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305. Raining / Cocco (番外編)

Raining / Cocco (こっこ)

 音楽共有サイトの Grooveshark は洋楽だけでなく、探してみたら Cocco の曲もあったので、今回は久々の番外編です。 沖縄のように特殊な環境をバック・グラウンドに持つ人の音楽は、私の耳にはどこか異国の人の歌みたいに響いてくるのです。 それでいて日本語で歌われるからストレートに入って来るのですが、彼女の歌なら歌詞の意味が分からない外国の人にも何かが伝わるのではないでしょうか。


Raining
Alubm : クムイウタ
(Kumuiuta : 試聴可)
Released: March 1998 (Album Released : May 1998)
Written by: Cocco (こっこ)
Produced by: Negishi Takamune (根岸孝旨

  Cocco (こっこ)について:
Cocco
 フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』  

 私が最初に Cocco の歌声を聴いたのは、1997年末のセカンド・シングル 強く儚い者たち (作詞:こっこ/作曲:柴草玲)でした。 レゲエ風の曲調もさることながら、男女間の儚(はかな)さを既に見抜いたような歌詞の内容から、私は24~25歳くらいの女性をイメージしていたものです。 だからその後、Inter FM (インター・エフエム)のゲストとして登場した時、まだ二十歳(はたち)というのを聞いて少し驚きました。 そういえばあのユーミンもその年齢の頃には既に三枚のアルバムを出していましたが、才能のある人というのは総じて早熟なものです。

 私がそのFM番組で印象に残ったのは何といっても彼女の歌なのですが、自分のことを「フツーだよ」と言ってみたり、突然「うんちっちー!」などと奇声を発して番組のパーソナリティを困らせていたことも良く覚えています。 深いシリアスな歌詞を書くのに、人前ではわざと馬鹿みたいな真似をしてはしゃいでみせるところは、中島みゆきとも似ているでしょうか。

 この曲はサード・シングルとしてリリースされ、その後「強く儚い者たち」と共にセカンド・アルバム「クムイウタ」に収められました。 アルバムのタイトルは沖縄の方言で「子守唄」のことだそうですが、その他にもアルバムの最後に「ウナイ」(姉妹)というタイトルの曲が入っています。
 このアルバムには一曲目のようにアカペラで歌う静かな曲もあれば、二曲目では一転してヘヴィな曲が飛び出して来たりもします。 シリアス(真面目)な曲もあれば少しふざけた曲もあり、明るさの中にある暗さ、可愛らしさの中に見え隠れする怖さ、正気と紙一重の狂気といったものが一緒くたになっていて、若い人の心と同様その振幅がかなり激しいのですね。

 彼女の書く歌詞の中には少しあぶない語句も含まれていて、この曲も「髪がなくて 今度は」、「腕を切ってみた」、「切れるだけ 切った」―と、リスト・カット(手首を切る)を思わせるフレーズが出てきます。 ヒット曲重視の売れせん狙いならそうしたマイナス・イメージは当然避けるはずなのですが、彼女は割と好きなようにやらせてもらっているのかもしれません。 いくら才能があっても周りの理解がなければ、そうした芽はすぐに摘まれてしまうものですから。
 それにもかかわらず、彼女の歌はCMで使われたり、この曲も「式日」(しきじつ)という映画のエンディングで使われたりしています。 メロディが良いということもあるのでしょうが、やはり「本当のことを言っている」類(たぐい)まれな歌詞が強く人の心を惹き付けるのでしょう。 そうした強烈な個性というのは磁石と同じで、時に強い反発も招くのですが・・・

 この曲は15歳の頃の彼女の心情を歌ったものということで、既にその頃から温められていたもののようです。 或る女性シンガー・ソング・ライターが、「歌詞の内容が全て実体験だったら、とても身が持たない」と言っていましたが、彼女の場合はどうもその実体験が元になっているようなのです。 そうした心の暗部をのぞくことはある意味怖いことでもありますが、だからこそ強烈なリアリティをもって人の心に響いてくるのでしょう。


