歌詞の翻訳について


 歌詞の翻訳に完璧なものはありません。 短い言葉で綴(つづ)られている歌詞には意味の分かりにくいものが多く、詩は別の国の言語に翻(ひるがえ)した時点で韻律や言葉の持つ響きは失われてしまうからです。
 和歌を英語に翻訳したとして、他人の訳文を参考にしない限り十人十色の訳し方になるでしょう。

あかねさす 紫野行き 標野(しめの)行き 野守は見ずや 君が袖振る (額田王)

みさぶらひ み笠と申せ 宮城野の 木の下露は 雨にまされり (詠み人知らず) 

 これらは万葉集や古今和歌集にある有名な句で、上は「むらさ のゆ しめのゆ」で韻を踏んでおり、下は仙台にある宮城野に合わせて「御侍」「御笠」の「御」を「み」と読むことで、「さぶらい かさともうせ やぎのの」として韻を踏ませている訳です。 これらの句は韻律の美しさが魅力の歌なので、私の語学力ではとても翻訳など出来そうにありません。

 韻律を無視して歌の意味を伝えるにしても、普段和歌など読まない人に意味をたずねたとしたら、落語の「ちはやふる」みたいにトンチンカンな解釈が飛び出してくるのではないでしょうか。

千早振る 神代も聞かず 竜田川 からくれなゐに 水くゝるとは (在原業平)

 このブログにある訳詞は私個人の解釈によるもので、あくまでも「原文の補助」ということですから、「対訳」という形にこだわっているのもそのためです。 訳文は大まかな意味を伝えるための補助的なものとして、原文の持つ言葉の響きを楽しんで下さい。
 
 他人の欠点は目に付きやすいもので色々と文句も言いたくなるでしょうが、自分の欠点に気付く人は少ないし、それを改めようとする人は更に稀です。
 訳詞について何かご意見がある場合は「ここはこう訳した方が良いですよ」という具体的な形にして下さい。 良いお手本があれば他の方にも参考になるでしょうし、誤訳を指摘していただければ修正することも可能ですから。
 
 ただし「もっと英語を勉強しろ」とか「下手くそ」とか「やめちまえ」といった具体性を欠く悪口なら子供でも書ける訳で、そうした方は英語が堪能なのでしょうから、ご自分でもっと良い訳文にして皆さんにお目にかけて下さい。 優れた訳詞であれば、喜んで公開させていただきます。 実際に自分でやってみれば、歌詞の翻訳は悪口を並べ立てるより、ずっと骨の折れるものだということが分かるでしょう。

追記: コメントについて
 それと、初めてコメントするのに「初めまして」も「こんにちは」も言わず、名無しや匿名でいきなり自説を展開する人がおりますが、最低限の礼儀もわきまえないコメントは不愉快で読む気にもなれませんので、サッサと削除することにしています。
 面接を受けに行っても名前を名乗らず履歴書も持たず、担当者にいきなりタメグチで話したらその時点で落とされるでしょう。 まして相手の見えないインターネットの世界であればこそ文面で人柄が想像できるというもので、土足で人の家に上がり込もうとする輩(やから)がいるからドアに鍵をかけておくように、コメントを承認制にしているのはそうした礼儀知らずな人を相手にしたくないからです。

 それから、他の人のコメントに対して何か言うのもブログが荒れる原因になるので公開しません。 自分の意見を聞いて欲しかったら、まず相手の意見を尊重することです。 そしてその判断は、それを読む人たちに委ねるようにして下さい。

『人からとやかく言われる様なくだらない人間に限って、まず真っ先に他人の悪口を言うものです』
    (モリエール「タルチュフ」)

Hallelujah ハレルヤ


 レナード・コーエン1984年のアルバム「Various Positions」に収録されていたこの曲は、10年前にk.d.ラングのカヴァー・ヴァージョン(29回)で採り上げたことがありました。
 レナード・コーエン自身は2016年11月に亡くなっていますが、この曲は多くのシンガーによってカヴァーされ、映画などに使われることで少しずつ一般の人にも知られるようになり、現在では様々な解釈の仕方で歌われています。 今回は追悼の意味も込めて、改めてこの曲を採り上げてみることにしました。

