」ということですから、「対訳」という形にこだわっているのもそのためです。 訳文は大まかな意味を伝えるための補助的なものとして、原文の持つ言葉の響きを楽しんで下さい。
 
 他人の欠点は目に付きやすいもので色々と文句も言いたくなるでしょうが、自分の欠点に気付く人は少ないし、それを改めようとする人は更に稀です。
 訳詞について何かご意見がある場合は「ここはこう訳した方が良いですよ」という具体的な形にして下さい。 良いお手本があれば他の方にも参考になるでしょうし、誤訳を指摘していただければ修正することも可能ですから。
 
 ただし「もっと英語を勉強しろ」とか「下手くそ」とか「やめちまえ」といった具体性を欠く悪口なら子供でも書ける訳で、そうした方は英語が堪能なのでしょうから、ご自分でもっと良い訳文にして皆さんにお目にかけて下さい。 優れた訳詞であれば、喜んで公開させていただきます。 実際にご自分でやってみれば、歌詞の翻訳は悪口を並べ立てるより、ずっと骨の折れるものだということが分かるでしょう。

追記: コメントについて
 それと、初めてコメントするのに「初めまして」も「こんにちは」も言わず、名無しの匿名でいきなり自説を展開する人がおりますが、最低限の礼儀もわきまえないコメントは不愉快ですので、公開せず削除することにしました。
 面接を受けに行っても名前を名乗らず履歴書も持たず、面接官にいきなりタメグチで話したらまず落とされるでしょう。 まして相手の見えないインターネットの世界であればこそ文面で人柄が想像できるというもので、土足で人の家に上がり込もうとする輩(やから)がいるからドアに鍵をかけておくように、コメントを承認制にしているのはそうした礼儀知らずな人を相手にしたくないからです。

 それから、他の人のコメントに対して何か言うのもブログが荒れる原因になるので公開しません。 自分の意見を聞いて欲しかったら、まず人の意見を尊重することです。 そしてその判断は、それを読む人たちに委ねるようにして下さい。

『人からとやかく言われる様なくだらない人間に限って、まず真っ先に他人の悪口を言うものです』
    (モリエール「タルチュフ」)

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Author:Sumi Haruo
一昨年まで老母の介護をしていました。 古い記事へのコメントも大歓迎です。
※記事へのリンクは自由ですが、対訳はあくまでも私個人の解釈なので、訳詞の転載はお断りいたします。
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