Raining / Cocco の 『Raining』 を聴く: (Album Version 5:32)
(※開くまでに時間がかかりますが、のんびりお待ち下さい。 しばらくすると、自動的に再生が始まります)

  ●歌詞と対訳●

[1]   (Japanese Lyrics)   /     (English Translation)
Mama yuzuri no akage wo /  The red hair that I got from my mama (mother)
Futatsu ni tabane-te /  It was divided in two
Mitsuami yurete(i)ta /  My braids swinging

"Naze datta no darou" to, ima mo omou /  I still think "wonder why"
Keredo, mada wakaranai yo /  But, even now I don't know

Shizuka ni seki wo tatte /   I stood up quietly from my seat
Hasami wo nigiri-shimete /  Scissors clenched in my hand, and
Osage wo kiri-otoshita /  Cut off my ponytails

(Chorus 1)
Sore wa totemo hareta hi de /  It was a very bright, sunny day, and
"Mirai nante iranai" to omotte(i)ta /  I thought "I don't need the future"
Watashi wa muryoku de /  I was powerless, and
Kotoba wo erabezu ni /  I couldn't choose my words
Kaerimithi no nioi dake - /  Only the smells on the way home,
yasashikatta /  it was gentle (sweet)
"Ikite yukeru" /  "I can keep living"
Sonna ki ga shiteita /  So I thought

Kyoushitsu de dareka ga waratteta /  Someone laughed in the classroom
Sore wa totemo hareta hi de /  It was a very bright, sunny day


[2]
Kami ga nakute, kondo wa /  I had no hair (my ponytails) left, so this time
Ude wo kitte mita /  I tried cutting my wrist
Kireru dake kitta /  Cut as much as I could
Atatakasa wo kanjita /  I felt warmth
Chi ni mamireta ude de /  With my arm covered in blood
Odotte ita-nda /  I was dancing

Anata ga mou inakute /  You were not here anymore
Soko ni wa nani mo naku-te /  There was nothing there
Taiyou mabushikatta /  The sun was dazzling

(Chorus 2)
Sore wa totemo hareta hi de /  It was a very bright, sunny day
Nakukoto sae dekinakute /  I couldn't even cry
Amarini-mo, daichi wa hateshi-naku /  Too (much), the ground was endlessly
Subete wa utsukushiku /  Everything was beautiful
Shiroi fuku de /  (I was) In white wear, (and)
Tooku kara /  From a distance
Gyouretsu ni narabezu ni /  I couldn't stand in line
Sukoshi utatte(i)ta /  I sung a little

Kyou mitaku ame nara /  If it was a rainy day like today
Kitto nakete(i)ta /  Surely I could cry

(Chorus 1)
Sore wa totemo hareta hi de /  It was a very bright, sunny day, and
"Mirai nante iranai" to omotte(i)ta /  I thought "I don't need the future"
Watashi wa muryoku de /  I was powerless, and
Kotoba wo erabezu ni /  I couldn't choose my words
Kaerimithi no nioi dake /  Only the smells on the way home,
yasashi-katta /  it was gentle (sweet)
"Ikite yukeru" /   "I can keep living"
Sonna ki ga shiteita /  So I thought

Kyoushitsu de dareka ga waratte
(i)ta /  Someone laughed in the classroom
Sore wa totemo hareta hi de... /  It was a very bright, sunny day...


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79. 夜来香 Ye Lai Xiang イェ・ライ・シャン (番外編)

夜来香 (Ye Lai Xiang) イェ・ライ・シャン : 麗君 (Teresa Teng ) テレサ・テン


夜来香
Alubm : テレサ・テン ベスト 日本語&中国語ヒット曲聴き比べ


作詞・作曲: 黎錦光 (1943年・中華民国)
元歌: 李香蘭 (日本に帰国後、山口淑子の名前で1950年に日本語で録音)