Cohen_Hallelujah_Australia.jpg


Hallelujah (ハレルヤ)はヘブライ語で「神を褒め称えよ」という意味のようで、難解な歌詞の中には旧約聖書中の人物や出来事が幾つか出てきますが、篤い信仰心というよりは冒涜に近いものがあり、歌詞にあるような「Broken Hallelujah(でたらめなハレルヤ)」となっています。 1960年代から禅に傾倒し、1996年には臨済宗の和尚となっている人ですから、反キリスト教的な歌詞になるのは当然のことかもしれません。

Hallelujah (Leonard Cohen song)


レナード・コーエンのオリジナル・ヴァージョン: 
 1984年のアルバム「Various Positions」に収められていたこの曲はかなり癖が強く、当初はレコード会社の社長にシングルにすることを却下されたという曰く付きのものでした。たとえて言えば強い酒みたいなもので、ソーダや果汁で割って口当たりの良いものにしなければ、とても一般の人には合わないものだったからです。 それはブルースやソウルなどの運命と似たようなものでした。

ボブ・ディランのカヴァー・ヴァージョン(LIVE):
 この曲の良さにいち早く気付いたのは、レナード・コーエンと親交のあったボブ・ディランでした。 コーエン本人からこの曲について聞かされたディランは、1988年のツアーでこの曲を採り上げています。 もっともボブ・ディランもレナード・コーエンと同じくらいのダミ声で、ディラン自身の曲でも他の人が歌う方がヒットしたくらいでしたから、この曲を広めるには至りませんでした。


 この曲が現在のように広く知られるようになったのは、1991年 John Cale(ジョン・ケイル)のカヴァー・ヴァージョンと、それから1994年 Jeff Buckley(ジェフ・バックリィ)のヴァージョンと、その二人の功績が大きいと思います。



 ヴェルヴェット・アンダーグラウンドのメンバーの一人だったジョン・ケイルは、1991年のレナード・コーエンのトリビュート・アルバム「I'm Your Fan」の最後(18曲目)に「ピアノの弾き語り」という形でこの曲を歌っています。 のちのルーファス・ウェインライトやk.d.ラングのピアノ・ヴァージョンは、この形を踏襲したものでしょう。



 ジョン・ケイルのアルバムでこの曲を知ったというジェフ・バックリィは「ギターの弾き語り」という形でこの曲を歌い、1994年の最初で最後のアルバム「Grace」(グレース)に収められました。 もっともその歌声が知られるようになったのは、1997年に川で泳ごうとして30歳という若さで溺死した後のことで、更にシングルとしてリリースされたのはその10年後の2007年になってからでした。 
 ジェフ・バックリィのヴァージョンは映画などに使われることで、一般の人の耳にも届くようになりました。 それが現在のように様々なヴァージョンを生む元となっているのでしょう。



 レナード・コーエンと同じカナダのRufus Wainwright(ルーファス・ウェインライト) 2001年のヴァージョンで、ジョン・ケイルと同じピアノの伴奏で歌われています。アニメーション映画「シュレック」のオリジナル・サウンドトラックに収められました。

Choir! Choir! Choir! Epic! Nights: Rufus Wainwright + 1500 Singers sing HALLELUJAH!
 ルーファス・ウェインライトにはもう一つ、1500人のオーディエンスと一緒に合唱しているヴァージョンがあります。"Choir"(クワイアー)は「合唱団」とか「聖歌隊」といった意味ですが、こちらはアコースティックギター1本の伴奏だけで歌われていて、小さな女の子まで一緒に歌っている様子を見ると、カナダの人たちにとってこの歌がいかに身近なものになっているかが良く分かります。
 2016年6月の"Luminato Festival"(ルミナト・フェスティバル)という音楽フェスティバルで行われたパフォーマンスで、会場の"The Hearn Generating Station"という場所はカナダのトロントにある廃止された発電所とのことでした。



 同じくカナダのk.d.ラング2004年のヴァージョンで、こちらもピアノの伴奏で歌われていますが、このヴァージョンは10年前に一度採り上げているので詳しいことは省きます。

 2006年の"Canadian Songwriters Hall of Fame"でレナード・コーエンが「ベストソングライター・オブ・カナダ」に選ばれた時には、コーエン本人の前でこの曲を歌ったということです。
 2010年カナダの冬季オリンピックの開会式でもこの曲を披露して、すっかり自分のものにしている感がありました。



2016年: 最後に5人組のコーラス・グループPentatonix(ペンタトニックス)のヴァージョンを載せておきます。 YouTube の再生回数が5億回を超えているというだけでも、その人気のほどが分かるでしょう。 ある意味、レナード・コーエンのオリジナル・ヴァージョンとは対極にあるといっても良いくらいの美声で聴きやすくなっています。 オリジナルが持つ毒気は皆無ですが・・・


歌詞と対訳● (曲によって少し違うところがあります)

I've heard there was a secret chord  神秘のコード(和音)があったと聞く ※
That David played,  ダビデが(竪琴を)プレー(演奏)して
and it pleased the Lord   それが王(サウル)を喜ばせたという  
You don't really care for music, do ya ? あなたは本当に音楽を気にかけないね、そうだろ?
It goes like this   それはこんな風にやるんだ
The fourth, the fifth  (C major の)4番目(F - IV)、そして5番目(G - V ) ※
The minor fall, and the major lift  マイナー(短調)で落して、メジャー(長調)で引き上げ
The baffled king composing Hallelujah   困惑した王が ハレルヤを作曲する

Hallelujah, Hallelujah   ハレルヤ、ハレルヤ (神を 褒め讃えよ)
Hallelujah, Hallelujah   ハレルヤ、ハレルヤ

Your faith was strong    あなたの信仰は強かったけれど
but you needed proof   あなたは証拠を必要とした
You saw her bathing on the roof あなたは彼女の沐浴を 屋根の上から見ていた ※
Her beauty and the moonlight overthrew ya その美しさと月の光は あなたの王位を覆す
She tied you   彼女は あなたを縛り付けた
To her kitchen chair   その厨房の椅子に
She broke your throne   彼女はあなたの王座を破壊し
and she cut your hair  それから あなたの髪を切り落とし ※
And from your lips   そして あなたの唇から
she drew the Hallelujah   彼女はハレルヤを引きずり出した

Hallelujah, Hallelujah   ハレルヤ、ハレルヤ
Hallelujah, Hallelujah   ハレルヤ、ハレルヤ

Baby, I've been here before   ベイビィ、私は以前ここにいた
I've seen this room    私は この部屋を見たことがある
and I've walked this floor   そして私は この部屋を歩いて
I used to live alone    私は一人で住んでいた
before I knew ya   あなたを知る前に
And I've seen your flag -   そしてあなたの旗を見たことがある
on the marble arch   大理石のアーチの上に
Our love is not a victory march  私たちの愛は 勝利のマーチ(行進曲)じゃない ※
It's a cold   それは冷たくて
and it's a broken Hallelujah   そして 下手くそなハレルヤ

Hallelujah, Hallelujah   ハレルヤ、ハレルヤ
Hallelujah, Hallelujah   ハレルヤ、ハレルヤ


Maybe there's a God above   たぶん 神は天上にいるのだろう
But all I've ever learned from love  でも私は今まで愛から習ったことが全てだった
Was how to shoot somebody -   それは誰かを撃つやり方だった
who outdrew ya   その人を あなたから引き離すために
And It's not a cry -   それは 泣き声じゃない
that you hear at night   あなたが 夜中に聞いたという
It's not someone -   それは誰かじゃない
who's seen the light   その明かりを見た人ではない
It's a cold    それは冷たいもの
and its a broken Hallelujah   そして 出鱈目(デタラメ)なハレルヤ