  麗君(テレサ・テン)について:
麗君(テレサ・テン)
 フリー百科事典『ウィキペディア』  

 とうとう「洋楽」の枠からはみ出してしまいましたが、英語以外の言語をやっていたら面白くなってきたので番外編として採り上げてみました。

 私はずっと以前に少し中国語を学んだことがあり、上海の大学に一月ほど短期留学させてもらったりして、この歌は台湾の若い女性から教わりました。 私は歌で外国の言葉を習うのが好きで、特に相手がきれいな女性だったりすると良く覚えるのです。 良い先生がいない言語はサッパリでしたが・・・

 この歌は1943年に中華民国(当時の大陸の方)で生まれ、文化大革命で中華人民共和国となってからは国情と合わず忘れられていたものが、台湾の歌姫・麗君(テレサ・テン)の歌声でよみがえりました。
 中国(中華人民共和国)では政治的な理由から、この曲は歌うことも聴くことも禁止されていた時代がありましたが、現在では解禁されています。
 麗君(テレサ・テン)は中国語ではトン・リージュンと読み、小平(トン・シャオピン)と同じ姓なので、小平を大(ター・トン)、麗君を小(シャオ・トン)またはリトル・トンと呼んだりしています。 小(シャオ)は名前の前に付けて「~ちゃん」―といった愛称の意味にもなりますが・・・
 
 夜来香 (イェ・ライ・シャン)
夜来香
というのは花の名前で幾つか種類がありますが、形はそれほどでもなく、どちらかというと香りを楽しむもののようです。 中国で夜来香は月見草のことだとする説もあるのですが、月見草は匂いなどしませんからこの歌にはふさわしくないでしょう。
 夜に香りが強くなることからこの名があるそうですが、もちろんこの花の香りから思い出す愛しい人を心に想いながら歌っている訳で、こんなこと説明するだけ野暮というものですが・・・

yè lái xiāng   wǒ wèi nǐ  gē chàng  イェ・ライ・シャン / ウォー・ウェイ・ニー/クー・チャン 
夜 來 香     我 為 你  歌 唱      夜来香  私はあなたの為に 歌を唄う

yè lái xiāng   wǒ wèi nǐ  sī liàng  イェ・ライ・シャン / ウォー・ウェイ・ニー/スー・リァン
夜 來 香     我 為 你  思 量      夜来香  私はあなたの為に 心に思う

 上はこの歌のサビの部分ですが、ここだけでも歌えるとコーラスで参加することができるので、ちょっとやってみましょう。 夜来香(イェライシャン)はもう良いとして、「你」(ニー)は「あなた」という日本語に無い文字です。

 我為你(ウォー・ウェイ・ニー)は「我愛你」(ウォー・アイ・ニー:英語の「I Love You」 と同じ意味で同じ並び方)の「愛」を「為」(ため)に置き換えただけで、 「私はあなたのために」―となります。
 歌唱(クー・チャン)は文字通り「歌を唄う」ことで、漢字だと意味が判りますね。
 思量(スー・リァン)も心に思い描くことで、発音さえ覚えれば後は自然に歌えるでしょう。

 日本語は朝鮮半島のハングルの影響が強く、漢字の読み方でも似たものが多くありますが、中国語には四声(スー・シェン)があって覚えるのが難しいです。 同じ「マ」の発音でも4種類あり(日本語の「柿」と「牡蠣」、「飴」と「雨」など)、カタカナで書いても通じないことが多いのですが歌を聴きながら真似してみて下さい。

 争いごとのほとんどは相手を理解しないことから起こるのですが、歌でもドラマでもその国の文化を好きになって片言でも言葉を話せるようになれば、お互いが仲良く暮らせるのではないでしょうか。 中国に行った時に向こうの学生の人たちが日本の「北国の春」を歌ってくれた時は、照れくさいのと同時に若い人たちの間に日本に対する理解が生まれつつあることを感じたものでした。 このブログも少しはお役に立てると良いのですが・・・

テレサ・テンの 夜来香 『 (Ye Lai Xiang) イェ・ライ・シャン 』を聴く:
(※自動的に再生が始まらない時は、上にある「PLAY」をクリックして下さい)