Hallelujah, Hallelujah   ハレルヤ、ハレルヤ
Hallelujah, Hallelujah   ハレルヤ、ハレルヤ

Hallelujah, Hallelujah   ハレルヤ、ハレルヤ
Hallelujah, Hallelujah   ハレルヤ、ハレルヤ
Hallelujah, Hallelujah...   ハレルヤ、ハレルヤ・・・


secret chord: 神秘なコード(和音)。旧約聖書「サムエル記」の「ダビデが初代イスラエル王であるサウルに竪琴を演奏した」による。
ya = you を詰めた形。 ハレルの末尾に発音を合わせて韻を踏んでいます。
The fourth, the fifth,The minor fall..: この曲は"C major"(ハ長調)で書かれ、その第四(F)と第五(G)、A minor というコード進行になっているという。
baffle: 1.困惑する、途方に暮れる。 2.(スピーカーの)バッフル(隔壁板)。

You saw her bathing: 「月明かりの下で沐浴するバト・シェバに対し、ダビデが言い寄った」という逸話のことか。
she cut your hair: これも旧約聖書の「サムソンとデリラ」で、怪力サムソンの弱点である髪の毛を切って無力化したエピソードを連想させる。

"arch" と "march"で韻を踏んでいるが、意味は不明。

The Killing Moon / キリング・ムーン

The Killing Moon キリング・ムーン / Echo & the Bunnymen エコー&ザ·バニーメン

エコー&ザ·バニーメン1984年のヒット曲で、彼らを代表するこの曲を採り上げてみました。

The-Killing-Moon.jpgAlbum : The Killing Moon / OCEAN RAIN
Released: 20 January 1984
Written by: Will Sergeant, Ian McCulloch, Les Pattinson, Pete de Freitas
Produced by: David Lord
 Echo & the Bunnymenエコー&ザ·バニーメン) について:

2000.jpg

 この曲の歌詞は抽象的で意味が分かりにくいのですが、"The Guardinan"(ザ・ガーディアン)にイアン・マッカロク(写真左)のインタビュー記事が掲載されていたので、その部分を対訳にしてみました。


I've always said that "The Killing Moon" is the greatest song ever written.
いつも言ってきたことだけど、「キリング・ムーン」はこれまで書いた曲の中で最高のものだ。

I'm sure Paul Simon would be entitled say the same about "Bridge Over Troubled Water", but for me "The Killing Moon" is more than just a song.
ポール・サイモンなら「明日に架ける橋」が同じように言えると思うけど、でも「キリング・ムーン」はぼくにとってそれ以上の、ただの曲とは違うものなんだ。

It's a psalm, almost hymnal.
それは聖歌であり、ほとんど讃美歌といってもいいくらいでね。

It's about everything, from birth to death to eternity and God – whatever that is – and the eternal battle between fate and the human will.
それは全てのことについて、生まれてから死ぬまでの永遠と神について― それが何であれ ― それは人間の意思と運命との間における永遠の問題だということ。

It contains the answer to the meaning of life.  
それは人生の意味についての答えをも含んでいる。

It's my “To be or not to be …”  
それはぼくにとっての「生きるべきか、死ぬべきか・・」(ハムレット)なのさ。


I love it all the more because I didn't pore over it for days on end.
ぼくはこの曲を特に愛していたから、数日の間は何も手を加えなかった。

One morning, I just sat bolt upright in bed with this line in my head:
ある朝、ぼくはこんな歌詞の一節が頭に浮かぶと同時にベッドから飛び起きたんだ:

“Fate up against your will. Through the thick and thin.
He will wait until you give yourself to him.”
「運命による、人の意思に反する問題に直面しながら、良い時も悪い時も切り抜けてきた。
人がその身を捧げる時まで、その方は待っているだろう」(という部分を)

You don't dream things like that and remember them.
(ふつう)人にそんな夢の様な出来事は起こらないし、また覚えてもいないだろう。

That's why I've always half credited the lyric to God.
そんな訳で、ぼくはいつも歌詞のクレジットの半分は「神からの」(霊感)としているのさ。

It's never happened before or since.  
そうした出来事は、それ以前にも以後も決して起こらなかったから。

I got up and started working the chords out.  
ぼくは起き上がって、それから(曲の)コードを弾き始めた。

I played David Bowie's "Space Oddity" backwards, then started messing around with the chords.
デビッド・ボウイの「スペース・オディティ」(のコード進行)とは逆行する形で、コードを演奏してみたんだ。

By the time I'd finished, it sounded nothing like "Space Oddity".
そして終わった時には、それはもう「スペース・オディティ」のようには聞こえなかった。

The rest of the lyrics came quickly, almost as if I knew them already.
歌詞の残りの部分はすぐに出来た、まるで既にそれを知っていたみたいにね。

The title and a lot of the astronomical imagery, such as “your sky all hung with jewels”, came about because, as a kid,
曲のタイトルや多くの天体に関するイメージ、「夜空は全て宝石で飾られて」の様な部分は、ぼくの子供の頃に起因しているんだ、

I'd always loved "The Sky at Night" and "Star Trek", and I remembered the moon landing.
ぼくは(TVの)「スカイ・アット・ナイト」や「スター・トレック」が大好きで、(人類初の)月面着陸のこともよく覚えている。

I was up all night wishing I had a telescope.
(その時)ぼくは夜通し起きていて、「天体望遠鏡があればいいのに」と思ったものさ。


―ということで、歌詞の内容は人間の運命や、やがて訪れるであろう死の予感などを詩的に表現したものと思われます。

歌詞の中で特に分かりづらいのが"Unwillingly mine"という部分で、"mine"は「私の」という以外に「鉱山」や「金鉱」や「宝の山」という意味があり、他には「地雷」や「機雷」という使い方もあります。 "Time is Money"(時は金なり)とはいっても時間の大切さに気付くのは年を取って残り時間が短くなってからで、若いうちはその大切さに気付かず浪費してしまうことが多いものですから、ここでは「望んで得たものではない (時間という)宝の山を」としておきました。

今回の対訳も私個人の解釈によるもので、この歌詞はS&Gの「明日に架ける橋(275回)」と同様、訳す人によって解釈の仕方が大きく異なるでしょう。 短い言葉でつづられた歌詞には、他にもそうした意味の分かりにくいものが数多くあります。


Ian McCulloch: vocals, guitar
Will Sergeant: guitars
Les Pattinson: bass
Pete de Freitas: drums

 ●歌詞と対訳●

Under a blue moon I saw you 蒼い月の下で あなたを見た
So soon you'll take me  いずれあなたは ぼくを連れ去り
Up in your arms   あなたの腕に 抱(いだ)かれるだろう
Too late to beg you or cancel it 乞い願っても それを断わろうとしても 既に手遅れで  
Though I know it must be the killing time 時を浪費してきたことは 分かっていたはず
Unwillingly mine  望んだものではない (時間という)宝の山を ※

Fate  運命による
Up against your will  人の意思に反する問題に直面しながら
Through the thick and thin  良い時も悪い時も くぐり抜けてきた
He will wait until  その方は待っているだろう
You give yourself to him  人が自分自身を その方に捧げる時まで


In starlit nights I saw you  星明りの夜に ぼくはあなたと逢った
So cruelly you kissed me  無情にも あなたはぼくに(最後の)口づけをした
Your lips a magic world   その唇は まるで魔法の世界
Your sky all hung with jewels   満天の夜空は 宝石で飾られて 
The killing moon  たましいを奪うような月が
Will come too soon  もうすぐ昇ってくるだろう

Fate   運命による
Up against your will  人の意思に反する問題と対峙しながら
Through the thick and thin   良い時も悪い時も どうにかすり抜けてきた
He will wait until  その方は待っているだろう
You give yourself to him  人が自分自身を その方に捧げる時まで

(間奏)

Under a blue moon I saw you 蒼い月の下で あなたを見た
So soon you'll take me  いずれあなたは ぼくを連れ去り
Up in your arms   あなたの腕に 抱(いだ)かれるだろう
Too late to beg you or cancel it 懇願しても それを断わろうとしても 時すでに遅く  
Though I know it must be the killing time 時間を無駄にしてきたのは 分かっていたはず
Unwillingly mine  望んだわけではない (時という)宝の山を