  ●歌詞と訳詩●

ウォー・ウェイ・ニー/クー・チャン   ウォー・ウェイ・ニー/スー・リァン
wǒ wèi nǐ gē chàng        wǒ wèi nǐ sī liàng
 (我 為 你 歌 唱            我 為 你 思 量) 

nà nán fēng  chuī lái qīng liáng   ナ・ナン・フォン / チュィ・ライ・チン・リァン
那 南 風     吹 來  清 涼      南風が  涼しく吹いて

nà yè yīng  tí shēng xì chàng   ナ・イェ・イン / チー・シェン・チー・チュァン
那 夜 鶯    啼 聲  悽 愴       夜鶯が  悲しげに鳴いている

yuè xià de huā ér   dōu rù mèng   ユェ・シァ・ダ・ホァ・ー / ドゥ・ル・モ
月 下 的   花 兒    都 入 夢     月下の 花たちが  みな眠りに就いても 

zhǐ yǒu nà  yè lái xiāng   ツー・ヨゥ・ナ / イェ・ライ・シァン
只 有 那    夜 來 香     夜来香の  (花の)香りだけは

tǔ lù zhe  fēn fāng   ツ・ルー・ツェ / フェ~ン・ファ~ン
吐 露 著   芬 芳     芳しい匂いを  漂わせている

wǒ ài zhè  yè sè máng máng   ウォー・アイ・ツェ / イェ・ソ・マン・マン
我 愛 這    夜 色 茫 茫      私はこんな   静かな夜を愛している

yě ài zhè   yè yīng gē chàng  イェ・アイ・ヅ / イェ・イン・クー・チャン
也 愛 著    夜 鶯 歌 唱     夜鶯が歌を唄う  こんな夜も愛している

gèng ài nà huā  yì bān de mèng  ゲン・アイ・ナ・ホァ / イー・ビェン・ダ・モ
更 愛 那 花     一 般 的 夢   そしてこの花のような  普通の夢も愛している

yōng bào zhe  yè lái xiāng   ヨン・バオ・ツェ / イェ・ライ・シャン
擁 抱 著      夜 來 香      夜来香を    そっと抱き寄せて

wén zhè  yè lái xiāng  ウェン・チェ / イェ・ライ・シャン
吻 著     夜 來 香    夜来香に   接吻する

※(サビ)
yè lái xiāng  wǒ wèi nǐ gē chàng  イェ・ライ・シャン / ウォー・ウェイ・ニー/クー・チャン 
夜 來 香     我 為 你  歌 唱     夜来香  私はあなたの為に (歌を)唄う

yè lái xiāng   wǒ wèi nǐ sī liàng  イェ・ライ・シャン / ウォー・ウェイ・ニー/スー・リァン
夜 來 香     我 為 你  思 量     夜来香  私はあなたの為に (心に)思う

a  a  a
啊 啊 啊  ......   あ ゝ ゝ ・・・

wǒ wèi nǐ gē chàng  ウォー・ウェイ・ニー / クー・チャン
我 為 你  歌 唱     私はあなたの為に  (歌を)唄う

wǒ wèi nǐ sī liàng  ウォー・ウェイ・ニー / スー・リァン
我 為 你  思 量   私はあなたの為に  (心に)思う

(以上、上から繰り返し)

yè lái xiāng
夜 來 香   イェ・ライ・シャン

yè lái xiāng
夜 來 香   イェ・ライ・シャン

yè lái xiāng
夜 來 香   イェ・ライ・シャン

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テーマ : 洋楽歌詞対訳
ジャンル : 音楽

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Sumi Haruo

Author:Sumi Haruo
昨年まで老母の介護をしていました。 古い記事へのコメントも大歓迎です。
※記事へのリンクは自由ですが、対訳はあくまでも私個人の解釈なので、訳詞の転載はお断りいたします。
訳詞を掲載したい場合は、記事へのリンクを貼るという形にして下さい。

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