Fate  運命による
Up against your will  人の意思に反する問題に直面しながら
Through the thick and thin  良い時も悪い時も 何とかくぐり抜けてきた
He will wait until  その方は待っているだろう
You give yourself to him  人が自分自身を その方に捧げる時まで

Fate   運命によって
Up against your will  人の意思に反する問題と対峙しながら
Through the thick and thin   良い時も悪い時も すり抜けてきた
He will wait until  その方は待っているだろう
You give yourself to him  人が自分自身を その方に捧げる時まで
You give yourself to him  人がその人自身を その方に捧げるその時まで

La la la la la...



blue moon:1.(大気の状態によって)青く見える月。 2.一月に二回満月がある時の、二度目の満月を指す。
Too late to:今更~しても始まらない。 既に手遅れ。 時すでに遅し。
killing time: 時間を浪費する。暇をつぶす。
Unwillingly:嫌々ながら。望んでもいないのに。不承不承。
mine: 1.私の。 2.鉱山、宝の山。 3.地雷、機雷。 

Up against:(問題などに)ぶつかって、直面して。
against someone's will: (その人の)意思に反して、嫌々ながら、不本意ながら。
through thick and thin: thick(草木が生い茂る)、thin(歩きやすい場所)から、「良い時も悪い時も」、「逆境でも順境でも」(通り抜けてきた)

cruelly:無情にも、意地悪く、ひどく、酷(むご)く。
hung with: ~で飾られて、~が掛けられて。
killing: 1.殺すこと、殺害。 2.魅惑的な、悩殺する、うっとりさせる。 3.(米俗)素晴らしい、カッコいい。いかした、すごく良い。

Wake Me Up (Acoustic) ウェイク・ミー・アップ

Wake Me Up (Acoustic) ウェイク・ミー・アップ : Aloe Blacc

アロー・ブラック2013年のアルバムから、先行シングルとして発売されたこの曲を選んでみました。


Album : Lift Your Spirit
/ mp3 ストア (試聴可)
Released: September 2013, (Album: October 2013)
Written by: Mike Einziger, T. Bergling (Avicii), Aloe Blacc
Produced by: DJ Khalil
 Aloe Blacc について:
Aloe Blacc
 フリー百科事典『ウィキペディア』

この曲は、DJ Avicii (アヴィーチー)のアルバム、"TRUE" に収められていたものがオリジナル・ヴァージョンです。 アロー・ブラックはそのアルバムに参加した時、この曲に歌詞を付けて歌っていますが、そちらはダンス・ナンバーでした。
そして自らのアルバムで改めて採り上げた時に、アコースティック・ヴァージョンにアレンジを変えて歌ったという訳です。

アロー・ブラックが歌うことになった経緯(いきさつ)を、アヴィーチーはインタビューで、
"I had a demo with Mac Davis singing, the guy who wrote all the Elvis Presley stuff, but I needed another singer to do the parts.
俺はマック・ディヴィスの歌ったデモを持っていて、その人は(初期の)エルヴィス・プレスリーの曲を書いていたこともある(70代の)人だったけど、でもその曲のパートを歌うには別の歌手が必要だったんだ。

At the same time I was tipped off about doing another track with Aloe Blacc and I started working on that track.
同じ時に俺は別の曲のトラックをアロー・ブラックと録(と)っていて、そのトラックの仕事も始めていたところでね。

When I was with Mike Einziger from Incubus, we came up with the chord progression and the melody for 'Wake Me Up!' but no real lyrics.
その頃俺はインキュバス(というバンドのギタリスト)のマイク・アインジガーと仕事していて、「ウェイク・ミー・アップ!」のコード進行やメロディは出来たんだけど、ちゃんとした歌詞は無かったんだ。

None of us sing and we really needed to get that demo down and the only person I knew that lived in LA was Aloe, so I called him and he was free.
そのデモを(トラック)ダウンするのに、歌詞を書いて歌える人物というと、ロサンゼルスで俺が知っている人物はアローだけだったから、それで彼に電話したらフリーだったという訳さ。

Lyrics come really easy to him so the two of us wrote them in a couple of hours and we finished the track."
歌詞はとても簡単にできて、それで俺たち二人は2時間ほどでその曲のトラックを録(と)り終えることができたんだ。
―、と語っていました。



 ●歌詞と対訳●
[1]
Feeling my way through the darkness
  まるで暗闇を通り抜けるような 俺の生き方

Guided by a beating heart
  心臓の鼓動に 導(みちび)かれながら

I can't tell where the journey will end
  どこが終わりとも言えない この旅の途中で

But I know where to start
  でも どこが始まりだったかは分かってる


They tell me I'm too young to understand
  理解するには若すぎるって 世間の人は言うし

They say I'm caught up in a dream
  俺は夢を追いかけてるだけだって 言われるけど

Life will pass me by if I don't open up my eyes
  この両目を開けていなければ 人生は目の前を通り過ぎてしまうから

So, that's fine by me
  そうさ、俺はそれでも構わないけど

[Chorus x2]
So wake me up when it's all over
  だから全てが終わってから 目を覚まさせてくれ

When I'm wiser and I'm older
  俺がもっと歳をとって 今より賢くなった時に

All this time I was finding myself
  今まで俺は 自分を見つけようとしてきたけど
 
And I didn't know I was lost
  でも自分を見失っているなんて 思わなかった (2回繰り返し)

(間奏)

[2]
I tried carrying the weight of the world
  この世界という重荷を担ごうと 努力してきたけど

But I only have two hands
  でも俺にあるのは この二本の腕だけだから

Hope I get the chance to travel the world
  この世界を巡る チャンスがあればいいのだけど  

But I don't have any plans
  でも俺には 何の計画も無いのさ


Wish that I could stay forever this young
  この若さを 永遠に保つことができたら良いのだけど

Not afraid to close my eyes
  (永遠の)眠りに就くという 怖れも無しに

Life's a game made for everyone
  人生は 全ての人に与えられたゲームさ

And love is the prize
  そして愛は その(ゲームの)賞品なんだ

[Chorus x2]
So wake me up when it's all over
  だから全てが終わってから 目を覚まさせてくれ

When I'm wiser and I'm older
  俺がもっと歳をとって 今より賢くなった時に

All this time I was finding myself
  今まで俺は 自分を見つけようとしてきたけど
 
And I didn't know I was lost
  でも自分を見失っているなんて 思わなかった (2回繰り返し) 



I didn't know I was lost
  自分を見失っているなんて 思わなかった

I didn't know I was lost
   自分が迷っているなんて 思いもしなかった

I didn't know I was lost
 自分を見失っているなんて 思わなかった

I didn't know I was lost
   自分が迷っているなんて 思いもしなかった


So wake me up when it's all over
  だから全てが終わってから 目を覚まさせてくれ

When I'm wiser and I'm older
  俺がもっと歳をとって 今より賢くなった時に

All this time I was finding myself
  今まで俺は 自分を見つけようとしてきたけど
 
And I didn't know I was lost
  でも 自分を見失っているなんて 思わなかった 

Don't Know Why ドント・ノー・ホワイ

Don't Know Why ドント・ノー・ホワイ : Norah Jones ノラ・ジョーンズ


Alubm : Come Away with Me
  ノラ・ジョーンズ
(試聴可)
Released: 2002
Written by: Jesse Harris
Produced by: Norah Jones, Arif Mardin & Jay Newland

  ノラ・ジョーンズについて:
Norah Jones
 フリー百科事典『ウィキペディア』  

 ノラ・ジョーンズのこの曲が初めてラジオから流れてきた時は、ちょっとした驚きでした。 久々に良いシンガーに出会えた気がしたからです。 それは多くの人が同じだったようで、翌年のグラミーでは8部門にノミネートされ、全部門受賞という快挙を成し遂げました。 ―もっともその頃になると毎日のようにラジオからこの曲が流れてきて、しばらくは食傷気味になってしまいましたが・・・

 この曲は意外なことに、全米のシングル・チャートで30位までしか上がっていません。 その代わり、グラミー受賞後はファースト・アルバムがアメリカを始めカナダ・イギリス・フランス・ドイツなどでチャートの1位となっています。 ジャジーで大人っぽい感じがしますが、デビュー当時はまだ22歳くらいでした。

 ノラのバックには二人の優れたソング・ライターがいて、この曲はギターの Jesse Harris (ジェシー・ハリス)が1999年に自身のアルバムに収めていた曲のカヴァーです。 もっともノラのピアノと歌声があってのヒットであり、オリジナルはかなり地味な感じの曲でした。
 もう一人のソング・ライターであるベースの Lee Alexander (リー・アレクサンダー)はプロモーションの時に一緒に来日していて、まるで恋人同士みたいに見つめ合いながらプレイしていたとか。 その後は公私共にパートナーとなって(のちに別れ)、一緒に The Little Willies なんてふざけた名前のバンドをやったりしていました。(※ "Willie" は英俗で男のペニスを指す隠語 )





  ●歌詞と訳詞●

I waited 'til I saw the sun   太陽(の昇るの)が見えるまで 待っていたの
I don't know why I didn't come   なぜ行かなかったか 自分でも分からない
I left you by the house of fun   あなたを「戯れの家」に置き去りにして
I don't know why I didn't come    なぜ行かなかったのか わからない
I don't know why I didn't come   なぜ行かなかったか 自分でも分からない

When I saw the break of day   夜が明けるのを 見た時
I wished that I could fly away   わたしは「飛び去れたらいいのに」って思った
Instead of kneeling in the sand   砂の上に ひざまずく代わりに
Catching teardrops in my hand   手のひらで 涙のしずくを受け止めながら

My heart is drenched in wine   わたしのハートを ワインに浸しても ※
You'll be on my mind   あなたは わたしの心の中にいるでしょう
Forever   ずっと

Out across the endless sea   果てしのない 海を渡って
I would die in ecstasy   私はエクスタシー(快楽)の中で死ぬことだってできたのに
But I'll be a bag of bones   でもわたしは やせ衰えて行くだけ ※    
Driving down the road alone   独りの道を 車で行くだけ

My heart is drenched in wine   わたしのハートを ワインに浸しても
But you'll be on my mind   あなたは わたしの心の中にいるでしょう
Forever   永遠に

(Instrumental break)

Something has to make you run   なにかが あなたを逃がさなければならない
I don't know why I didn't come   なぜ行かなかったか 自分でも分からない
I feel as empty as a drum   わたしは 空っぽのドラム缶みたいな気分
I don't know why I didn't come   なぜ行かなかったのか わからない

I don't know why I didn't come    なぜ行かなかったか 自分でも分からない
I don't know why I didn't come   なぜ行かなかったのか わからない


※ drench :浸す、ずぶぬれ(にする)
※ a bag of bones :やせこけた人(動物)。「骨が透けて見える袋」のような人ということでしょう。
 記事編集
プロフィール

Sumi Haruo

Author:Sumi Haruo
老母の介護をしていた頃に、息抜きも兼ねて始めたブログです。
介護の終わった現在はそんな暇もなく休止状態で、たまの休みには気が向くと更新もしています。

※記事へのリンクは自由ですが、対訳はあくまでも私個人の解釈なので、訳詞の無断転載は固くお断りいたします。

訳詞を掲載したい場合は、「記事へのリンクを貼る」という形にして下さい。できれば少しは努力して、自分で翻訳して下さい。

訳詞についてご意見のある方は、「歌詞の翻訳について」をご覧になってからコメントするようにして下さい。

好意的なコメントには出来るだけ返信するようにしていますが、あからさまな悪口は公開せずにサッサと削除しております。それが人情というものでしょう。

※トップページを開きたい時は、一番上の「ブログ・タイトル」をクリックして下さい。

全記事タイトル表示リンク

全記事タイトルを表示

カテゴリ
最新記事
最新コメント
検索フォーム
FC2カウンター
フリーエリア



Mail Form:メールフォーム

リンク
電子書籍
Amazonから電子書籍を出版しました
QRコード
QR
RSSリンクの表示